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 ここで、Co-60及びCs-137について、溶解前試料(表5.1-3)と溶解液(表5.1-5)に含まれる放射能量がいずれも同じオーダーであったのに対し、残渣中に含まれる放射能量(表5.1-7)はそれらより1~3桁小さい値であった。このことから、試料中に含まれるCoとCsのほぼ全量が溶解液に移行し、残渣中に残存したCoとCsは極微量であったと考えられる。
 ここで、Co-60及びCs-137について、溶解前試料(表5.1-3)と溶解液(表5.1-5)に含まれる放射能量がいずれも同じオーダーであったのに対し、残渣中に含まれる放射能量(表5.1-7)はそれらより1~3桁小さい値であった。このことから、試料中に含まれるCoとCsのほぼ全量が溶解液に移行し、残渣中に残存したCoとCsは極微量であったと考えられる。


表(共通)-1 試料重量の測定結果(硝酸溶解前)
{| class="wikitable"
|試料名
|溶解前 [g]
|溶解後※1 [g]
|-
|2PEN2101※2
|0.15363
|0.09671
|-
|2PEN2102※2
|0.10053
|0.06617
|-
|2WEL2101A
|0.0415
|0.00653
|-
|2WEL2101C
|0.00691
|0.00123
|-
|2WEL2102A
|0.06243
|0.00008
|-
|2WEL2103A※3
|0.03517
|0.02068
|-
|}
※1 ろ過後のフィルタ重量(フィルタ+残渣)からろ過前のフィルタ重量(フィルタのみ)を差し引いた値<br/>
※2 スミア紙を含む重量<br/>
※3 パッキン材を含む重量





2024年2月19日 (月) 14:56時点における版

更新履歴
No 日付 分類 内容 備考 記載者
1 2022/04/25 新規 放射線測定結果の登録(IRID報告書より転記)。 原稿作成:大西(JAEA)

wiki転記:池内(JAEA)

2 2022/11/18 修正確認依頼 誤記修正、表現の適正化
  • 「各試料の計測結果(放射能(Bq))を単位試料重量あたりの重量に換算し,」→「溶解前試料、溶解液、および溶解後残渣の試料重量の計測結果(放射能(Bq))を、~で除することにより、単位試料重量当たりの放射能に換算した。」
  • 「溶解前試料からは~Am-241が検出された。」及び「溶解液からは~Am-241,243が検出された。」→ Am-243は溶解前試料から検出されているため、双方の記載を修正した。
  • 溶解液のEu-155、溶解後残渣のSb-125は2PEN2102でのみ検出されているため、※を付して注記した。
3 2022/11/24 承認 池内(JAEA)

 サンプルの溶解時の外観を図5.1-8に示す。溶解前のサンプル重量(スミア紙を含む重量)及び溶解後の重量(ろ過前後でのフィルタ重量の差)を表5.1-1に示す。溶解前試料、溶解液、溶解後残渣のγ線計測日を、測定時間とともに表5.1-2に示す。  溶解前試料、溶解液、及び残渣のγ線計測結果と単位試料重量当たりの放射能を、表5.1-3から表5.1-4、表5.1-5から表5.1-6、及び表5.1-7から表5.1-8にそれぞれ示す。各試料のγ線スペクトルを図5.1-9から図5.1-11に示す。  測定の結果、溶解前試料からは、Co-60、Rh-106、Sb-125、Cs-134、Cs-137、Ce-144、Eu-154、Eu-155、Am-241、Am-243が検出された。溶解液からは、Co-60、Cs-137、Eu-154、Am-241が検出された。溶解後残渣からは、Co-60、Cs-137が検出された。  ここで、Co-60及びCs-137について、溶解前試料(表5.1-3)と溶解液(表5.1-5)に含まれる放射能量がいずれも同じオーダーであったのに対し、残渣中に含まれる放射能量(表5.1-7)はそれらより1~3桁小さい値であった。このことから、試料中に含まれるCoとCsのほぼ全量が溶解液に移行し、残渣中に残存したCoとCsは極微量であったと考えられる。

表(共通)-1 試料重量の測定結果(硝酸溶解前)

試料名 溶解前 [g] 溶解後※1 [g]
2PEN2101※2 0.15363 0.09671
2PEN2102※2 0.10053 0.06617
2WEL2101A 0.0415 0.00653
2WEL2101C 0.00691 0.00123
2WEL2102A 0.06243 0.00008
2WEL2103A※3 0.03517 0.02068

※1 ろ過後のフィルタ重量(フィルタ+残渣)からろ過前のフィルタ重量(フィルタのみ)を差し引いた値
※2 スミア紙を含む重量
※3 パッキン材を含む重量


 放射線測定に先立ち,試料重量を測定した。2号機X-6ペネ調査装置付着物の2試料(試料番号2PEN2101,2PEN2102)は,ともにスミアろ紙に付着している状態であり,スミアろ紙を含む重量を,表(共通)-1に示す。また,硝酸溶解後の重量を表(共通)-2に示す。

溶解試験結果(サンプル共通)表1~2

 溶解前のγ線計測結果を表(共通)-3~6に示す。同様に,溶解液の計測結果,および残渣の計測結果をそれぞれ表(共通)-11~14,および表(共通)-19~22に示す。これらの計測日は,まとめて表(共通)-27に示す。
 γ線スペクトルを図(2PEN2101)-6 (a)~(c)に示す。また,溶解前試料、溶解液、および溶解後残渣の試料重量の計測結果(放射能(Bq))を、それぞれ、溶解前試料重量(表(共通)-1参照)、溶解した試料重量(溶解前試料重量-溶解後残渣重量)、及び溶解後残渣重量で除することにより、単位試料重量当たりの放射能に換算した。溶解前試料,溶解液および溶解後残渣に対する結果を,それぞれ,表(共通)-7~10,表(共通)-15~18および表(共通)-23~26に示す。
 測定の結果,溶解前試料からは,Co-60,Rh-106,Sb-125,Cs-134,137,Ce-144,Eu-154,155,Am-241,243が検出された。溶解液からは,Co-60,Cs-137,Eu-154,155,Am-241が検出された。溶解後残渣からは,Co-60,Sb-125,Cs-137が検出された。
  2PEN2102でのみ検出。

放射線分析結果(サンプル共通)表3~27


なお,Co-60およびCs-137の重量および放射能量については,試料から溶解液および残渣への移行割合を評価するための概数である。厳密な定量値を得るためには,試料形状と標準試料の形状を揃える必要がある。しかしながら,溶解前試料と,試料溶解後の溶解液に含まれるCoとCsの放射能がいずれも同じオーダーであったのに対し,溶解後に得られた残渣中に含まれるCoとCsの放射能は,それらより1~3桁小さい値であったことから,試料中に含まれるCoとCsの全量が溶解液に移行し,残渣中に残存したCoとCsは極微量であったと考えられる。

分析方法(測定方法、不確かさ評価、定量下限値)はこちら