「事故シナリオの特徴と燃料デブリのふるまいの推定」の版間の差分

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|原子炉水位計の水位低下(おそらく水位計内の配管)
|原子炉水位計の水位低下(おそらく水位計内の配管)
|再溶融した金属デブリ/燃料デブリがRPV破損し、短時間でペデスタル内に移行したと推定。
|再溶融した金属デブリ/燃料デブリがRPV破損し、短時間でペデスタル内に移行したと推定
崩落時の燃料デブリの平均温度は、約2150℃と推定(事故解析コードによる評価)。
崩落時の燃料デブリの、平均温度は約2150℃、最高温度は約2550℃と推定(事故解析コードによる評価値)
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|3/12 4:00-14:30頃
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|間欠的な海水注入
|間欠的な海水注入
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|ペデスタル内が水素/水蒸気雰囲気を維持
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!⑪
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|3/12 14:30頃まで
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|PCV内が高圧を維持。ペデスタル内に崩落した高温の
|PCV内が高圧を維持
燃料デブリにより、注入された海水やコンクリートの
ペデスタル内に崩落した高温の燃料デブリにより、注入された


含有水が加熱されて蒸発し、高温水蒸気がペデスタル
海水やコンクリートの含有水が加熱されて蒸発し、高温水蒸気


開口部を通過してD/Wに移行していたと推定。
がペデスタル開口部を通過してD/Wに移行していたと推定
|燃料デブリからの輻射でペデスタル側面の内壁が加熱・昇温され、コンクリートが溶融開始した可能性。
|燃料デブリからの輻射でペデスタル側面の内壁が加熱・昇温され、コンクリートが溶融開始した可能性
ペデスタル底部では、燃料デブリとコンクリートとの相互作用が発生したと推定(相互作用の詳細メカニズムは不明)。
ペデスタル底部では、燃料デブリとコンクリートとの相互作用が発生したと推定(相互作用の詳細メカニズムは不明)
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|3/12 15:36
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|水素爆発
|水素爆発
|崩落した燃料デブリと水蒸気やコンクリートとの相作用により、水素発生が継続していた可能性。このことから、
|崩落した燃料デブリと水蒸気やコンクリートとの相作用により、水素発生が継続していた可能性
ペデスタルに崩落した燃料デブリは、金属と酸化物が混合し、デブリ全体としては亜酸化状態を維持していた可能性
ペデスタルに崩落した燃料デブリ全体としては亜酸化状態を維持していた可能性
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!⑯
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|注水量の増加
|注水量の増加
|約10日間にわたり、ペデスタル内に十分な冷却水が注入されず、高温の燃料デブリが露出し、
|約10日間にわたり、ペデスタル内に十分な冷却水が注入されず、高温の燃料デブリが露出し、
ペデスタル内に高温水蒸気が充満していた可能性(STAR-CCM+コードでの解析では、水蒸気温度約400℃と評価)、
ペデスタル内に高温水蒸気が充満していた可能性(STAR-CCM+コードでの解析では、水蒸気温度約400℃と評価)
 
また、デブリからの輻射によりコンクリート内壁が加熱されていた可能性


(同解析では、ペデスタル内壁温度約800℃と評価)。
デブリからの輻射によりコンクリート内壁が加熱されていた可能性(同解析では、ペデスタル内壁温度約800℃と評価)
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<nowiki>#</nowiki> ⑤-⑦の事故イベントは、事故解析コードによる評価結果とTMI-2事故シナリオからの推定に基づいており、不確かさが大きい
<nowiki>#</nowiki> ⑤-⑦の事故イベントは、事故解析コードによる評価結果とTMI-2事故シナリオからの推定に基づいており、不確かさが大きい


<nowiki>#</nowiki> 下部プレナムでのデブリ再昇温・再溶融過程の不確かさ(どの程度デブリ再溶融が広がり、RPV破損までにどの程度温度上昇したのかが)は、RPV破損以降のデブリふるまいに大きく影響する。
<nowiki>#</nowiki> ⑦について、下部プレナムでのデブリ再昇温・再溶融過程の不確かさ(どの程度デブリ再溶融が広がり、RPV破損までにどの程度温度上昇したのかが)は、RPV破損以降のデブリふるまいに大きく影響する。
 
 
 
'''# 1号機のペデスタル内の調査により、本来ペデスタル床面から約1-1.2m高さまで、側面コンクリートが大きく破損し、鉄筋やインナースカートが露出していた様子、及び、ペデスタル床面が大きく損傷し、溶融凝固したとみられる堆積物や崩落したCRDハウジングが残留している様子、等が確認されている。従来想定されていた典型事故シナリオでのMCCI(Molten Core Concrete Interaction)とは大きく異なる状態であり、様々な検討が行われている。'''
 
