デブリ取り出し工法の変遷
ヘッド取り外しの後に、プレナム構造物が撤去された。プレナム構造物は、直径4m、高さ3.5mのボルト締めと溶接で組み立てられたSS製の構造物であった(重量55トン)。
炉心上部の炉心支持シールド内に設置、炉心との位置合わせのため原子炉容器のキーとかみ合う 4 つのキー溝を備えています。
事故で炉心と上部格子は大きく損傷。上部格子の下部は一部溶融。上部端栓が固着。一部は燃料集合体の上部を含み(上部端栓をたたいて落とす前)。
一個の塊として取り外す計画。通常の方法。しかし、歪や損傷あり。
図 圧力容器ヘッドと上部プレナム構造物の取り外しの初期構想 []
一体物で取り外せるかどうかと、固着している上部端栓を外せるかどうかの調査(画像、機械的)が、まず行われた。水中カメラ使用。いくつかパネルをとりはずしてから、プレナム側のキー溝と圧力容器側のキーを観察。設計では、キーには0,25-0,38mmのクリアランスあり。Quick Scan 2??
カメラを環状の領域に挿入。炉心遮蔽とプレナムの間の。デブリがあるかどうか。
プレナムが熱で歪んでいたことが初めて確認された。1cmくらいの隙間が測定された(ホットレグのアウトレットで)。
しかし、プレナム側には大きな歪は見られなかった。
プレナム構造物の下の方に燃料デブリ存在。上部格子の下の方には損傷あり。格子と制御棒スパイダー。制御棒案内管の下の方に、より多くの燃料デブリを検出。破砕燃料ペレットを含む。
固着していた上部端栓をたたき落とすツールを開発し、付着物をたたき落とし。èプレナム貯蔵の障害になるため。あわせて、APSRも取り外し。èこれが、事故後初めての、意図した上での、それなりの物ロ湯の燃料デブリの移動に相当。
69個のCRGTがプレナムカバーに溶接され(上部)、上部格子にボルト締めされていた(下部)。これが、プレナムの強度を保証。画像調査。一体物での取りはずしに十分な強度を保持と判定。
プレナム構造物の画像調査と、固着端栓などの叩き落としの後。プレナムを水圧でジャッキアップ。
ジャッキ(50トン、4機)はプレナム構造物の4つの角に挿入。レベル調整しながらジャッキアップ。ジャッキにはビルトインメカニカルフォロワーをとりつけ、ジャッキが壊れても、プレナム構造物が壊れないように。Beam??
図 上部プレナム構造物の模式図(IIF設置後) []
まず、プレナムを5cmジャッキアップ。支持格子と離れていることを確認。あらかじめ、スライドハンマーで、固着上部端栓や燃料集合体を分離。くっついていないことを確認してから18cmジャッキアップ。吊り上げ可能なことを確認。
Canal水没、燃料取り出し長尺ツール、作業プラットフォーム取り付け後、プレナム吊り上げモニターシステム取り付け。
Canal側に、移送システム、ラック、貯蔵スタンドを設置。
DWCS系設置(Defueling Water Clean-up System)、DAM設置。
プレナム吊り上げ用のペンダント搬入。
IIF内のプレナム構造物を外す。カメラでレベリング。
Canalはドライのままで、Canal endは水没させて、そこにプレナム構造物を貯蔵。
遠隔操作で。プレナム取り外しの後に、燃料取り出し用のプラットフォームを設置。
貯蔵スタンド上でプレナムには覆いをつける
目次
1 プレナム構造物撤去までの概略経緯
1.1 圧力容器ヘッド取り外し作業
1.2 上部プレナム撤去の準備作業
1.2.1 1983年の進捗
1.2.2 1984年の進捗
2 参考文献
プレナム構造物撤去までの概略経緯
1983~85年の年次報告に概要が記載されている[1,2,3]。
圧力容器ヘッド取り外し作業 1983年の進捗[1]
Quick Look調査[2]、Underhead Characterization[3]などにより、圧力容器ヘッドはDirty-Lift工法で取り外せると判断された[4]。当初懸念された付着デブリの自然発火性については、実デブリを用いた自然発火性確認試験が行われ、自然発火の可能性は極めて低いと結論された[5]。 ヘッド取り外しの障害となるリードスクリューについては、完全撤去ではなく、スパイダーとの接続を外して支持構造物内の一時保持位置で固定する工法が採用された[4]。 ヘッド貯蔵スタンドに遮蔽が取り付けられた[4]。 ヘッド周辺については、既設の遮蔽体が撤去され、支持構造物とCanal浅瀬が除染された。CanalあさせとヘッドのインターフェースとしてCSP(Canal Seal Plate)が取り付けられた。また、吊り上げツールの検査、ヘッド固定Studsのクリーニングと緩め作業が行われた。
参考: Quick Look
参考: ヘッド取り外し
参考: 自然発火性確認試験
上部プレナム撤去の準備作業 プレナム構造物の撤去工程の検討は、5個のワークに分類され実施された。(a)撤去ツールの検討、(b)撤去方法の検討、(c)臨界安全と作業安全の評価、(d)プレナム撤去後の燃料デブリ取り出し・移送方法の改良、(e)使用済み燃料プールの再稼働。
1983年の進捗 プレナム撤去ツールについて・・・ 一体構造物として撤去することに決定。撤去~貯蔵までの概略手順として、第一段階:プレナムをジャッキアップして圧力容器から分離、第二段階:プレナムをポーラークレーンで吊り上げCanal最深部に移動、第三段階:Canal最深部にある貯蔵スタンド上に、ソフトバリアでくるんで貯蔵、という工法採用。この工法のため、プレナム内部調査ツール、ジャッキアップツール、移送と貯蔵ツール、クリーニングツールの設計進捗。モックアップ試験の要件を整理。 各種ツールの設計製作について・・・ 内部調査ツールは、プレナム内の重要箇所(ジャッキアップやリフトに障害になる可能性のある個所)が観察できるように設計。デブリ付着量も観察できるように設計。ジャッキツールの機能確認実施。#移送・貯蔵ツールは、この時点では、ヘッド上まで注水されたCanalの端に移動する設計(図1)。吊り上げ具の一部を新規設計。移送・貯蔵時に用いる強化プラスチックバッグからなる、TCB(Transfer Containment Barrier)を設計(#結局、移送時に用いられず、貯蔵にだけ使用された)。 Quick LookやCore Topographyで得られた知見の反映について・・・ 上部格子からぶら下がっている燃料集合体上部を、プレナム撤去前に落とすためのツールを設計(#当初は、燃料集合体が多く残留し、上部でプレナムや上部格子と融着している可能性が考えられたため、上部格子の溶接部を剪断するツールが検討されていた。しかし、Quick Lookで、上部空洞があり、ぶら下がりデブリ量が、当初の想定より少なかったため、ハンマーでたたき落とす方式に変更された。プレナムをジャッキアップした後には、高圧水で落とす作業も行われた)。 臨界評価・作業安全評価・・・ プレナム部に付着した燃料集合体上部の崩落事象が解析され、ホウ素濃度を>3500ppmに維持すれば、臨界までの十分なマージンが維持されると評価。 プレナム撤去の方法について・・・ 廃棄物?? 燃料移送メカニズム・・・ 収納缶と移送用の遮蔽キャスクを、圧力容器上部から吊り下げる方式を採用(Pick-and-Place方式)。収納缶サイズと重量のセンタリング方法を1種類にすることに。 燃料貯蔵プール再稼働・・・ DOE予算で完了。 1984年の進捗 、、、 参考文献 [1]
[2]
[3]