TMI-2の内部調査とデブリ取り出しの時系列

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表1 TMI-2事故炉での内部調査とデブリ取り出しの主要な時系列
年月日 実施者 イベント 内部調査 デブリ取り出し
79.3.28 事故発生
79.5 廃炉プロジェクト 圧力容器の状態評価タスクフォース設置
79.8.24 オークリッジ国立研究所

(ORNL: Oak Ridge National Laboratory)

原子炉建屋地階の水サンプル採集
79.11.10 廃炉プロジェクト 建屋内のTV観察、線量測定
80.3.4 原子力規制委員会

(NRC: Nuclear Regulatory Commission)

建屋エアロックの開放を承認
80.3.13 廃炉プロジェクト エアロック開放調査
80.4.23 国立労働安全衛生研究所

(NIOSH: National Institute of Occupational Safety and Health)

自給式呼吸装置(SCBA)使用での建屋内立ち入りを非承認

(SCBA: Self-Contained Breathing Apparatus)

80.5 NRC 建屋パージの環境影響評価レポートを発行
80.5.16 NRC 建屋内立ち入りを承認
80.5.20 廃炉プロジェクト 建屋内立ち入り、内側エアロックドアの損傷により中止
80.6.28~7.11 廃炉プロジェクト 建屋パージ、約46,000CiのKr-85を環境に放出
80.7.22 NRC 建屋パージ後の建屋立ち入りを承認
80.7.23 廃炉プロジェクト 最初の建屋立ち入り
80.7.23~81.9.24 廃炉プロジェクト のべ16回の建屋立ち入り:

サーベイ、写真撮影、除染試験、サンプリング ポーラークレーンの点検と動作確認 アクセスルートの整備、などを実施

81.2 廃炉プロジェクト 最初の燃料取り出しシークエンス計画公表
81.5 GENDグループ

(GEND: GPU社、EPRI、NRC、DOEの専門家グループ)

事故炉の状態に関する基本予測レポート(GEND-007)公開
81.7 米国エネルギー省(DOE: Department of Energy) 総合除染試験を提案
81.8 廃炉プロジェクト 早期の燃料取り出しに向けた、除染の優先順位に関するプログラム計画公開
81.10.29~ 廃炉プロジェクト 加速化プログラムの下での立ち入り開始

立ち入り頻度・人員数が大幅に増加

82.3.4~3.19 廃炉プロジェクト 総合除染試験
82.6.23 NRC 炉心物質の計量に関するガイドライン公表
82.6.23 廃炉プロジェクト 軸方向出力調整棒(APSR)の、圧力容器上部からの再挿入試験

(APSR: Axial Power Shaping Rod)

82.6.23 廃炉プロジェクト、ORNL 地下階からの汚泥サンプル採集
82.7.19 廃炉プロジェクト ポーラークレーンタスクチーム設置
82.7.21~8.12 廃炉プロジェクト 圧力容器上部の、Quick Look調査(第一回ビデオ調査)
82.10 廃炉プロジェクト 建屋内線量低減タスクフォース設置
82.11.18~83.8 廃炉プロジェクト 圧力容器上部ヘッド取り外しに向けた準備作業:

制御棒駆動メカニズム(CRDM: Control Rod Drive Mechanism)の リードスクリューとりはずし、

圧力容器内の線量測定:約500R/hr、

インコア熱電対挿入、APSR取り外し、

蒸気発生器(OTSG: Once-Trough Steam Generator)復水、再循環 圧力容器ヘッドフランジの接続部検査

使用済み燃料プールの検査、汚染レベル測定、などを実施

83.1 廃炉プロジェクト ポーラークレーン作動試験
83.2 廃炉プロジェクトの技術サポートグループ

(TAAG: Technical Assistance and Advisory Group)

付着物の空中での自然発火性が、圧力容器ヘッド取り外しの課題と指摘
83.4 DOE/GPU社 燃料輸送キャスクに関する第一回会合
83.7 廃炉プロジェクト⇒INEL CRDMリードスクリューの切り出しと輸送
83.8 廃炉プロジェクト 圧力容器上部空洞の超音波Topography調査
83.9.9 廃炉プロジェクト 圧力容器内サンプルの最初の回収
83.10 廃炉プロジェクト 圧力容器上部の第二回ビデオ調査
83.11 廃炉プロジェクト TMI-2炉心物質の輸送技術ワーキングチーム設置
83.12.13 日本、FEPC TMI-2クリーンアップ計画に参加を発表(5年間、1800万ドル拠出)
84.2 廃炉プロジェクト 建屋地階の遠隔探査ビークル配備

(RRV-1: Remote Reconnaissance Vehicle)

