「今後の内部調査に向けて、実デブリサンプルの採取に向けて(開発中)」の版間の差分

提供:debrisWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
176行目: 176行目:
|}
|}
.
.
=== RPV内でのデブリふるまいにおける重要2課題 ===
==== ① 炉心部でのデブリいったん堆積~下部プレナムへのデブリ移行 ====
• いったん堆積したデブリの堆積状態(堆積物による水蒸気透過度の程度)、堆積物中での溶融プール形成・拡大の有無
• デブリ溶融プール中の化学状態(U-Zr-Fe-O系メルトでの、(亜)酸化度、組成、温度)
• デブリ移行シナリオ、以降経路(TMI-2型、あるいは、BWRドレナージ型)
==== ② 下部プレナムでのデブリ再溶融~RPV破損・デブリのペデスタル内移行開始 ====
• 崩落したデブリが、下部プレナム、炉心支持板周辺で、いったん堆積した状態の痕跡調査
• デブリ溶融過程(金属デブリと酸化物デブリの相互作用、鋼材の溶融)
• デブリ溶融状態((亜)酸化度、金属/酸化物メルトの成層化程度、温度、粘性、RPV内壁との間のクラスト層の状態)
• デブリとRPVとの伝熱、デブリによるRPV局所破損の有無
• RPV破損孔の位置、サイズ
• ペデスタル内への崩落時の、デブリ温度、酸化度、粘性
==== デブリサンプリングへの期待 ====
• 多様なサンプルの採取(g規模で、外観や堆積状態の異なるデブリをできるだけ多種類採取)
• ボーリング調査:深さ方向調査(堆積物の深さ方向分布、特に、異なる堆積物の界面サンプル) # ボーリング困難な場合でも、深さ方向のサンプリングが採取されるのが望ましい

2024年4月1日 (月) 17:00時点における版

RPV内部の調査、実デブリサンプル採取に向けて(1~3号機共通)

・日米CNWGでの米国側提案(1F Forensics Expert Meeting)を踏まえて、東京電力HDがRPV内部調査の部位・項目を整理した。

・本検討では、その整理に基づき、事故進展の理解とデブリ/FPふるまいに係る項目(RPV内)を整理した。

・1~3号機共通で、RPV内部調査・サンプリングの注目部位は、①上部構造物、②シュラウド、③本来炉心支持板や支持金具があった部位、④下部プレナム、に大別できる。

・それぞれの部位ごとの調査・観測項目と、その目的を整理した。さらに、RPV内デブリふるまいで特に重要な2課題について、内部調査とサンプル分析で拡充したい知見を整理した。

RPV内部調査における、デブリ/FPふるまいに係る項目

図1 RPV内部の主な調査部位

















部位 構造物の名称、等 観測項目 目的
RPV上部構造物

(炉心側から観察)

気水分離器、シュラウドヘッド、支持格子、スプレイノズル、スパージャ、等 〇 本来位置からの変位

〇 構造材表面の溶融・凝固などの痕跡

〇 表面の腐食状態

〇 線量分布

〇 付着物のスミア、U粒子の探索、付着成分の同定

〇 事故時の上部構造材の健全性確認

〇 事故時のピーク温度推定

〇 海水影響

〇 FPと核物質の移行・付着ふるまい

〇 事故時の化学環境、U粒子、FP、ホウ素の移行・付着ふるまい

本来、炉心があった部位

(全体)

燃料棒集合体や制御棒ブレードの残留状態(炉心部)

炉心支持金具や炉心支持板等の破損状態(炉心下部)

〇 残留物(切り株燃料集合体、炉心支持板等)の有無

〇 線量分布

残留物があった場合、

〇 マクロな堆積・残留状態、堆積物分布

〇 堆積・残留物表面の溶融・凝固などの痕跡

〇 同、腐食状態

〇 同、線量分布

〇 堆積・付着物サンプルの分析

〇 事故シナリオ、デブリふるまい

〇 FPと核物質の移行・付着ふるまい

さらに、

〇 事故シナリオ、デブリふるまい

〇 事故時のピーク温度推定

〇 海水影響、水蒸気酸化の進展程度

〇 FPと核物質の移行・付着ふるまい

〇 事故時の化学環境、U/Zr/Feの相互作用の進展、FP、ホウ素のふるまい

シュラウド

(炉心側から全周観察)