'''# コンクリートの溶融開始温度(solidus)は約1000-1200℃、鉄筋の溶融温度は約1500℃であることから、コンクリートはこの温度範囲に昇温されていた可能性がある。'''
 
'''# 他方、鉄筋表面の凸凹構造が残留していることから、鉄筋が1000℃以上に加熱されていた時間は、高々1-2日と推定されている。'''
 


'''# ペデスタル内に崩落した直後のデブリは大きな崩壊熱を有しており、これを除熱するためのメカニズムが不明である。有力な仮として、ペデスタル開口部を通じた高温ガスのD/Wの流出と、'''
<nowiki>#</nowiki> ⑨について、ペデスタル内に崩落した直後のデブリは大きな崩壊熱を有しており、これを除熱するためのメカニズムが不明である。有力な仮説として、ペデスタル開口部を通じた高温ガスのD/Wの流出と、コンクリートの溶融潜熱による寄与が考えられる。デブリのペデスタル崩落直後から数時間から1~2日のうちに、大きな崩壊熱の除熱をともなって、燃料デブリとコンクリートや鋼材が相互作用し、ペデスタル内部からD/W底部にかけて、状態の変化が起きた可能性が考えられる。


'''コンクリート溶融の広がりによる溶融潜熱による寄与が考えられる。'''
<nowiki>#</nowiki> ⑪について、コンクリートの溶融開始温度(solidus)は約1000-1200℃、鉄筋の溶融温度は約1500℃であることから、コンクリートはこの温度範囲に昇温されていた可能性がある。他方、鉄筋表面の凸凹構造が残留していることから、鉄筋が1000℃以上に加熱されていた時間は、高々1-2日と推定されている。


'''# デブリのペデスタル崩落直後から数時間から1~2日のうちに、大きな崩壊熱の除熱をともなって、燃料デブリとコンクリートや鋼材が相互作用し、ペデスタル内部からD/W底部にかけて、状態の変化が起きた可能性が考えられる。'''
<nowiki>#</nowiki> 1号機のペデスタル内部調査により、本来のペデスタル床面から約1-1.2m高さまで、側面コンクリートが大きく破損し、鉄筋やインナースカートが露出していた様子、及び、ペデスタル床面が大きく損傷し、溶融凝固したとみられる堆積物や崩落したCRDハウジングが残留している様子、等が確認されている。従来想定されていた典型事故シナリオでのMCCI(Molten Core Concrete Interaction)とは大きく異なる状態であり、様々な検討が行われている。


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2024年1月22日 (月) 10:44時点における版

事故シナリオの特徴と燃料デブリのふるまい:

 最新の事故進展の推定結果の詳細は、事故進展の推定に示す。以下では、まず、燃料デブリのふるまいへの影響が大きいと考えられる事故時の事象について示す。次に、燃料デブリの特性の項目で、それぞれの事故事象から予想される燃料デブリの特性を示す。さらに、号機・領域ごとの燃料デブリふるまいの特徴について(詳細)において、より詳細な検討を行う。また、「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」において燃料デブリの特性評価に関する研究開発が行われている。

なお、これらの検討は、令和5年12月時点でのものである。


燃料デブリのふるまいへの影響が大きい事故時の事象について

1号機の重要イベントの時系列:

イベント番号 発生した時間帯 事故時の事象 推定される燃料デブリのふるまい
RPV内フェーズ 3/11 15:37 全電源喪失、冷却水水位の低下
3/11 18:00頃 冷却水水位がTAFまで低下(解析による推定) 炉心上部で燃料が露出開始
3/11 19:00頃 炉心上部で燃料溶融開始(解析による推定) 炉心上部で燃料溶融開始

制御棒が溶落し炉心下部で閉塞(主にチェンネルボックスの外側と推定。閉塞位置の高さは不明)

3/12 4:00頃まで 冷却水が全く注入されなかった時間帯、炉心部での冷却水水位

が次第に低下(解析による推定)

水蒸気/Zr反応により、炉心温度が急上昇

燃料崩落開始

3/11 23:00-3/12 1:00頃 RPV内が高圧を維持し、SRV弁からの水蒸気漏洩が継続

水位がBAF以下まで低下(解析による推定)

炉心上部で溶融・崩落した燃料デブリは、炉心下部でいったん堆積

Zr表面積の減少により、燃料デブリ温度はいったん低下した後に、崩壊熱で再昇温・再溶融、燃料デブリの溶融プール形成

溶融プールが主に径方向に連結・拡大、周囲をクラスト層で覆われ、水蒸気から遮断(TMI-2事故との類似性)

溶融プールの形成位置は、BAF直上と推定(TMI-2事故では炉心部約1/3の高さに形成)

溶融プール中では、溶融デブリの酸化度が上昇しにくい可能性(亜酸化U-Zr-Oメルトの形成)

