「TMI-2の内部調査とデブリ取り出しの時系列」の版間の差分

提供:debrisWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
 
(同じ利用者による、間の7版が非表示)
1行目: 1行目:
 '''図1'''に、TMI-2圧力容器の断面概略図を示す[1]。'''表1'''に、内部調査とデブリ取り出しの観点でまとめた時系列を示す[1]
 '''図1'''に、事故後のTMI-2圧力容器の断面模式図を示す[1]。'''図2'''に、事故前の圧力容器の断面模式図[2]を、図3に'''下部炉心支持構造'''(LCSA: Lower Core Support Assembly)の断面模式図[3]を示す。'''上部炉心支持構造'''(UCSA: Upper Core Support Assembly)は、炉心の周囲を円筒状に取り囲んでおり、内側にバッフル板、その外側にコアフォーマー領域、さらに熱遮蔽版が配置されている。熱遮蔽版と圧力容器槽の間には円環状の隙間が存在している。LCSAは、ステンレス製の5層構造からなっている。'''表1'''に、内部調査とデブリ取り出しの観点でまとめた時系列を示す[1]。図1~3を参照することで、燃料デブリ取り出しの進捗を確認できる。[[ファイル:QuickLook 0.png|左|サムネイル|504x504ピクセル|'''<big>図1 TMI-2圧力容器の概略(上部構造物取り外し時点) [1]</big>''']]


 '''図2'''に、'''上部炉心支持構造'''(UCSA: Upper Core Support Assembly)と'''下部炉心支持構造'''(LCSA: Lower Core Support Assembly)の模式図を示す[2]。UCSAは炉心の周囲を円環状に囲むバッフル板、その外側のコアフォーマー領域からなる。コアフォーマー領域には、水平方向の複数層からなるコアフォーマープレートが配置されている。その外側の圧力容器槽との間に熱遮蔽板がある。LCSAは、ステンレス製の5層構造からなっている。[[ファイル:QuickLook 0.png|左|サムネイル|504x504ピクセル|'''<big>図1 TMI-2圧力容器の概略(上部構造物取り外し時点) [1]</big>''']]




23行目: 22行目:




[[ファイル:QuickLook 60.png|左|サムネイル|533x533ピクセル|'''<big>図2 TMI-2圧力容器の断面図 [2]</big>''']]




29行目: 29行目:




[[ファイル:デブリ 9.png|左|サムネイル|900x900ピクセル|'''<big>図2 UCSAとLCSAの概略図 [2]</big>''']]




47行目: 46行目:




[[ファイル:QuickLook 59.png|左|サムネイル|500x500ピクセル|'''<big>図3 TMI-2の下部炉心支持構造の模式図 [3]</big>''']]




56行目: 57行目:


.
.




502行目: 535行目:
|85.7.10
|85.7.10
|廃炉プロジェクト
|廃炉プロジェクト
|圧力容器内冷却水処理系(DWCS)の下流にSDS配管をとりつけ
|圧力容器内冷却水処理系(DWCS)の下流に浸漬脱塩システム(SDS)配管をとりつけ
(DWCS: Defueling Water Cleanup System)
(DWCS: Defueling Water Cleanup System)
(SDS: Sodium Dodecyl Sulfate吸着塔、ラウリル硫酸ナトリウム)
 
(SDS: Submerged Demineralizer System)
|
|
|
|
830行目: 864行目:
|88.1.16
|88.1.16
|廃炉プロジェクト
|廃炉プロジェクト
|<span style="color:blue">'''下部炉心支持構造(LCSA: Lower Core Support Assembly)の解体開始'''</span>(#記述がないが、おそらく、最初にコアボーリングマシンで粗く解体している。)
|<span style="color:blue">'''下部炉心支持構造(LCSA: Lower Core Support Assembly)の解体開始'''</span>
(#記述がないが、おそらく、最初にコアボーリングマシンで粗く解体している。)
|
|
|〇
|〇
861行目: 896行目:
|88.4.23
|88.4.23
|廃炉プロジェクト
|廃炉プロジェクト
|Core Flood Tankに分割したLCSA格子を輸送(# Core Flood Tankとは何か調査中)
|Core Flood Tankに分割したLCSA格子をつり上げ輸送
|
|
|〇
|〇
1,103行目: 1,138行目:


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
[1]  
[1] The Cleanup of Three Mile Island Unit 2 A Technical History 1979 to 1990, EPRI NP-6931.
 
