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図(2PEN2101)-3aに,2PEN2101のFE-SEM用試料の全体SEIを示す。試料は繊維質であり,表面に付着物が確認できる。表面の付着物が多い箇所を中心に,Uの面分析を連続的に実施してU含有粒子の探索を行った。確認されたU含有粒子については,粒子上とその周辺での点分析により全波長域での特性X線の波長プロファイルを取得して特性X線ピークを有する元素の検出(定性分析)を行った後,面分析にて過去分析を実施したU,Pu,Cs,Sb,Zr,Zn,Fe,Cr,Ni,Mo,Siおよび前述の点分析で検出された元素の分布を確認した(元素マッピング)。
切り出した試料のカーボン蒸着処理を行い、FE-SEM用の分析ステージに乗せた様子を図示す。


図(2PEN2101)-4aに2PEN2101のWDX点分析による波長プロファイル及び検出元素を,図(2PEN2101)-4bにWDX面分析によるU,Pu,Cs,Sb,Zr,Zn,Fe,Cr,Ni,Mo,Si,Ca,Al,Ti,Cuの特性X線像を示す。2PEN2101には,約1 [μm]径のU含有粒子が確認された。U含有粒子上の点分析による波長プロファイルでは、U,Pu,Fe,Zn,Ti,Alのピークが検出された。また,周辺の点分析ではZn,Cu,Ti,Caのピークが検出された。面分析の結果,U含有粒子と同じ個所にはPuが確認されたがZrは確認されず,U含有粒子の周辺にはFe,Ni,Zn,Moが粒状に確認され,Ca,Al,Ti,Cuも見られている。これらの結果から、U含有粒子上の点分析による波長プロファイル上で検出されたFe,Zn,Ti,Alについては、U含有粒子の周辺の領域からの影響を受けていると推測される。
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また,Csについては,U含有粒子周辺で特性X線が検出されているが,定性分析においてUが測定されている個所では,Cs周辺のバックグラウンド値が上昇する傾向があり,面分析ではこの傾向と分離ができないこと,令和3年度の試料においてはいずれの試料においても定性分析で明確にCsのピークが確認されなかったため,参考データとした。Csが燃料デブリに含有されるかどうかは,燃料デブリ取扱い上の大きな検討課題であり,定量を行うには,今後何らかの方法を検討する必要である。
図に、2PEN2101のFE-SEM用試料の全体SEIを示す。試料は繊維質であり、表面に付着物が確認できる。表面の付着物が多い箇所を中心に、Uの面分析を連続的に実施してU含有粒子の探索を行った。


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確認されたU含有粒子を図に示す。
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図にWDX点分析による波長プロファイル及び検出元素を、図にWDX面分析によるU、Pu、Cs、Sb、Zr、Zn、Fe、Cr、Ni、Mo、Si、Ca、Al、Ti、Cuの特性X線像を示す。約1 μm径のU含有粒子が確認された。U含有粒子上の点分析による波長プロファイルでは、U、Pu、Fe、Zn、Ti、Alのピークが検出された。また、周辺の点分析ではZn、Cu、Ti、Caのピークが検出された。面分析の結果、U含有粒子と同じ箇所にはPuが確認された。また、U含有粒子の周辺にはFe、Ni、Zn、Moが粒状に確認され、Ca、Al、Ti、Cuも確認された。これらの結果から、U含有粒子上の点分析による波長プロファイル上で検出されたFe、Zn、Ti、Alについては、U含有粒子の周辺の領域からの影響を受けていると推測される。
以上より、U含有粒子上ではPuが検出され、U含有粒子周辺にはFe、Ni、Zn、Mo、Ca、Al、Ti、Cuが検出された。
以上より、U含有粒子上ではPuが検出され、U含有粒子周辺にはFe、Ni、Zn、Mo、Ca、Al、Ti、Cuが検出された。


