今後の内部調査に向けて、実デブリサンプルの採取に向けて(開発中)
RPV内部の調査、実デブリサンプル採取に向けて(1~3号機共通)
・日米CNWGでの米国側提案(1F Forensics Expert Meeting)を踏まえて、東京電力HDがRPV内部調査の部位・項目を整理した。
・本検討では、その整理に基づき、事故進展の理解とデブリ/FPふるまいに係る項目(RPV内)を整理した。
・1~3号機共通で、RPV内部調査・サンプリングの注目部位は、①上部構造物、②シュラウド、③本来炉心支持板や支持金具があった部位、④下部プレナム、に大別できる。
・それぞれの部位ごとの調査・観測項目と、その目的を整理した。さらに、RPV内デブリふるまいで特に重要な2課題について、内部調査とサンプル分析で拡充したい知見を整理した。
RPV内部調査における、デブリ/FPふるまいに係る項目
部位 | 構造物の名称、等 | 観測項目 | 目的 |
---|---|---|---|
RPV上部構造物
(炉心側から観察) |
気水分離器、シュラウドヘッド、支持格子、スプレイノズル、スパージャ、等 | 〇 本来位置からの変位
〇 構造材表面の溶融・凝固などの痕跡 〇 表面の腐食状態 〇 線量分布 〇 付着物のスミア、U粒子の探索、付着成分の同定 |
〇 事故時の上部構造材の健全性確認
〇 事故時のピーク温度推定 〇 海水影響 〇 FPと核物質の移行・付着ふるまい 〇 事故時の化学環境、U粒子、FP、ホウ素の移行・付着ふるまい |
本来、炉心があった部位
(全体) |
燃料棒集合体や制御棒ブレードの残留状態(炉心部)
炉心支持金具や炉心支持板等の破損状態(炉心下部) |
〇 残留物(切り株燃料集合体、炉心支持板等)の有無
〇 線量分布 残留物があった場合、 〇 マクロな堆積・残留状態、堆積物分布 〇 堆積・残留物表面の溶融・凝固などの痕跡 〇 同、腐食状態 〇 同、線量分布 〇 堆積・付着物サンプルの分析 |
〇 事故シナリオ、デブリふるまい
〇 FPと核物質の移行・付着ふるまい さらに、 〇 事故シナリオ、デブリふるまい 〇 事故時のピーク温度推定 〇 海水影響、水蒸気酸化の進展程度 〇 FPと核物質の移行・付着ふるまい 〇 事故時の化学環境、U/Zr/Feの相互作用の進展、FP、ホウ素のふるまい |
シュラウド
(炉心側から全周観察) |
シュラウド(縦方向、周方向での変化) | 〇 本来位置からの変位
〇 表面の溶融・凝固などの痕跡 〇 表面の腐食状態 〇 線量分布 〇 付着物のスミア、U粒子の探索、付着成分の同定 |
〇 事故時のシュラウド健全性確認
〇 事故時のピーク温度推定 〇 海水影響 〇 FPと核物質の移行・付着ふるまい 〇 事故時の化学環境、U粒子、FP、ホウ素の移行・付着ふるまい |
シュラウド
(RPVとの隙間を遠隔調査) (破損孔があった場合、詳細調査) |
冷却水循環や計測用の機器
破損孔があった場合、その内部の状態 |
〇 遠隔測定による、破損状態の確認
破損孔があった場合、 〇 破損状態、規模 〇 堆積・付着物の様子 〇 破損孔周辺の溶融・凝固などの痕跡 〇 付着・堆積物サンプルの分析 |
〇 事故時のシュラウド健全性確認
さらに、 〇 デブリ移行経路、移行量の解明 〇 デブリ移行経路の解明、デブリ移行時の化学環境、ピーク温度の推定 〇 ピーク温度の推定、周辺の健全性確認 〇 事故時の化学環境、デブリ状態、FP、ホウ素の移行・付着ふるまい |
RPV底部(主に下部プレナム) | 切り株燃料集合体の有無、その残留状態
構造物(炉心支持板、炉心支持金具、CRGT等)の残留状態 ルースデブリの堆積状態、再溶融・凝固状態 金属デブリの溶融・凝固状態 構造物、ルースデブリ、金属デブリの混合状態 スラリー、スラッジの有無 |
〇 構造物の破損・デブリの堆積状態の確認
〇 RPV底部の変位・変形、破損孔の位置・サイズ 〇 各種堆積物のサンプル分析(特に界面領域) |
〇 推定図の更新、事故シナリオ、デブリふるまいの理解精緻化
〇 事故時のRPV底部健全性確認、事故シナリオ、デブリふるまい 〇 デブリ移行・再溶融・RPV破損のメカニズム解明。 〇 事故時の化学環境、U/Zr/Feの相互作用の進展、FP、ホウ素のふるまい |
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