[2] R.C. Schmitt, G.J. Quinn, M.J. Tyacke,  Historical Summary of the Three Mile Island Unit 2 Core Debris Transportation Campaign, DOE-ID-10400, 1993.


[2]
[3] J. Adams and R. Smith, Lower plenum video data survey, EGG-TMI-7429, July 1987.

2024年11月22日 (金) 17:39時点における最新版

 図1に、事故後のTMI-2圧力容器の断面模式図を示す[1]。図2に、事故前の圧力容器の断面模式図[2]を、図3に下部炉心支持構造(LCSA: Lower Core Support Assembly)の断面模式図[3]を示す。上部炉心支持構造(UCSA: Upper Core Support Assembly)は、炉心の周囲を円筒状に取り囲んでおり、内側にバッフル板、その外側にコアフォーマー領域、さらに熱遮蔽版が配置されている。熱遮蔽版と圧力容器槽の間には円環状の隙間が存在している。LCSAは、ステンレス製の5層構造からなっている。表1に、内部調査とデブリ取り出しの観点でまとめた時系列を示す[1]。図1~3を参照することで、燃料デブリ取り出しの進捗を確認できる。

図1 TMI-2圧力容器の概略(上部構造物取り外し時点) [1]












図2 TMI-2圧力容器の断面図 [2]













図3 TMI-2の下部炉心支持構造の模式図 [3]





.
























.

表1 TMI-2事故炉での内部調査とデブリ取り出しの主要な時系列
年月日 実施者 イベント 内部調査 デブリ取り出し
79.3.28 事故発生
79.5 廃炉プロジェクト 圧力容器の状態評価タスクフォース設置
79.8.24 オークリッジ国立研究所

(ORNL: Oak Ridge National Laboratory)

原子炉建屋地階の水サンプル採集
79.11.10 廃炉プロジェクト 建屋内のTV観察、線量測定
80.3.4 原子力規制委員会

(NRC: Nuclear Regulatory Commission)

建屋エアロックの開放を承認
80.3.13 廃炉プロジェクト エアロック開放調査
80.4.23 国立労働安全衛生研究所

(NIOSH: National Institute of Occupational Safety and Health)

自給式呼吸装置(SCBA)使用での建屋内立ち入りを非承認

(SCBA: Self-Contained Breathing Apparatus)

80.5 NRC 建屋パージの環境影響評価レポートを発行
80.5.16 NRC 建屋内立ち入りを承認
80.5.20 廃炉プロジェクト 建屋内立ち入り、内側エアロックドアの損傷により中止
80.6.28~7.11 廃炉プロジェクト 建屋パージ、約46,000CiのKr-85を環境に放出
80.7.22 NRC 建屋パージ後の建屋立ち入りを承認
80.7.23 廃炉プロジェクト 最初の建屋立ち入り
80.7.23~81.9.24 廃炉プロジェクト のべ16回の建屋立ち入り:

サーベイ、写真撮影、除染試験、サンプリング ポーラークレーンの点検と動作確認 アクセスルートの整備、などを実施

81.2 廃炉プロジェクト 最初の燃料取り出しシークエンス計画公表
81.5 GENDグループ

(GEND: GPU社、EPRI、NRC、DOEの専門家グループ)

事故炉の状態に関する基本予測レポート(GEND-007)公開
81.7 米国エネルギー省(DOE: Department of Energy) 総合除染試験を提案
81.8 廃炉プロジェクト 早期の燃料取り出しに向けた、除染の優先順位に関するプログラム計画公開
81.10.29~ 廃炉プロジェクト 加速化プログラムの下での立ち入り開始