84.2 廃炉プロジェクト デブリ取り出しの臨界性評価タスクフォース設置
84.2.29 廃炉プロジェクト ポーラークレーン、圧力容器上部ヘッド取り外しの最終負荷試験通過
84.3.30 DOE/GPU社 TMI-2炉心物質の輸送、貯蔵、処分に関する契約に署名
84.4 廃炉プロジェクト 圧力容器上部空洞のパノラマビュー写真撮影
84.4 NRC、廃炉プロジェクト デブリ取り出し時の冷却水ホウ素濃度:4350ppmを承認
84.5.29 廃炉プロジェクト 長借ツールを用いた燃料デブリ取り出し工法を最終決定
84.6.28~7.24 廃炉プロジェクト 上部ヘッドのボルト、スタッブ撤去、CRDリードスクリューの仮止め

圧力容器ヘッド取り外し(2日間)

84.7.27 廃炉プロジェクト 圧力容器フランジ上に、水位上昇のため、IIF(Internal Indexing Fixture)設置
84.8 廃炉プロジェクト デブリ取り出しツールのモックアップ試験準備
84.11.9 廃炉プロジェクト RRV-1が建屋地階の調査開始
84.12 廃炉プロジェクト 圧力容器外デブリの探査に向けた長期計画立案
84.12 廃炉プロジェクト 作業員の訓練開始
84.12 廃炉プロジェクト 使用済み燃料プールの除染完了
84.12.11 廃炉プロジェクト 上部プレナム構造物つり上げ、内部調査
85.1 廃炉プロジェクト 燃料デブリ取り出しシステムの最終デザインレビュー
85.1 廃炉プロジェクト OTSGのA系統の配管上部シートに<2.5kgの堆積物を確認、分析で燃料成分がほとんど含まれていないことを確認
85.2.20 廃炉プロジェクト コアフォーマー領域外側の円環領域を通じたビデオ調査(第一フェーズ)で、下部ヘッドに溶融凝固デブリの堆積を確認
85.3 NRC TMI-2で発生する一般的でない廃棄物の貯蔵施設をINELに設置することを承認
85.3 廃炉プロジェクト デブリ取り出しに直接かかわる線量低減作業の終了
85.4 廃炉プロジェクト 燃料取り出し用の遮蔽付き作業プラットフォームと収納缶の真空吸引システム受け入れ
85.4 廃炉プロジェクト つり上げた上部プレナム構造物を圧力容器内で高圧水で洗浄
85.5 廃炉プロジェクト 建屋内燃料様相システムの再稼働試験終了
85.5.14 廃炉プロジェクト 燃料輸送用運河(canal)水没
85.5.15 廃炉プロジェクト 上部プレナム構造物を取り外し、燃料輸送運河内で貯蔵
85.6 廃炉プロジェクト 建屋のエアエンベロープ運用開始
85.6.28 廃炉プロジェクト 燃料貯蔵プールへの冷却水供給システムのホウ酸水化完成(1.5か月)
85.7 廃炉プロジェクト 同上(第二フェーズ)、下部ヘッドデブリサンプリング
85.7 廃炉プロジェクト コアボーリング装置受け入れ
85.7.1 廃炉プロジェクト 燃料取り出しプラットフォームを圧力容器の上に据え付け
85.7.10 廃炉プロジェクト 圧力容器内冷却水処理系(DWCS)の下流にSDS配管をとりつけ

(DWCS: Defueling Water Cleanup System) (SDS: Sodium Dodecyl Sulfate吸着塔、ラウリル硫酸ナトリウム)

85.7.11 廃炉プロジェクト 燃料輸送運河のろ過システム運用開始
85.7.23 廃炉プロジェクト デブリ取り出し用の水圧スプレーノズル使用開始
85.8 廃炉プロジェクト 収納缶取り扱いのブリッジと貯蔵ラック受け入れ
85.8.1 廃炉プロジェクト⇒NRC 修正された炉心物質の計量計画を提出、NRC承認(10.17)
85.9 廃炉プロジェクト 収納缶受け入れ開始
85.10 NRC TMI-2に限定した燃料取り出しオペレーションのライセンスを認可
85.10.21 廃炉プロジェクト 使用済み燃料プールが浄化水で満水に
85.10.30 廃炉プロジェクト 燃料デブリ取り出し開始(上部ルースデブリから)
85.11.12 廃炉プロジェクト デブリの収納缶への格納開始
85.11.13 廃炉プロジェクト 圧力容器内冷却水のDWCSでのろ過処理開始
85.11.26 廃炉プロジェクト RRV-1が建屋地階のコンクリートサンプル回収
85.11.28 廃炉プロジェクト 使用済み燃料プールに過酸化水素水添加、微生物対策開始
86.1.14 廃炉プロジェクト 圧力容器内で微生物繁殖を確認、2月ごろからデブリ取り出し中断
86.2 廃炉プロジェクト 微生物対策タスクフォースを設置
86.2.8 廃炉プロジェクト プールフィルター試験うまくいかず
86.3 廃炉プロジェクト 建屋内の放射線3Dマップ
86.3 廃炉プロジェクト 輸送キャスク受け入れ開始
86.4.11 NRC⇒DOE 鉄道輸送キャスクの適合証明を発行
86.4.25 廃炉プロジェクト 冷却水ろ過、微生物除去運転開始(殺微生物剤、死骸の凝固剤、フィルター、など)
86.5.22 廃炉プロジェクト ある程度水質改善、デブリ取り出し再開
86.7.3~7.27 廃炉プロジェクト 圧力容器内溶融凝固層のコアボーリング作業、燃料デブリ取り出し中断

