事故進展の推定

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図1: 事故進展によるプラント状態とその後の状態変化の関係

事故時におけるプラント状態とその後の状態変化の関係を図1に示す。1Fの各号機では、原子炉スクラムから炉心溶融,RPV・PCVバウンダリの破損,水素爆発,放射線物質放出等,号機毎に異なる様々な事故事象を経て安定状態に至った。安定状態の中でも,摩耗や腐食等の変化を経て,現在の推定図に示されている状態となっていると予測される。ここでは,スクラムから冷温停止までの事象の評価・予測結果を示す。

まず,基礎情報として,平成26・27年度補正予算「廃炉・汚染水対策事業費補助金」 総合的な炉内状況把握の高度化で検討された事故進展[1]をもとに,原子力機構が別途検討した炉心溶融・炉心物質移行挙動[2]を加味して,号機ごとの事故シナリオを整理した。得られた結果(炉心損傷開始タイミング,炉心崩落(スランピング)タイミング,RPV破損と炉心物質のペデスタル移行タイミング)を,事故時に計測されたRPV圧,D/W圧,S/C圧とともに,号機ごとにまとめて示す。また,事象進展の概略を把握しやすくするため,得られた結果に基づく炉心溶融・炉心物質移行の概念図を併せて作成した。ここでは,RPV内部およびペデスタルでの炉心物質移行を推定しているが,今後の試験的デブリ取出しには建屋内滞留水なども含まれており,将来的には建屋全体を含めた炉心物質移行推定を行う。

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