3/12 2:00~3:00頃 溶融した燃料デブリが、短時間で下部プレナムに崩落

(解析による推定)

溶融デブリの移行経路は不明

-可能性1:RPV内側面のシュラウドを破損した移パス

-可能性2:溶融プールの下部クラストを破損した移行パス、等

下部プレナムに崩落した燃料デブリはいったん凝固した可能性(内部では溶融状態が維された可能性

崩落時の燃料デブリは亜酸化状態(U-Zr-Oメルト)を維持していた可能性

3/12 4:00頃 下部プレナムでのデブリドライアウト(解析による推定) 金属デブリの先行溶融が発生した可能性

溶融した金属デブリにより、CRGT等の鋼材が溶融・倒壊した可能性、さらに、炉心下部に残留していた燃料デブリ、切り

株燃料集合体、炉心支持板、等が下部プレナムに崩落した可能性

燃料デブリの再溶融

溶融金属デブリと溶融燃料デブリの化学的な相互作用(混合状態の形成)が発生した可能性

下部プレナムでの溶融デブリプール形成の可能性

RPV外フェーズ 3/12 6:00-6:25 PCV D/Wの圧力上昇
3/12 6:30以降 原子炉水位計の水位低下(おそらく水位計内の配管) 再溶融した金属デブリ/燃料デブリがRPV破損し、短時間でペデスタル内に移行したと推定

崩落時の燃料デブリの、平均温度は約2150℃、最高温度は約2550℃と推定(事故解析コードによる評価値)

3/12 4:00-14:30頃 間欠的な海水注入 ペデスタル内が水素/水蒸気雰囲気を維持
3/12 14:30頃まで PCV内が高圧を維持

ペデスタル内に崩落した高温の燃料デブリにより、注入された

海水やコンクリートの含有水が加熱されて蒸発し、高温水蒸気

がペデスタル開口部を通過してD/Wに移行していたと推定

燃料デブリからの輻射でペデスタル側面の内壁が加熱・昇温され、コンクリートが溶融開始した可能性

ペデスタル底部では、燃料デブリとコンクリートとの相互作用が発生したと推定(相互作用の詳細メカニズムは不明)

3/12 10:17 圧力調整室側のAO弁操作、PCVのベント
3/12 14:30 PCV内圧低下を確認
3/12 15:27 ベント弁の閉止
3/12 15:36 水素爆発 崩落した燃料デブリと水蒸気やコンクリートとの相作用により、水素発生が継続していた可能性

ペデスタルに崩落した燃料デブリ全体としては亜酸化状態を維持していた可能性

3/13 0:00以降 連続的な海水注入
3/22 18:00以降 注水量の増加 約10日間にわたり、ペデスタル内に十分な冷却水が注入されず、高温の燃料デブリが露出し、

ペデスタル内に高温水蒸気が充満していた可能性(STAR-CCM+コードでの解析では、水蒸気温度約400℃と評価)

デブリからの輻射によりコンクリート内壁が加熱されていた可能性(同解析では、ペデスタル内壁温度約800℃と評価)

3/22 18:00以降 PCV/RPV内圧の上昇、ペデスタル内に水位形成の可能性 水蒸気発生量の増加、水素発生継続の可能性、デブリの温度低下
3/29 0:00頃以降 PCV/RPV内圧の低下 ペデスタルデブリが再冠水したと推定


# ⑤-⑦の事故イベントは、事故解析コードによる評価結果とTMI-2事故シナリオからの推定に基づいており、不確かさが大きい

# ⑦について、下部プレナムでのデブリ再昇温・再溶融過程の不確かさ(どの程度デブリ再溶融が広がり、RPV破損までにどの程度温度上昇したのかが)は、RPV破損以降のデブリふるまいに大きく影響する。

# ⑨について、ペデスタル内に崩落した直後のデブリは大きな崩壊熱を有しており、これを除熱するためのメカニズムが不明である。有力な仮説として、ペデスタル開口部を通じた高温ガスのD/Wの流出と、コンクリートの溶融潜熱による寄与が考えられる。デブリのペデスタル崩落直後から数時間から1~2日のうちに、大きな崩壊熱の除熱をともなって、燃料デブリとコンクリートや鋼材が相互作用し、ペデスタル内部からD/W底部にかけて、状態の変化が起きた可能性が考えられる。

# ⑪について、コンクリートの溶融開始温度(solidus)は約1000-1200℃、鉄筋の溶融温度は約1500℃であることから、コンクリートはこの温度範囲に昇温されていた可能性がある。他方、鉄筋表面の凸凹構造が残留していることから、鉄筋が1000℃以上に加熱されていた時間は、高々1-2日と推定されている。