シュラウド(縦方向、周方向での変化) 〇 本来位置からの変位

〇 表面の溶融・凝固などの痕跡

〇 表面の腐食状態

〇 線量分布

〇 付着物のスミア、U粒子の探索、付着成分の同定

〇 事故時のシュラウド健全性確認

〇 事故時のピーク温度推定

〇 海水影響

〇 FPと核物質の移行・付着ふるまい

〇 事故時の化学環境、U粒子、FP、ホウ素の移行・付着ふるまい

シュラウド

(RPVとの隙間を遠隔調査)

(破損孔があった場合、詳細調査)

冷却水循環や計測用の機器

破損孔があった場合、その内部の状態

〇 遠隔測定による、破損状態の確認

破損孔があった場合、

〇 破損状態、規模

〇 堆積・付着物の様子

〇 破損孔周辺の溶融・凝固などの痕跡

〇 付着・堆積物サンプルの分析

〇 事故時のシュラウド健全性確認

さらに、

〇 デブリ移行経路、移行量の解明

〇 デブリ移行経路の解明、デブリ移行時の化学環境、ピーク温度の推定

〇 ピーク温度の推定、周辺の健全性確認

〇 事故時の化学環境、デブリ状態、FP、ホウ素の移行・付着ふるまい

RPV底部(主に下部プレナム) 切り株燃料集合体の有無、その残留状態

構造物(炉心支持板、炉心支持金具、CRGT等)の残留状態

ルースデブリの堆積状態、再溶融・凝固状態

金属デブリの溶融・凝固状態

構造物、ルースデブリ、金属デブリの混合状態

スラリー、スラッジの有無

〇 構造物の破損・デブリの堆積状態の確認

〇 RPV底部の変位・変形、破損孔の位置・サイズ

〇 各種堆積物のサンプル分析(特に界面領域)

〇 推定図の更新、事故シナリオ、デブリふるまいの理解精緻化

〇 事故時のRPV底部健全性確認、事故シナリオ、デブリふるまい

〇 デブリ移行・再溶融・RPV破損のメカニズム解明。

〇 事故時の化学環境、U/Zr/Feの相互作用の進展、FP、ホウ素のふるまい

.

RPV内でのデブリふるまいにおける重要2課題

① 炉心部でのデブリいったん堆積~下部プレナムへのデブリ移行

• いったん堆積したデブリの堆積状態(堆積物による水蒸気透過度の程度)、堆積物中での溶融プール形成・拡大の有無

• デブリ溶融プール中の化学状態(U-Zr-Fe-O系メルトでの、(亜)酸化度、組成、温度)

• デブリ移行シナリオ、以降経路(TMI-2型、あるいは、BWRドレナージ型)

② 下部プレナムでのデブリ再溶融~RPV破損・デブリのペデスタル内移行開始

• 崩落したデブリが、下部プレナム、炉心支持板周辺で、いったん堆積した状態の痕跡調査

• デブリ溶融過程(金属デブリと酸化物デブリの相互作用、鋼材の溶融)

• デブリ溶融状態((亜)酸化度、金属/酸化物メルトの成層化程度、温度、粘性、RPV内壁との間のクラスト層の状態)

• デブリとRPVとの伝熱、デブリによるRPV局所破損の有無

• RPV破損孔の位置、サイズ

• ペデスタル内への崩落時の、デブリ温度、酸化度、粘性

デブリサンプリングへの期待

• 多様なサンプルの採取(g規模で、外観や堆積状態の異なるデブリをできるだけ多種類採取)

• ボーリング調査:深さ方向調査(堆積物の深さ方向分布、特に、異なる堆積物の界面サンプル) # ボーリング困難な場合でも、深さ方向のサンプリングが採取されるのが望ましい