立ち入り頻度・人員数が大幅に増加

82.3.4~3.19 廃炉プロジェクト 総合除染試験
82.6.23 NRC 炉心物質の計量に関するガイドライン公表
82.6.23 廃炉プロジェクト 軸方向出力調整棒(APSR)の、圧力容器上部からの再挿入試験

(APSR: Axial Power Shaping Rod)

82.6.23 廃炉プロジェクト、ORNL 地下階からの汚泥サンプル採集
82.7.19 廃炉プロジェクト ポーラークレーンタスクチーム設置
82.7.21~8.12 廃炉プロジェクト 圧力容器上部の、Quick Look調査(第一回ビデオ調査)
82.10 廃炉プロジェクト 建屋内線量低減タスクフォース設置
82.11.18~83.8 廃炉プロジェクト 圧力容器上部ヘッド取り外しに向けた準備作業:

制御棒駆動メカニズム(CRDM: Control Rod Drive Mechanism)の リードスクリューとりはずし、

圧力容器内の線量測定:約500R/hr、

インコア熱電対挿入、APSR取り外し、

蒸気発生器(OTSG: Once-Trough Steam Generator)復水、再循環 圧力容器ヘッドフランジの接続部検査

使用済み燃料プールの検査、汚染レベル測定、などを実施

83.1 廃炉プロジェクト ポーラークレーン作動試験
83.2 廃炉プロジェクトの技術サポートグループ

(TAAG: Technical Assistance and Advisory Group)

付着物の空中での自然発火性が、圧力容器ヘッド取り外しの課題と指摘
83.4 DOE/GPU社 燃料輸送キャスクに関する第一回会合
83.7 廃炉プロジェクト⇒INEL CRDMリードスクリューの切り出しと輸送
83.8 廃炉プロジェクト 圧力容器上部空洞の超音波Topography調査
83.9.9 廃炉プロジェクト 圧力容器内サンプルの最初の回収
83.10 廃炉プロジェクト 圧力容器上部の第二回ビデオ調査
83.11 廃炉プロジェクト TMI-2炉心物質の輸送技術ワーキングチーム設置
83.12.13 日本、FEPC TMI-2クリーンアップ計画に参加を発表(5年間、1800万ドル拠出)
84.2 廃炉プロジェクト 建屋地階の遠隔探査ビークル配備

(RRV-1: Remote Reconnaissance Vehicle)

84.2 廃炉プロジェクト デブリ取り出しの臨界性評価タスクフォース設置
84.2.29 廃炉プロジェクト ポーラークレーン、圧力容器上部ヘッド取り外しの最終負荷試験通過
84.3.30 DOE/GPU社 TMI-2炉心物質の輸送、貯蔵、処分に関する契約に署名
84.4 廃炉プロジェクト 圧力容器上部空洞のパノラマビュー写真撮影
84.4 NRC、廃炉プロジェクト デブリ取り出し時の冷却水ホウ素濃度:4350ppmを承認
84.5.29 廃炉プロジェクト 長借ツールを用いた燃料デブリ取り出し工法を最終決定
84.6.28~7.24 廃炉プロジェクト 上部ヘッドのボルト、スタッブ撤去、CRDリードスクリューの仮止め

圧力容器ヘッド取り外し(2日間)