# 1号機のペデスタル内部調査により、本来のペデスタル床面から約1-1.2m高さまで、側面コンクリートが大きく破損し、鉄筋やインナースカートが露出していた様子、及び、ペデスタル床面が大きく損傷し、溶融凝固したとみられる堆積物や崩落したCRDハウジングが残留している様子、等が確認されている。従来想定されていた典型事故シナリオでのMCCI(Molten Core Concrete Interaction)とは大きく異なる状態であり、様々な検討が行われている。


2号機: 事故シナリオ上のイベントとそこから推定される燃料デブリのふるまいを示す。

重要イベントの時系列
イベント番号 発生した時間帯 事故時の事象 推定される燃料デブリのふるまい
RPV内フェーズ 3/14 18:00頃 SRV弁開、ごく短時間で、冷却水の水位が炉心支持板下まで低下 冷却水の減圧沸騰により、燃料温度はいったん300℃程度まで低下
3/14 18:30 ~ 20:30頃 冷却水が注入されない条件(水蒸気枯渇)で、燃料温度上昇 制御棒が溶落し炉心下部で閉塞、炉心部で温度上昇し局所で溶融プールを形成
3/14 20:30 ~ 3/15 1:10 3個の圧力ピークを検出 熱源(燃料デブリ)が冷却水と接触し、水素/水蒸気発生、下部プレナムには冷却水残留
3/14 20:30頃 第1圧力ピーク(圧力上昇が限定的) 冷却水水位の上昇と燃料デブリとの接触 or 溶融金属デブリの崩落など、限定的なイベント
3/14 22:40頃 第2圧力ピーク(圧力が連続的に上昇) 燃料デブリの連続的な崩落(ドレナージ型)、下部プレナムにデブリ移行・堆積
3/15 0:00頃 第3圧力ピーク(圧力が連続的に上昇) 下部プレナムに崩落した燃料デブリによる残留冷却水の蒸発
3/13 2:20頃 RPV圧力微増、RPV圧力とD/W圧力がほぼ一致 炉心部でのデブリ崩落終了、RPVからPCVへのリークパス形成
3/15 4:10頃 下部プレナムでのデブリドライアウト 崩落した燃料デブリはいったん凝固し、冷却水ドライアウト後に、再昇温・溶融
RFPV外フェーズ # 3/15 13:00以降 RPVバウンダリ大規模破損、デブリのペデスタル流出 RPV下部側面の大規模破損、金属溶融デブリのペデスタル内部への大規模溶落、グレーチング破損(一部デブリの固着)、

さらに金属溶融デブリがペデスタル底部へ移行・堆積。ペデスタルに液相水はほとんどなかった可能性

# 3/15 13:00以降 RPV底部破損、CRD溶接部破損 金属溶融デブリのCRD流入、CRD溶接部破損、デブリのCRD外周への付着・崩落
# 3/15 13:00以降 RPV内デブリ(in-vessel debris) 酸化度が高く(高融点)、粒子状で隙間が多い燃料デブリの本体は、大規模に再溶融することなく、

RPV下部に残留と推定。さらに、2号機では他号機に比べ残留崩壊熱が小さく、除熱されやすかった可能性

3/15 15:00以降 ペデスタル崩落デブリ(ex-vessel debris)の再冠水 金属デブリが主体と推定されるex-vessel debrisは、ペデスタル崩落後に再溶融することなく再冠水、

再冠水時の水素/水蒸気発生は限定的

# 最新の解析では、これらのイベントは3/15 13:00以降に発生したと評価されている。まだ、debrisWikiの事故進展の推定図には反映されていない。


3号機:

重要イベントの時系列
イベント番号 発生した時間帯 事故時の事象 推定される燃料デブリのふるまい
RPV内フェーズ 3/13 5:30以降 炉心上部の露出、炉心損傷開始 炉心上部でZr酸化開始
3/13 8:00頃 炉心上部で温度上昇 炉心上部で燃料溶融開始
3/13 9:00頃 ADS作動、炉心全体の急速な露出、溶融開始していた

炉心上部へ急な水蒸気供給

炉心物質の酸化進展(酸化度上昇は限定的と推定)、炉心部で水蒸気枯渇条件の発生
3/13 9:30以降 冷却水注入開始、水位は回復せず 水蒸気枯渇条件が継続、塊状のデブリ内で燃料溶融が進展、亜酸化状態のU-Zr-Oメルトが成長
3/13 11:00以降 複数の圧力ピーク発生、3/13 12:00頃に最大の圧力ピーク発生 塊状デブリが下部プレナムに崩落し、水素/水蒸気発生。最大の圧力ピークは、最も大規模な燃料デブリの崩落に対応していると推定。