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Image:Gr1:SEM2PEN2101-1.jpg|図(2PEN2101)-3a<br>2PEN2101 FE-SEM観察結果
Image:Gr1:SEM2PEN2101-1.jpg|図(2PEN2101)-3a<br>2PEN2101 FE-SEM観察結果
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Image:Gr1:SEM2PEN2101-3.jpg|図(2PEN2101)-4b<br>2PEN2101 WDX 元素マッピング(面分析)結果
Image:Gr1:SEM2PEN2101-3.jpg|図(2PEN2101)-4b<br>2PEN2101 WDX 元素マッピング(面分析)結果
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別掲注釈:WDX面分析について
1) WDXでの元素の判別は、特性X線のピークカウントがバックグラウンドの3倍以上のとき。面分析はバックグラウンドは1~2カウントであり、5カウント以上の場合を有意なデータとする。
2) ピークカウントがバックグラウンドの3倍に達せず、参考データとした元素を※を付けた。
3) CsはUの特性X線ピークの個所でバックグラウンドレベルが上昇する傾向があるため、参考データとした。
4)各元素の特性X線は以下のピークを用いた。
U :3.907A(Mα)   Pu: 3.505A(Mβ) Cs: 2.892A(Lα) Sb: 3.439A(Lα)
Zr: 6.073A(Lα)   Fe: 1.937A(Kα)  Cr: 2.291A(Kα)  Ni: 1.657A(Kα)
Zn: 1.436A(Kα)    Mo: 5.409A(Lα)  Si: 7.127A(Kα)  Ca: 3.355A(Kα)
Al: 8.312A(Kα)    Ti: 2.741A(Kα)  Cu: 1.542A(Kα)
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2024年2月19日 (月) 11:29時点における版

更新履歴
No 日付 分類 内容 備考 記載者
1 2022/04/25 新規 2PEN2101 FE-SEM/WDXの分析結果の登録(IRID報告書より転記)。 原稿作成:佐々木(JAEA)

wiki転記:池内(JAEA)

2 2022/10/26 修正 FE-SEM/WDXの分析結果説明文の修正
  • 周辺からの影響の明記。
議論のページを参照。 原稿作成:佐々木(JAEA)

wiki転記:池内(JAEA)

3 2022/11/15 修正 FE-SEM/WDXの分析結果説明文の修正
  • 「定性分析」と「元素マッピング」、「点分析」と「面分析」の表現の運用の見直し
議論のページを参照。 佐々木・池内(JAEA)
4 2022/11/24 承認 池内(JAEA)

切り出した試料のカーボン蒸着処理を行い、FE-SEM用の分析ステージに乗せた様子を図示す。

ファイル:Gr1:2PEN2101-2021-sem-1.jpg

図に、2PEN2101のFE-SEM用試料の全体SEIを示す。試料は繊維質であり、表面に付着物が確認できる。表面の付着物が多い箇所を中心に、Uの面分析を連続的に実施してU含有粒子の探索を行った。

ファイル:Gr1:2PEN2101-2021-sem-2.jpg

確認されたU含有粒子を図に示す。

ファイル:Gr1:2PEN2101-2021-sem-3.jpg

図にWDX点分析による波長プロファイル及び検出元素を、図にWDX面分析によるU、Pu、Cs、Sb、Zr、Zn、Fe、Cr、Ni、Mo、Si、Ca、Al、Ti、Cuの特性X線像を示す。約1 μm径のU含有粒子が確認された。U含有粒子上の点分析による波長プロファイルでは、U、Pu、Fe、Zn、Ti、Alのピークが検出された。また、周辺の点分析ではZn、Cu、Ti、Caのピークが検出された。面分析の結果、U含有粒子と同じ箇所にはPuが確認された。また、U含有粒子の周辺にはFe、Ni、Zn、Moが粒状に確認され、Ca、Al、Ti、Cuも確認された。これらの結果から、U含有粒子上の点分析による波長プロファイル上で検出されたFe、Zn、Ti、Alについては、U含有粒子の周辺の領域からの影響を受けていると推測される。 以上より、U含有粒子上ではPuが検出され、U含有粒子周辺にはFe、Ni、Zn、Mo、Ca、Al、Ti、Cuが検出された。

ファイル:Gr1:2PEN2101-2021-sem-4.jpg


ファイル:Gr1:2PEN2101-2021-sem-5.jpg