84.7.27 廃炉プロジェクト 圧力容器フランジ上に、水位上昇のため、IIF(Internal Indexing Fixture)設置
84.8 廃炉プロジェクト デブリ取り出しツールのモックアップ試験準備
84.11.9 廃炉プロジェクト RRV-1が建屋地階の調査開始
84.12 廃炉プロジェクト 圧力容器外デブリの探査に向けた長期計画立案
84.12 廃炉プロジェクト 作業員の訓練開始
84.12 廃炉プロジェクト 使用済み燃料プールの除染完了
84.12.11 廃炉プロジェクト 上部プレナム構造物つり上げ、内部調査
85.1 廃炉プロジェクト 燃料デブリ取り出しシステムの最終デザインレビュー
85.1 廃炉プロジェクト OTSGのA系統の配管上部シートに<2.5kgの堆積物を確認、分析で燃料成分がほとんど含まれていないことを確認
85.2.20 廃炉プロジェクト コアフォーマー領域外側の円環領域を通じたビデオ調査(第一フェーズ)で、下部ヘッドに溶融凝固デブリの堆積を確認
85.3 NRC TMI-2で発生する一般的でない廃棄物の貯蔵施設をINELに設置することを承認
85.3 廃炉プロジェクト デブリ取り出しに直接かかわる線量低減作業の終了
85.4 廃炉プロジェクト 燃料取り出し用の遮蔽付き作業プラットフォームと収納缶の真空吸引システム受け入れ
85.4 廃炉プロジェクト つり上げた上部プレナム構造物を圧力容器内で高圧水で洗浄
85.5 廃炉プロジェクト 建屋内燃料様相システムの再稼働試験終了
85.5.14 廃炉プロジェクト 燃料輸送用運河(canal)水没
85.5.15 廃炉プロジェクト 上部プレナム構造物を取り外し、燃料輸送運河内で貯蔵
85.6 廃炉プロジェクト 建屋のエアエンベロープ運用開始
85.6.28 廃炉プロジェクト 燃料貯蔵プールへの冷却水供給システムのホウ酸水化完了(1.5か月を要した)
85.7 廃炉プロジェクト 同上(第二フェーズ)、下部ヘッドデブリサンプリング
85.7 廃炉プロジェクト コアボーリング装置受け入れ
85.7.1 廃炉プロジェクト 燃料取り出しプラットフォームを圧力容器の上に据え付け
85.7.10 廃炉プロジェクト 圧力容器内冷却水処理系(DWCS)の下流に浸漬脱塩システム(SDS)配管をとりつけ

(DWCS: Defueling Water Cleanup System)

(SDS: Submerged Demineralizer System)

85.7.11 廃炉プロジェクト 燃料輸送運河のろ過システム運用開始
85.7.23 廃炉プロジェクト デブリ取り出し用の水圧スプレーノズル使用開始
85.8 廃炉プロジェクト 収納缶取り扱いのブリッジと貯蔵ラック受け入れ
85.8.1 廃炉プロジェクト⇒NRC 修正された炉心物質の計量計画を提出、NRC承認(10.17)
85.9 廃炉プロジェクト 収納缶受け入れ開始
85.10 NRC TMI-2に限定した燃料取り出しオペレーションのライセンスを認可
85.10.21 廃炉プロジェクト 使用済み燃料プールが浄化水で満水に
85.10.30 廃炉プロジェクト 燃料デブリ取り出し開始(上部ルースデブリから)
85.11.12 廃炉プロジェクト デブリの収納缶への格納開始
85.11.13 廃炉プロジェクト 圧力容器内冷却水のDWCSでのろ過処理開始
85.11.26 廃炉プロジェクト RRV-1が建屋地階のコンクリートサンプル回収
85.11.28 廃炉プロジェクト 使用済み燃料プールに過酸化水素水添加、微生物対策開始
86.1.14 廃炉プロジェクト 圧力容器内で微生物繁殖を確認、2月ごろからデブリ取り出し中断
86.2 廃炉プロジェクト 微生物対策タスクフォースを設置
86.2.8 廃炉プロジェクト プールフィルター試験うまくいかず
86.3 廃炉プロジェクト 建屋内の放射線3Dマップ作成
86.3 廃炉プロジェクト 輸送キャスク受け入れ開始
86.4 廃炉プロジェクト 蒸気発生器A系統の上部配管シート上の堆積物中に燃料成分がほとんど含まれていないことを確認
86.4.11 NRC⇒DOE 鉄道輸送キャスクの適合証明を発行
86.4.25 廃炉プロジェクト 冷却水ろ過、微生物除去運転開始(殺微生物剤、死骸の凝固剤、フィルター、など)
86.5.22 廃炉プロジェクト ある程度水質改善、デブリ取り出し再開
86.7.3~7.27 廃炉プロジェクト 圧力容器内溶融凝固層のコアボーリング作業、燃料デブリ取り出し中断

