上部クラスト及び溶融プールから採取された燃料デブリ試料の分析結果(放射性核種の偏在傾向)

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図1 上部クラスト試料(K09-P2-F)における101Ru(縦軸)と60Ni(横軸)のシグナル強度の相関(参考文献[1] Fig.24b)
図2 溶融プール試料(G08-P8-C)における141Pr(縦軸)と92Zr(横軸)のシグナル強度の相関(参考文献[1] Fig.27a)

概要

上部クラスト1試料(K09-P2-F)及び溶融プール1試料(G08-P8-C)に対して、SIMSにより、2種類の核種のスペクトル強度の分布図を作成し、その線形相関係数の高低から、着目する2核種の同伴可能性を評価。[1]

  • Mo, Ru, TcはFe、Niとの相関が強い傾向(Ruの例:図1)。なお、EPMAより、Fe-Ni相中にMoとRuをそれぞれ約2 at%、0.3 at%含む。
  • Sr, La, Pr, Ce, Nd, Pmは、UよりもZrとの相関が強い傾向(Prの例:図2)。⇒特にUリッチな立方晶が過定比の場合に、Zrリッチな正方晶に同伴しやすい可能性がある。
  • 上記のほか、相関性が比較的高い組み合わせとしては、238U/239Pu、88Sr/87Rbがある。相関性が低い組み合わせとしては88Sr/138Baがある。



関連項目

スリーマイル島原子力発電所事故
既往知見

参考文献

  1. 1.0 1.1 1.2 Akers D.W., Bart G., Bottomley P., Brown A., Cox D.S., Hofmann P., Jensen S.M., Kleykamp H., Manley A.J., Neimark L.A., Trotabas M. (1992 E): TMI-2 examination results from the OECD/CSNI program vol. 1&2. EGG-OECD-9168. Appendix E.