2号機原子炉ウェル内調査排気ダクト劣化部A(2WEL2102A)FE-SEM/WDX
No | 日付 | 分類 | 内容 | 備考 |
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1 | 2025/3/12 | 新規 | FE-SEM/WDX分析結果の掲載(出典[1]) | 旧ページは こちら(アクセス限定:Gr1) |
試料蒸着処理
切り出した試料のカーボン蒸着処理を行い、FE-SEM用の分析ステージに乗せた様子を図1に示す。
全体SEI画像
FE-SEM用試料の全体SEIを図2に示す。SEM観察用試料は三角形の板状であり、表面の付着物が多い箇所を中心に、Uの面分析を連続的に実施してU含有粒子の探索を行った。
確認されたU含有粒子
U含有粒子の探索によって確認されたU含有粒子を図2に示す。長径約5μmのU含有粒子が確認された。
点分析による波長プロファイル及び検出元素
図4~7にWDX点分析の概略位置、測定された波長プロファイル及び検出元素を示す。
U含有粒子上の点分析による波長プロファイルでは、U、Pu、Fe、Al、Mgのピークが検出された。また、周辺の点分析ではFe、Cr、Ni、Zn、Mg、Al、Si、Clのピークが検出された。
面分析による特性X線像
図8にWDX面分析によるU、Pu、Cs、Sb、Zr、Fe、Cr、Ni、Zn、Mo、Si、Al、Mg、Clの特性X線像を示す。
Uと同じ箇所にはPuが確認された。U含有粒子の周辺にはFe、Cr、Si、Mg、Clが広範囲に確認され、Zn、Ni、Alが点状に観察された。この結果から、U含有粒子上の点分析による波長プロファイル上で検出されたFe、Al、Mgは周辺の領域の影響を受けているものと推測される。
図8 2WEL2102A 面分析による特性X線像
(注)・ 各元素の特性X線像の取得に用いた波長については分析方法(JAEA 2021年度 受入サンプル共通) FE-SEM/WDXを参照。
・ 有意でないと判定した元素は※を付し、括弧書きとした。元素を有意に含むか否かの判定の考え方については分析方法(JAEA 2021年度 受入サンプル共通) FE-SEM/WDXを参照。
SEM/WDX分析からのU含有粒子上及びU含有粒子周辺の元素検出結果
以上より、U含有粒子上ではPuが検出され、U含有粒子周辺にはFe、Cr、Si、Mg、Cl、Zn、Ni、Alが検出された。
- ↑ 令和3年度福島第一原子力発電所の炉内付着物サンプル等の分析,日本原子力研究開発機構,JAEA-Data/Code 2023-005.