(ここまでに、上部ルースデブリと上部格子付着デブリを回収)

86.7.20 廃炉プロジェクト⇒INEL 構外キャスク輸送開始、以降の22回の輸送ですべてのデブリをINELに輸送

(#1回の輸送で、収納缶を7本か14本、デブリ重量数トン分、後半には規定を変えて収納缶を21本に増やした。)

(# 87.3月に、セントルイスで列車事故発生したが、デブリ輸送にほとんど影響は出ていない。)

(# 87.8月に、米国政府とRRとの論争により、デブリ輸送が一時中断との記載あり。RRとは何か調査中)

(# 88.2.22に、ミズーリ州上院議員が燃料輸送に懸念を表明し一時中断との記載あり。)

(# 第15~17回に輸送重量が少ない理由は未確認。炉心部のデブリ取り出しが完了し、残留していた

粒子状デブリや、炉心下部構造物に付着していたデブリをブラシツールで回収して輸送した可能性。)

(# 88.8月に、首脳間のThaxtonプラグに問題が発生し、輸送に一時的な遅れ発生。)

第一回(86.7.20):収納缶7体、デブリ重量約1.1トン、第二回(86.8.31):収納缶14体、デブリ重量約4.4トン

第三回(86.12.14):収納缶14体、デブリ重量約8.4トン、第四回(87.1.11):収納缶7体、デブリ重量約4.1トン

第五回(87.2.1):収納缶7体、デブリ重量約3.7トン、第六回(87.2.15):収納缶7体、デブリ重量約3.9トン

第七回(87.3.22):収納缶14体、デブリ重量約8.5トン、第八回(87.6.21):収納缶14体、デブリ重量約5.9トン

第九回(87.7.26):収納缶14体、デブリ重量約5.3トン、第十回(87.9.13):収納缶7体、デブリ重量約5.7トン

第11回(87.10.25):収納缶14体、デブリ重量約6.4トン、第12回(87.11.15):収納缶7体、デブリ重量約3.5トン

第13回(87.12.20):収納缶21体、デブリ重量約10トン、第14回(88.2.7):収納缶21体、デブリ重量約9.3トン

第15回(88.4.10):収納缶21体、デブリ重量1.9トン、第16回(88.5.22):収納缶21体、デブリ重量約4.7トン

第17回(88.12.18):収納缶21体、デブリ重量約2.7トン、第18回(89.2.19):収納缶21体、デブリ重量約5.9トン

第19回(89.6.18):収納缶21体、デブリ重量約9.5トン、第20回(89.8.13):収納缶21体、デブリ重量約14.3トン

第21回(89.12.17):収納缶21体、デブリ重量約10.8トン、第22回(90.4.15):収納缶20体、デブリ重量約7.8トン

86.7.31 廃炉プロジェクト⇒NRC 事故由来水(AGW: Accident Generated Water)の蒸発処理を提案