崩落中の塊状の燃料デブリは、粒子状が多いと考えられる2号機より、高温(2300℃程度)だった可能性

3/13 14:00以降 RPV内圧力のなだらかな上昇 燃料デブリや金属デブリは下部プレナムでいったん凝固・堆積。崩壊熱による水蒸気発生
3/13 20:40頃 RPV内圧力の低下開始 下部プレナムでのデブリドライアウト、デブリの再昇温開始
3/13 20:40以降 RPV内圧力のなだらかな低下 金属デブリの再溶融開始と溶融範囲の拡大、溶融金属デブリ中への亜酸化U-Zr-Oメルトの溶融、および、

CRGT等の下部プレナムにあった鋼材の溶融

RFPV外フェーズ 3/14 0:00頃 RPVバウンダリ破損、デブリのペデスタル流出、

ペデスタル残留水の蒸発

溶融金属デブリが、燃料デブリ本体の前に先行溶落した可能性(2号機と同様な事故事象)
3/14 0:00-6:30 D/W圧力の漸増 高粘性デブリの、RPV下部プレナムからペデスタル内部への、緩慢な移行が発生したと推定
3/14 6:30 D/W圧力上昇の終了 燃料デブリ本体の崩落終了と推定。3号機PCV内部調査で、ペデスタル底部堆積物の堆積厚さが約2-3mに達し、

ペデスタル内部にあった様々な鋼材が大きく破損しているが、あまり溶融した様子が見られなかったこと、また、

事故進展解析により、デブリ酸化度が低く、固液混合状態の高粘性デブリが崩落したと推定されること、から、

ペデスタル内に堆積しているデブリ内部には大きな空洞がある可能性、MCCIがあまり起きていない可能性が推定されている

3/14 11:00頃 ペデスタルデブリのドライアウト、水素爆発 酸化度が低い高粘性デブリと冷却水やコンクリートとの反応で水素が発生した可能性。ドライアウト以降に、

ペデスタルデブリ内部で再溶融・再凝固が起きた可能性


燃料デブリの特性:

 以下では、事故シナリオの特徴から予想される、燃料デブリのふるまいの特徴を示す。


1号機:

予想される燃料デブリの特性
デブリの分類 項目

番号

関連する事故

イベント番号

事故時の事象 推定される燃料デブリの特性
RPV内デブリ A ①-④ 炉心水位が少しずつ低下、炉心上部での炉心露出によりZr/水蒸気反応発生 TMI-2事故と類似するシナリオで、水位がまだ炉心下部にある段階で、燃料デブリの崩落が発生と推定。

崩落初期には、制御棒やチャンネルボックスなどの金属デブリが崩落したと推定。

(#ただし、初期の閉塞高さは不明)

B 事象A 崩落・堆積した燃料デブリがZr表面積の減少により、いったん温度低下した後、

再昇温・再溶融

亜酸化状態の溶融デブリ(U-Zr-Oメルト)と、粒子状の酸化物デブリ(破損した燃料ペレット、酸化した被覆管)

が再昇温・再溶融

C 溶融デブリプールの拡大、上下クラスト層の形成 溶融デブリプールはクラスト層に囲まれ、亜酸化度を維持していた可能性(U-Zr-Oメルト)
D デブリの下部プレナムへの崩落(# 移行経路は不明) 下部プレナムに移行したデブリはいったんほぼ凝固。この時点では、炉心下部に水位があり、炉心下部の燃料集合体、

炉心支持版、CRGTなどは残留していた可能性。

E デブリドライアウト 亜酸化状態が維持されつつ、デブリ再溶融した可能性。さらに、金属デブリメルトと固相酸化物の固液混合状態を

形成する可能性

F 事象E CRGT等の鋼材が倒壊した可能性、炉心部に残留していた燃料デブリや炉心支持板なども

崩落した可能性

溶融金属デブリ中にこれらの倒壊・崩落物が溶融し、溶融金属と酸化物固相の共存状態を形成した可能性
G 事象F デブリ再溶融状態の進展 デブリ全体としては亜酸化状態が維持されていた可能性。金属デブリメルト、酸化物デブリメルト、

酸化物固相が混合あるいは成層化していた可能性

H 事象E RPV内にデブリはほとんど残っていないと推定 -
RFPV外デブリ I ⑧⑨ RPV破損、高温の燃料デブリのペデスタル内への崩落 金属溶融デブリ、酸化物溶融デブリ、酸化物固相デブリが混合状態だった可能性、デブリ全体としては

亜酸化度が維持されていた可能性

J 事象I 燃料デブリとコンクリートの相互作用 亜酸化状態を維持した固液混合状態のデブリとコンクリートが相互作用した可能性。

RPV底部やペデスタル内にあった鋼材と溶融デブリが相互作用した可能性。溶融金属デブリ側に、

Uの一部やBの大部分が移行した可能性。溶融金属デブリの酸化が進み、Uを含む酸化物粒子が形成された可能性

K ⑩⑪ 高温水蒸気が継続的に発生、燃料デブリからの輻射によるコンクリート加熱が継続 コンクリートの溶融、ペデスタル開口部を通じたガス放出。一方で、約2200℃以下では、

