上部ルースデブリの詳細分析データ
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ここでは、参考文献[1]に基づき、上部ルースデブリの微細構造の分析データをまとめる。
上部ルースデブリのサンプリング
図1に、サンプリング位置を示す。ドリルタイプサンプラーを用い、炉心中央の燃料集合体部位H8と、中間領域の燃料集合体部位E9、から、深さ方向に、計11か所からサンプリングが行われた。サンプル重量は、それぞれ約17~170gであった。分析では、まず、外観観察、粒度分布、かさ密度、線量、がサンプルごとに測定された。次に、溶融凝固の痕跡を有する29個のデブリ粒子を選定し、微細構造分析(SEM/EDX, 金相, オージェ分光分析)が行われた。オージェ分光分析(SAS)では、標準試料を用いて、定量性向上+酸素濃度分析が行われた。これらの分析結果に基づき、上部ルースデブリ粒子は、5グループに類型化された。
Type-I 破砕されたペレット
Type-II 酸化・破砕された燃料被覆管
Type-III 燃料棒の溶融凝固物: (U,Zr)O2
Type-IV 金属材料の溶融凝固物
Type-V 燃料棒成分と構造材成分の酸化物の混合物
さらに、サンプルの一部が、酸溶解され化学分析/放射線分析が行われた。また、自然発火性、脱水性等に対して、実デブリ粒子を用いた検証試験が行われた。
図2に、詳細分析に供された29個の粒子の外観写真を、サンプル採集場所、粒子のサイズ、Type-I~Vの分類とあわせて示す。なお、3L,3M粒子については、元の文献に外観写真が掲載されていない。粒子タイプについては、多くの粒子が5グループの成分の混合・凝集物となっていた。
上部ルースデブリ粒子の分析結果
1A粒子(炉心中央、表面から採集)
図3に、1A粒子の断面金相写真を示す。