86.8.11 廃炉プロジェクト コアボーリング装置で、溶融凝固層の破砕作業開始
86.9 廃炉プロジェクト 水浄化グループ設置
86.10 廃炉プロジェクト デブリ取り出しマスタープラン改定(87.12月までにデブリ取り出し完了)
86.10.20~11.15 廃炉プロジェクト コアボーリング装置で、溶融凝固層の穴あけ作業(#デブリのスイスチーズ化と称している)
86.11 廃炉プロジェクト 長借ツールの作動油を水系から炭素系に交換、微生物持ち込み対策
86.11.21 廃炉プロジェクト 溶融凝固層以下のデブリ取り出し再開
87.1.8 廃炉プロジェクト 圧力容器内のDWCS運転再開、水質の大幅改善へ(87.2.9に濁り度0.75NTUに到達)
87.1.26 廃炉プロジェクト 圧力容器内でエアリフト装置を初使用
87.2.4~87.5 廃炉プロジェクト 補助建屋散布からの堆積物除去
87.2.10~2.23 廃炉プロジェクト 下部ヘッド内とコアフォーマー領域のビデオ調査
87.2.24 廃炉プロジェクト 炉心周辺部の残留燃料集合体の上部を取り出し開始
87.3.18 廃炉プロジェクト 切り株燃料集合体の取り外しと回収を開始、A6集合体から
87.3.23 GENDグループ 今後、追加実施が必要な内部調査項目の検討会合
87.4.15 廃炉プロジェクト⇒NRC 圧力容器ヘッドのサンプリング計画をNRCに提案
87.5 廃炉プロジェクト 燃料デブリの1/3を取り出し
87.6 廃炉プロジェクト プラズマアークトーチ受け入れ

(ACES: Automated Cutting Equipment System)

87.5.20 廃炉プロジェクト 一般的でない廃棄物(糸巻フィルター)をINELに初輸送
87.6.30 GENDグループ AGWに関するPEISレポート追補を発行
87.9 廃炉プロジェクト 燃料デブリの1/2を取り出し
87.9 廃炉プロジェクト 蒸気発生器A系統の配管シート上からデブリ除去完了
87.10 廃炉プロジェクト 同じくB系統の配管シートからデブリ取り出し開始
87.11 廃炉プロジェクト デブリ取り出しマスタープラン改定(88年第4四半期内にデブリ取り出し完了、89年第2四半期にPDMS終了)

(PDMS: Post Defueling Monitored Storage Safety Analysis)

87.12 廃炉プロジェクト 炉心部からのデブリ取り出し完了、177体中176体の切り株燃料集合体を取り外し
88.1.16 廃炉プロジェクト 下部炉心支持構造(LCSA: Lower Core Support Assembly)の解体開始

(#記述がないが、おそらく、最初にコアボーリングマシンで粗く解体している。)

88.1.18 原子力安全許認可協議パネル(ASLB)

(Atomic Safety and Licensing Board)