(ここまでに、上部ルースデブリと上部格子付着デブリを回収)

86.7.20 廃炉プロジェクト⇒INEL 最初の構外キャスク輸送
86.7.31 廃炉プロジェクト⇒NRC 事故関連水(AGW: Accident Generated Water)の蒸発処理を提案
86.8.11 廃炉プロジェクト コアボーリング装置で、溶融凝固層の破砕作業開始
86.9 廃炉プロジェクト 水浄化グループ設置
86.10 廃炉プロジェクト デブリ取り出しマスタープラン改定(87.12月までにデブリ取り出し完了)
86.10.20~11.15 廃炉プロジェクト コアボーリング装置で、溶融凝固層の穴あけ作業(スイスチーズ化)
86.11 廃炉プロジェクト 長借ツールの作動油を水系から炭素系に交換、微生物持ち込み対策
86.11.21 廃炉プロジェクト 溶融凝固層以下のデブリ取り出し再開
87.1.8 廃炉プロジェクト 圧力容器内のDWCS運転再開、水質の大幅改善へ(87.2.9に濁り度0.75NTUに到達)
87.1.26 廃炉プロジェクト 圧力容器内でエアリフト装置を初使用
87.2.4~87.5 廃炉プロジェクト 補助建屋散布からの堆積物除去
87.2.10~2.23 廃炉プロジェクト 下部ヘッド内とコアフォーマー領域のビデオ調査
87.2.24 廃炉プロジェクト 炉心周辺部の残留燃料集合体の上部を取り出し開始
87.3.18 廃炉プロジェクト 切り株燃料集合体の取り外しと回収を開始、A6集合体から
87.3.23 GENDグループ 今後、追加実施が必要な内部調査項目の検討会合
87.4.15 廃炉プロジェクト⇒NRC 圧力容器ヘッドのサンプリング計画をNRCに提案
87.5 廃炉プロジェクト 燃料デブリの1/3を取り出し
87.6 廃炉プロジェクト プラズマアークトーチ受け入れ

(ACEs: Automated Cutting Equipment System)

87.5.20 廃炉プロジェクト 一般的でない廃棄物(糸巻フィルター)をINELに初輸送
87.6.30 GENDグループ AGWに関するPEISレポート追補を発行
87.9 廃炉プロジェクト 燃料デブリの1/2を取り出し
87.9 廃炉プロジェクト 蒸気発生器A系統の配管シート上からデブリ除去完了
87.10 廃炉プロジェクト 同じくB系統の配管シートからデブリ取り出し開始
87.11 廃炉プロジェクト デブリ取り出しマスタープラン改定(88年第4四半期内にデブリ取り出し完了、89年第2四半期にPDMS終了)

(PDMS: Post Defueling Monitored Storage Safety Analysis)

87.12 廃炉プロジェクト 炉心部からのデブリ取り出し完了
88.1.18 原子力安全許認可協議パネル(ASLB)

(Atomic Safety and Licensing Board)

AGW処理で順守すべきルールを制定
88.3 NRC⇒OECD/NEA 下部ヘッドサンプリング計画に対するOECD/NEAの支援に関する会合
88.8.11 廃炉プロジェクト⇒ORNL 炉心下部構造物の廃棄物を、圧縮処理のため、ORNLに初輸送
89.2.21 廃炉プロジェクト 下部ヘッドルースデブリの探針調査
89.7 廃炉プロジェクト 下部ヘッドのインコアノズル複数本で広範囲な損傷を発見
89.12.24 廃炉プロジェクト 圧力容器外デブリの回収終了
90.1.30 廃炉プロジェクト 圧力容器内の最終クリーンアップと検査終了(朝8時)
90.1.30 VIPプロジェクト(VIP: Vessel Inspection Program、OECD/NEA) 圧力容器調査プログラム開始、下部ヘッドのサンプリング
90.3 廃炉プロジェクト VIP後のクリーンアップ、燃料デブリの建屋内残留量は、全体の<1%と評価