SiO2とUO2, ZrO2は相互溶融しにくく、また、金属溶融物と酸化物固相が固液混合状態を形成しやすいため、

デブリとコンクリートの反応物、あるいは、酸化物固相と金属メルトがミシビリティギャップを形成する可能性

L ⑫⑬ ベントによるガス移動でペデスタル内圧減少、デブリやコンクリートが冷却 デブリとコンクリート反応生成物が物理的に破損した可能性
M ペデスタル内が高温水蒸気で充満、デブリやコンクリート温度も高温を維持 デブリとコンクリートの反応生成物が変質した可能性。デブリ内部で溶融が継続していた可能性
N ⑰⑱ ペデスタルの冷却、再冠水 デブリとコンクリートの反応生成物が変質した可能性。堆積物表面で凝固時に成層化が起きた可能性

2号機:

事故シナリオ上のイベントから推定される燃料デブリの特性示す。(下記の事故進展推定図に、関連する事故事象の発生時期を記載)。

予想される燃料デブリの特性
デブリの

分類

項目

番号

事故事象の

発生時期

事故時の事象 推定される燃料デブリの特性
RPV内デブリ A ①② 制御棒崩落、初期の燃料崩落が、水蒸気枯渇条件で発生 あまり酸化していない集合体部材(金属デブリ)が多く崩落
B ①② 同上 事象Aにより、金属デブリと下部プレナムの構造材(鋼材)は、局所的(溶接部、Ni存在部位など)

に共晶溶融しやすい

C ③④⑤ 炉心下部での閉塞が十分でなく、炉心部への冷却ガス流入が継続し、

燃料デブリは、二酸化物が完全に溶融するより低い温度(2000~2300℃と推定)

で連続的に崩落(BWRドレナージシナリオ)

燃料デブリ中の酸化物デブリは、崩落中に粒子状を維持しやすく、かつ酸化度が高くなる傾向
D 下部プレナムに崩落した燃料デブリと冷却水の反応による水素/水蒸気発生 燃料デブリは一部破砕され、隙間が多い粒子状で下部プレナムに堆積、金属デブリが混在
E 下部プレナムでデブリドライアウト 金属デブリの再溶融開始、溶融した金属デブリ中への酸化物デブリの一部溶融、およびCRGTの溶融
F 事象E 下部プレナムでのデブリ再溶融 溶融金属デブリと粒子状酸化物デブリ(固体)が相分離しやすい
G 事象F デブリ溶融状態の広がり、デブリ温度の上昇 金属デブリ液相/酸化物デブリ固相間の相分率変化と成分再分布が進行、燃料デブリのペデスタル崩落前にどこまで

デブリ状態変化が進むかが、デブリ特性に大きく影響する

RPV外デブリ H RPV底部側面の大規模破損 溶融金属デブリの流出、未溶融金属部材や粒子状酸化物デブリを巻き込んだ可能性、一部はグレーチングに固着・破損
I RPV底部溶接部の局所破損 固液混合状態の金属デブリがCRD内に流入・凝固、一部はCRD外周部に付着、その後にペデスタル底部に崩落
J 事象I イベント⑨と⑩のどちらが先に起きたのかは不明 下部プレナムでの再溶融状態により、化学平衡状態に近づく可能性。金属デブリの主成分はSS/Zrと推定

金属デブリ中に最大10mol%程度のU,B,Cが金属デブリに均質溶融される可能性

K RPV内で、残留金属デブリの凝固 RPV底部に、金属デブリ流出により大きな空間が形成されている可能性
L ⑨⑫ 溶融金属デブリは、ペデスタル底部に広がりつつ堆積

(2号機では、スレート状の堆積物を観測)

構造材(コンクリートや鋼材)との接触で冷却され、薄く広がってスレート状に堆積した可能性、堆積後に再溶融しなかった可能性
M RPV外

事象全体

デブリのペデスタル移行過程に発生する高温化学反応により、U含有粒子が液滴として飛散・凝固、あるいは蒸発・凝縮 U含有粒子は、RPV内、PCV内、さらには、建屋内に飛散したと推定される。U含有粒子を分析することで、

燃料デブリと鋼材との反応メカニズム、燃料デブリの最高到達温度や酸化度を逆推定できると期待される。

                       冷却水喪失以降の2号機事故シナリオ






























3号機:

 