AGW処理で順守すべきルールを制定
88.3.28~6.14 廃炉プロジェクト ミニローバー潜水艦を用いて、加圧器からデブリ取り出し
88.3 NRC⇒OECD/NEA 下部ヘッドサンプリング計画に対するOECD/NEAの支援に関する会合
88.4.11 廃炉プロジェクト LCSAを13個に分割、コアボーリングマシン撤去
88.4.23 廃炉プロジェクト Core Flood Tankに分割したLCSA格子をつり上げ輸送
88.5.10~6.9 廃炉プロジェクト プラズマアークトーチで、分割したLCSA格子の切断作業
88.5.18 廃炉プロジェクト 圧力容器内で、コアフォーマーボルトの取り外しツール使用試験
88.6.18~7.2 廃炉プロジェクト LCSAの流量分配板を4個に分割(合計で88か所の切断作業)
88.7.8 廃炉プロジェクト Core Flood Tankに分割した流量分配板を輸送、89.2.28~3.31に26個に分割後に、切断物貯蔵庫に輸送
88.8.8 廃炉プロジェクト LCSAの下部構造の切断開始
88.8.11 廃炉プロジェクト⇒ORNL 炉心下部構造物の廃棄物を、圧縮処理のため、ORNLに初輸送
88.9 NRC 1号機と2号機を連結させた修正安全計画を承認
88.10 廃炉プロジェクト 燃料デブリ取り出し完了まで、デブリ取り出しをサポートする目的以外の除染作業を延期
88.11 廃炉プロジェクト 燃料デブリの2/3を取り出し
88.12.22~89.1.7 廃炉プロジェクト インコアガイドチューブ支持板をアークプラズマトーチで切断(4分割)、撤去
89.2.2 ASLB AGWの蒸発処理を承認
89.2.15 廃炉プロジェクト 下部ヘッド堆積デブリのTopography調査
89.2.21 廃炉プロジェクト 下部ヘッド堆積デブリの探針調査
89.2.21 廃炉プロジェクト 下部ヘッドルースデブリの探針調査
89.4.12 廃炉プロジェクト バッフル板を縦に8分割(32か所切断、プラズマアークトーチ使用)
89.5 廃炉プロジェクト 月単位でのデブリ取り出し記録更新(12.4トン/月)
89.5 廃炉プロジェクト 下部ヘッドハードデブリをスライドハンマーで破砕・分割(#安物スーツケースのような外観と記載)
89.5.1 廃炉プロジェクト 下部ヘッドルースデブリエアリフトで回収開始
89.5.29 廃炉プロジェクト 新型の圧力容器内ろ過システム装荷
89.6 廃炉プロジェクト バッフル板とLCSAからの燃料デブリ回収ツールの現場テスト(#ブラシ状ツール)
89.7 廃炉プロジェクト 下部ヘッドのインコアノズル複数本で広範囲な損傷を発見
89.7 廃炉プロジェクト 燃料デブリの95%を取り出し
89.7.3 廃炉プロジェクト 下部ヘッドの被覆管にクラック発見、デブリ取り出し作業の荷重制限を設定
89.7.14~8.8 廃炉プロジェクト バッフル板からボルト取り外し作業(864本中831本を取り外し)
89.8.10~8.14 廃炉プロジェクト 圧力容器ホットレグからの燃料デブリ取り出し
89.8.14 廃炉プロジェクト AGWの蒸発処理水をサイト内に放出開始
89.8.26 廃炉プロジェクト 下部ヘッドクラックのカラー写真撮影
89.8.28 廃炉プロジェクト 圧力容器内で、切断したバッフル板の切断面研磨作業開始
89.9.26~10.27 廃炉プロジェクト 切り出したバッフル板取り出し
89.9.26~10.29 廃炉プロジェクト コアフォーマー領域からの燃料デブリ取り出し
89.11.7 廃炉プロジェクト デブリが付着していたLCSAのフラッシングとデブリ除去作業
89.11.28 廃炉プロジェクト 作業員の計画外被ばく発生、デブリ取り出し作業が10日間中断
89.12.16 廃炉プロジェクト 下部ヘッド残留デブリのエアリフト作業と粒子状/粉末状デブリの真空吸引作業終了

午前11:54に、圧力容器内のバルクデブリ取り出し完了

89.12.24 廃炉プロジェクト Core Flood Line、圧力容器ホットレグ/コールドレグからのデブリ取り出し終了

圧力容器外デブリの回収完了

90.1.30 廃炉プロジェクト 圧力容器内の最終クリーンアップと検査終了(朝8時)
90.1.30~ VIPプロジェクト(VIP: Vessel Inspection Program、OECD/NEA) 圧力容器調査プログラム開始、下部ヘッドのサンプリング(約2か月間)
90.3 廃炉プロジェクト VIP後のクリーンアップ、燃料デブリの建屋内残留量は、全体の<1%と評価
90.4.26 廃炉プロジェクト TMI-2廃炉は、モード2に移行(燃料デブリ取り出しの完了)
90.4.27 廃炉プロジェクト TMI-2廃炉は、モード3に移行(燃料デブリの構外輸送の完了)

参考文献

[1] The Cleanup of Three Mile Island Unit 2 A Technical History 1979 to 1990, EPRI NP-6931.

[2] R.C. Schmitt, G.J. Quinn, M.J. Tyacke, Historical Summary of the Three Mile Island Unit 2 Core Debris Transportation Campaign, DOE-ID-10400, 1993.

[3] J. Adams and R. Smith, Lower plenum video data survey, EGG-TMI-7429, July 1987.