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| | |FE-SEM/WDX分析結果の掲載(出典<ref name="JAEA23a">令和3年度福島第一原子力発電所の炉内付着物サンプル等の分析,日本原子力研究開発機構,JAEA-Data/Code 2023-005.</ref>) | ||
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==試料蒸着処理== | ==試料蒸着処理== | ||
切り出した試料のカーボン蒸着処理を行い、FE- | 切り出した試料のカーボン蒸着処理を行い、FE-SEM用の分析ステージに乗せた様子を図1に示す。 | ||
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Image:2PEN2101-sem-1.jpg|'''図1 2PEN2101 カーボン蒸着処理後、FE-SEM用の分析ステージに乗せた様子''' | |||
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==全体SEI画像== | ==全体SEI画像== | ||
FE- | FE-SEM用試料の全体SEIを図2に示す。試料は繊維質であり、表面に付着物が確認できる。表面の付着物が多い箇所を中心に、Uの面分析を連続的に実施してU含有粒子の探索を行った。 | ||
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Image:2PEN2101-sem-2.jpg|'''図2 2PEN2101 全体SEI''' | |||
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==確認されたU含有粒子== | ==確認されたU含有粒子== | ||
U含有粒子の探索によって確認されたU含有粒子を図3に示す。約1μm径のU含有粒子が確認された。 | |||
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Image:2PEN2101-sem-3.jpg|'''図3 2PEN2101 U含有粒子''' | |||
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==点分析による波長プロファイル及び検出元素== | |||
図4~7にWDX点分析の概略位置、測定された波長プロファイル及び検出元素を示す。<br/> | |||
U含有粒子上の点分析による波長プロファイルでは、U、Pu、Fe、Zn、Ti、Alのピークが検出された。また、周辺の点分析ではZn、Cu、Ti、Caのピークが検出された。<br/> | |||
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Image:2PEN2101-sem-4-point location.jpg|'''図4 2PEN2101 WDX点分析の概略位置'''</br>点A:U含有粒子上 点B:U含有粒子周辺の粒子 点C:スミア繊維上 | |||
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Image:2PEN2101-sem-4-point A.jpg|'''図5 2PEN2101 波長プロファイル及び検出元素 点A:U含有粒子上''' | |||
Image:2PEN2101-sem-4-point B.jpg|'''図6 2PEN2101 波長プロファイル及び検出元素 点B:U含有粒子周辺の粒子''' | |||
Image:2PEN2101-sem-4-point C.jpg|'''図7 2PEN2101 波長プロファイル及び検出元素 点C:スミア繊維上''' | |||
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==面分析による特性X線像== | ==面分析による特性X線像== | ||
図8にWDX面分析によるU、Pu、Cs、Sb、Zr、Zn、Fe、Cr、Ni、Mo、Si、Ca、Al、Ti、Cuの特性X線像を示す。<br/> | |||
U含有粒子と同じ箇所にはPuが確認された。また、U含有粒子の周辺にはFe、Ni、Zn、Moが粒状に確認され、Ca、Al、Ti、Cuも確認された。<br/> | |||
これらの結果から、U含有粒子上の点分析による波長プロファイル上で検出されたFe、Zn、Ti、Alについては、U含有粒子の周辺の領域からの影響を受けていると推測される。 | |||
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Image:2PEN2101-sem-6-5.jpg|'''図8 2PEN2101 面分析による特性X線像'''<br/>(注)・ 各元素の特性X線像の取得に用いた波長については[[analysismethod-2021-JAEA#FE-SEM/WDX|分析方法(JAEA 2021年度 受入サンプル共通) FE-SEM/WDX]]を参照。<br/>・ 有意でないと判定した元素は※を付し、括弧書きとした。元素を有意に含むか否かの判定の考え方については[[analysismethod-2021-JAEA#FE-SEM/WDX|分析方法(JAEA 2021年度 受入サンプル共通) FE-SEM/WDX]]を参照。 | |||
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==SEM/WDX分析からのU含有粒子上及びU含有粒子周辺の元素検出結果== | |||
以上より、U含有粒子上ではPuが検出され、U含有粒子周辺にはFe、Ni、Zn、Mo、Ca、Al、Ti、Cuが検出された。 |
2025年3月17日 (月) 17:13時点における最新版
No | 日付 | 分類 | 内容 | 備考 |
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1 | 2025/2/19 | 新規 | FE-SEM/WDX分析結果の掲載(出典[1]) | 旧ページは こちら(アクセス限定:Gr1) |
試料蒸着処理
切り出した試料のカーボン蒸着処理を行い、FE-SEM用の分析ステージに乗せた様子を図1に示す。
全体SEI画像
FE-SEM用試料の全体SEIを図2に示す。試料は繊維質であり、表面に付着物が確認できる。表面の付着物が多い箇所を中心に、Uの面分析を連続的に実施してU含有粒子の探索を行った。
確認されたU含有粒子
U含有粒子の探索によって確認されたU含有粒子を図3に示す。約1μm径のU含有粒子が確認された。
点分析による波長プロファイル及び検出元素
図4~7にWDX点分析の概略位置、測定された波長プロファイル及び検出元素を示す。
U含有粒子上の点分析による波長プロファイルでは、U、Pu、Fe、Zn、Ti、Alのピークが検出された。また、周辺の点分析ではZn、Cu、Ti、Caのピークが検出された。
面分析による特性X線像
図8にWDX面分析によるU、Pu、Cs、Sb、Zr、Zn、Fe、Cr、Ni、Mo、Si、Ca、Al、Ti、Cuの特性X線像を示す。
U含有粒子と同じ箇所にはPuが確認された。また、U含有粒子の周辺にはFe、Ni、Zn、Moが粒状に確認され、Ca、Al、Ti、Cuも確認された。
これらの結果から、U含有粒子上の点分析による波長プロファイル上で検出されたFe、Zn、Ti、Alについては、U含有粒子の周辺の領域からの影響を受けていると推測される。
図8 2PEN2101 面分析による特性X線像
(注)・ 各元素の特性X線像の取得に用いた波長については分析方法(JAEA 2021年度 受入サンプル共通) FE-SEM/WDXを参照。
・ 有意でないと判定した元素は※を付し、括弧書きとした。元素を有意に含むか否かの判定の考え方については分析方法(JAEA 2021年度 受入サンプル共通) FE-SEM/WDXを参照。
SEM/WDX分析からのU含有粒子上及びU含有粒子周辺の元素検出結果
以上より、U含有粒子上ではPuが検出され、U含有粒子周辺にはFe、Ni、Zn、Mo、Ca、Al、Ti、Cuが検出された。
- ↑ 令和3年度福島第一原子力発電所の炉内付着物サンプル等の分析,日本原子力研究開発機構,JAEA-Data/Code 2023-005.