予想される燃料デブリの特性
デブリの

分類

項目

番号

事故事象の

発生時期

事故時の事象 推定される燃料デブリの特性
RPV内デブリ A ①② 炉心上部で燃料溶融が、水蒸気潤沢条件で発生 炉心上部でZr酸化とU-Zr-Oメルト形成
B ADS作動により炉心部で水蒸気枯渇条件が発生 炉心部での、制御棒崩落や燃料棒崩落が、水蒸気枯渇条件で発生、炉心上部でZr酸化とU-Zr-Oメルト形成が

進んでいたため、崩落時に塊状のデブリを形成しやすいと推定

C 事象B 下部プレナムのCRGTの隙間に塊状のデブリが崩落 塊状のデブリは、崩落途中や堆積中に、その内部で酸化度が上昇しにくい
D ③④ 炉心部で、ある程度、BWRドレナージ型の崩落が発生、溶融プールの拡大は限定的だった可能性 同上
E ⑤⑥ 下部プレナムに燃料デブリがいったん堆積・凝固 金属デブリ、燃料デブリ共に、いったん凝固し、混合状態で堆積
F ⑦及び事象E 下部プレナムデブリのドライアウト、再昇温・再溶融 金属デブリの再溶融開始、溶融した金属デブリ中への酸化物デブリの一部溶融、およびCRGTの溶融
G デブリ溶融状態の広がり、デブリ温度の上昇 金属デブリ液相/酸化物デブリ固相間の相分率変化と成分再分布が進行、燃料デブリのペデスタル崩落前に

どこまでデブリ状態変化が進むかが、デブリ特性に大きく影響する

RPV外デブリ G ⑨⑩ RPV底部側面破損の可能性 2号機と同様に、溶融金属デブリが、RPV底部側面を破損して、先行溶落した可能性。この場合、

ペデスタル底部に金属デブリが先に堆積するため、MCCIの発生を抑制した可能性

H RPV底部大規模破損 崩落時に、2号機に比べてデブリ温度が高く、デブリ酸化度が低かった可能性。このため、

高粘性デブリを形成し、RPV底部を広範囲で破損した可能性

I ⑩⑪ 高粘性デブリが少しずつ崩落 下部プレナムでの再溶融状態により、化学平衡状態に近づく可能性。金属デブリの主成分はSS/Zrと推定。

金属デブリ中に最大10mol%程度のU,B,Cが金属デブリに均質溶融される可能性。

ペデスタル底部堆積物中に空隙が多い可能性。堆積物内部で、再溶融・再凝固が発生している可能性

J ⑨⑩⑪ MCCIがほとんど発生していない可能性 同上
K ⑨⑩⑪ 一方で、1号機のように、側面コンクリートの破損が発生していた可能性 同上
L 事象G~K デブリのペデスタル移行過程に発生する高温化学反応により、U含有粒子が液滴として

飛散・凝固、あるいは蒸発・凝縮

U含有粒子は、RPV内、PCV内、さらには、建屋内に飛散したと推定される。U含有粒子を分析することで、

燃料デブリと鋼材との反応メカニズム、燃料デブリの最高到達温度や酸化度を逆推定できると期待される。

冷却水喪失以降の3号機事故シナリオ




























号機・領域ごとの燃料デブリふるまいの特徴について(詳細):

 以下では、号機・領域ごとの燃料デブリのふるまいの特徴について、より詳細に示す。

1号機:

 作成中。

2号機

〇 下部プレナムでのデブリふるまいについて

 2号機では、冷却水が十分に残留し、CRGT等の構造材が形状を維持している段階で、主に粒子状の酸化物燃料デブリと溶融金属デブリが、下部プレナムに崩落し、いったん冷却・凝固、その後、崩壊熱で、冷却水ドライアウト、デブリ再昇温・再溶融したと推定される。再昇温・再溶融過程でのデブリふるまいは、以下のように推定される。(参考11:下部プレナム堆積後のデブリ再溶融)※ページ作成次第参照

金属デブリ再溶融(1000~1300℃):残留B4Cや、Fe-Zr, Cr-B, Zr-B系などの金属間化合物の金属デブリへの溶融・成分均質化

金属デブリへの鋼材溶融(1000~1300℃):おそらく下部プレナム底部で溶融開始する金属デブリ中に、CRGT、RPV内壁、ライナー材などが溶融

溶融金属デブリと粒子状酸化物デブリ(模式図右)の間での成分再分配:最大10mol%程度まで、溶融金属デブリ中にUやBが溶融する可能性

溶融金属デブリとRPV内壁、溶接部などとの共晶溶融反応(1000~1300℃):①②③と④は、温度条件が近いため、場所ごとに、それぞれ並行して進む可能性

【デブリ流出パス1】RPV底部側面で、荷重や差圧にともなう応力と、伝熱による溶融や強度低下による大規模破損:化合物相の含有割合が小さく、粘性が小さい金属融体として流出、金属部材や粒子状酸化物デブリを巻き込み

【デブリ流出パス2】RPV底部溶接部で、溶融金属デブリとの局所的な共晶溶融:化合物相を多く含み、粘性が大きい固液混合状態、一部はCRD内へ流入・固化、一部は溶接部を破損してCRD外へ付着・崩落 (参考4:再溶融した金属デブリとRPV鋼材、溶接部の共晶溶融)


これらのことから、2号機では、デブリの大部分が、RPV下部プレナムに存在していると考えられる。燃料デブリの主体である酸化物デブリは、あまり再溶融せず、粒子状を維持し、空隙が多いと推定される。一方、主にSSやZrを多く含有する金属デブリが、RPVを側面と底部で破損し、ペデスタル内に崩落したと考えられる。

ここで、上記の過程④の前に、過程①②③がどこまで進むかが、デブリ堆積状態と特性に大きく影響する。重要因子は、デブリ最高到達温度と酸化度、それに応じた金属デブリと酸化物デブリの成分再分配である。(参考10:デブリ溶融プールの形成・拡大と酸化度上昇参考11:下部プレナム堆積後のデブリ再溶融

燃料デブリ取り出しにおいて、最初に予定されている2号機ペデスタル底部からの試験的デブリ取り出しで、上述したプロセスで崩落したと考えられる金属デブリをg規模で採集し、組成や相状態を分析できれば、下部プレナムで発生したデブリ再溶融過程を逆推定することができる。得られた知見から、RPV内デブリの特性(堆積状態、化学状態)を推定できると期待される。


ペデスタル内部へのデブリ移行について

 2号機では、下部プレナムで、いったん堆積した後、金属デブリ(溶融・凝固)と酸化物デブリ(粒子状)の再溶融状態が、どこまで進んだのか(最高到達温度、溶融範囲、酸化度の変化など)が、以降のデブリふるまいとデブリ特性に大きく影響したと推定される。(参考11:下部プレナム堆積後のデブリ再溶融

ペデスタル内部への移行・堆積過程でのデブリふるまいは、以下のように推定される。

RPV底部側面から流出した溶融金属デブリ(1300℃程度):RPV下の保温層やグレーチング上にいったん堆積、これらを溶融・破損、一部が凝固・固着。主成分はSS/Zr、U,B,Cなどを最大10mol%程溶融する可能性、粒子状デブリや集合体部材を巻き込み(参考3:金属デブリの再溶融

MCCIの程度は不明(ほとんど発生していないと推定):ペデスタル底部に溶落し、鋼材やコンクリート上に広がった際に急冷され、スレート状や粒子状で固化。ペデスタル内構造材や、コンクリートはほとんど損傷していない

RPV底部溶接部局所破損で流出した金属デブリ(1000~1300℃):CRD内へ流入・固化、一部はCRDハウジング外周に付着、一部は崩落④。化合物相を含み、粘性が大きい(参考4:金属デブリと鋼材の共晶溶融


・これらのことから、主に2つのデブリ移行経路があり、経路によって崩落したデブリの特性が異なる可能性がある。

・2号機では、ペデスタル内に移行したデブリの大部分は、金属デブリと推定される。金属デブリは、崩落途中では溶融合金の特性を有し(低粘性、比較的低温)、ペデスタル内の鋼材やコンクリートはあまり腐食していないと推定される。金属デブリは、現在は酸化している可能性がある。

・下部プレナムでのデブリ再溶融状態が、デブリ堆積状態と特性に大きく影響する。ここでの、重要因子は、デブリ最高到達温度と酸化度、それに応じた金属デブリと酸化物デブリの相分率の変化と成分再分配である。(参考10:デブリ溶融プールの形成・拡大とデブリ酸化度の上昇、参考13:U-Zr-Oメルトと鋼材の反応

・2号機ペデスタル底部からの試験的デブリ取り出しで、崩落した金属デブリをg規模で採集し分析できれば、下部プレナムで発生したマクロなデブリ再溶融過程を逆推定することで、RPV内残留デブリの特性(堆積状態、化学状態)を推定できると期待される。さらに、MCCIの程度について、推定精度を高めることが期待される。

参考文献:

[1] I. Sato et al., (to be submitted)

[2] H. Madokoro and I. Sato, Estimation of the core degradation and relocation at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Unit 2 based on RELAP/SCDAPSIM analysis, Nucl. Eng. Design. 376 (2021) 111123.

[3] M. Kurata et al., Step-by-step challenge of debris characterization for the decommissioning of Fukushima-Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS), J. Nucl. Sci. Technol. 59 (2022), https://doi.org/10.1080/00223131.2022.2040393

[4] M. Kurata et al., Chapter 14 - Advances in fuel chemistry during a severe accident: Update after Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS) accident, in Advances in Nuclear Fuel Chemistry, edited by M. Piro, pp. 555-625 (2020), Woodhead Publishing Series in Energy.