「2PEN2103-2021-sem」の版間の差分

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|-
|-
|1
|1
|2022/03/30
|2025/2/26
|新規
|新規
|IRID報告書の内容を転記。
|SEM/EDX分析結果の掲載(出典<ref name="JAEA23a">令和3年度福島第一原子力発電所の炉内付着物サンプル等の分析,日本原子力研究開発機構,JAEA-Data/Code 2023-005.</ref>
|付録-4
|旧ページは [[Gr1:2PEN2103(2021)SEM-EDX|こちら(アクセス限定:Gr1)]]
|原稿作成:鈴木(NFD)
wiki転記:池内(JAEA)
|-
|2
|2022/11/29
|修正
|付図4-79 W(L)のマップを削除。
|備考欄参照
|確認:鈴木(NFD)<br>
wiki転記:池内(JAEA)
|-
|3
|2022/11/29
|承認
|
|
|池内(JAEA)
|}
|}


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Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-1.jpg|図1 2PEN2103 SEM試料採取前写真
Image:2PEN2103_SEM-EDX-1.jpg|図1 2PEN2103 SEM試料採取前写真
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-2.jpg|図2 2PEN2103 SEM試料(2PEN2103-1、2PEN2103-2)採取後写真
Image:2PEN2103_SEM-EDX-2.jpg|図2 2PEN2103 SEM試料(2PEN2103-1、2PEN2103-2)採取後写真
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 なお、U濃縮部分及びZr濃縮部分は概ね各探索画面に常に1個以上存在しており、Uに着目した着目領域を14箇所設定したところでU濃縮部分の探索を終了した。一方、Cs濃縮箇所は、約1 mm四方に相当する面積まで探索を行ったが、見つからなかった。
 なお、U濃縮部分及びZr濃縮部分は概ね各探索画面に常に1個以上存在しており、Uに着目した着目領域を14箇所設定したところでU濃縮部分の探索を終了した。一方、Cs濃縮箇所は、約1 mm四方に相当する面積まで探索を行ったが、見つからなかった。


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Image:Gr1:2PEN2103 SEM-EDX-3.jpg|図3 2PEN2103 SEM観察用試料全体SEM像と各着目領域の位置
Image:2PEN2103 SEM-EDX-3-2.jpg|図3 2PEN2103 SEM観察用試料全体SEM像と各着目領域の位置
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61行目: 43行目:




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Image:Gr1:2PEN2103 SEM-EDX-4.jpg|図4 2PEN2103 着目領域01~02の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-4.jpg|図4 2PEN2103 着目領域01~02の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:Gr1:2PEN2103 SEM-EDX-5.jpg|図5 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域01~02を含む視野)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>他元素からの信号の影響を含む元素マップには、その元素本来の主要な輝点を点線枠で表示した。<br/>C (導電テープの影響が含まれる)<br/>(F※)(O信号の影響)<br/>S (Pb信号の影響が含まれる)<br/>(Mn※)(Cr信号の影響)<br/>(Co※)(Fe信号の影響)<br/>(Mo※)(S信号の影響)<br/>(Mo※)(MoK信号無し)<br/>(Tc※)(S信号の影響)<br/>(Sn※)(U信号の影響)<br/>(Te※)(Ca信号の影響)<br/>(I※)(Ca信号の影響)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-5-2.jpg|図5 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域01~02を含む視野)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>他元素からの信号の影響を含む元素マップには、その元素本来の主要な輝点を点線枠で表示した。<br/>'''SE'''/'''C'''(導電テープの影響が含まれる)/'''O'''/'''(F※)'''(O信号の影響)/'''(Na※)'''/'''(Mg※)'''/'''Al'''/'''Si'''/'''S'''(Pb信号の影響が含まれる)/'''(Cl※)'''/'''Ca'''/'''(Ti※)'''/'''Cr'''/'''(Mn※)'''(Cr信号の影響)/'''Fe'''/'''(Co※)'''(Fe信号の影響)/'''Ni'''/'''(Cu※)'''/'''(Zn※)'''/ '''Zr'''/'''(Mo※)'''(S信号の影響)/'''(Mo※)'''(MoK信号無し)/'''(Tc※)'''(S信号の影響)/'''(Ru※)'''/'''(Rh※)'''/'''(Pd※)'''/'''(Ag※)'''/'''(Sn※)'''(U信号の影響)/'''(Te※)'''(Ca信号の影響)/'''(I※)'''(Ca信号の影響)/'''(Cs※)'''/'''(Ba※)'''/'''(Sm※)'''/'''(W※)'''/'''Pb'''/'''U'''
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Image:Gr1:2PEN2103 SEM-EDX-6.jpg|図6 2PEN2103 領域01拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103 SEM-EDX-6.jpg|図6 2PEN2103 領域01拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:2PEN2103 SEM-EDX-7.jpg|図7 2PEN2103 領域01中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/>Ca, Cr, Ni:定量下限以下
Image:2PEN2103 SEM-EDX-7.jpg|図7 2PEN2103 領域01中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/>Ca, Cr, Ni:定量下限以下
Image:Gr1:2PEN2103 SEM-EDX-8.jpg|図8 2PEN2103 領域02拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103 SEM-EDX-8.jpg|図8 2PEN2103 領域02拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:2PEN2103 SEM-EDX-9.jpg|図9 2PEN2103 領域02中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/> Ni:定量下限以下
Image:2PEN2103 SEM-EDX-9.jpg|図9 2PEN2103 領域02中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/> Ni:定量下限以下
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82行目: 64行目:
 図14~図17に示すように、領域04のU含有領域は直径10 μm程度、領域05は数 [μm] 程度の丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtを除いて、いずれも主にFe、Zr、O、Uが見られた。なお、領域05の近傍にも2 μm程度の丸みを帯びたU濃縮箇所があった。
 図14~図17に示すように、領域04のU含有領域は直径10 μm程度、領域05は数 [μm] 程度の丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtを除いて、いずれも主にFe、Zr、O、Uが見られた。なお、領域05の近傍にも2 μm程度の丸みを帯びたU濃縮箇所があった。


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Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-11.jpg|図10 2PEN2103 着目領域03~05の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-10.jpg|図10 2PEN2103 着目領域03~05の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-12.jpg|図11 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域03~05を含む視野)(1)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>他元素からの信号の影響を含む元素マップには、その元素本来の主要な輝点を点線枠で表示した。<br/>C (導電テープの影響が含まれる)<br/>(F※)(O,Fe信号の影響<br/>)S (Pb信号の影響が含まれる)<br/> (Mn※)(Cr信号の影響)<br/>(Co※)(Fe信号の影響)<br/>(Mo※)(S,Pb信号の影響)<br/>(Mo※)(MoK信号無し)<br/>(Ru※) (S,Cl,Pb信号の影響)<br/>(Sn※)(U信号の影響)<br/>(Te※)(Ca信号の影響)<br/>(I※)(Ca信号の影響)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-11-2.jpg|図11 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域03~05を含む視野)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>他元素からの信号の影響を含む元素マップには、その元素本来の主要な輝点を点線枠で表示した。<br/>'''SE'''/'''C '''(導電テープの影響が含まれる)/'''O'''/'''(F※)'''(O,Fe信号の影響)/'''Na'''/'''(Mg※)'''/'''Al'''/'''Si'''/'''S''' (Pb信号の影響が含まれる)/'''Cl'''/'''Ca'''/'''(Ti※)'''/'''Cr'''/'''(Mn※)'''(Cr信号の影響)/'''Fe'''/'''(Co※)'''(Fe信号の影響)/'''Ni'''/'''Cu'''/'''(Zn※)'''/'''Zr'''/'''(Mo※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Mo※)'''(MoK信号無し)/'''(Tc※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Ru※) '''(S,Cl,Pb信号の影響)/'''(Rh※)'''/'''(Pd※)'''/'''(Ag※)'''/'''(Sn※)'''(U信号の影響)/'''(Te※)'''(Ca信号の影響)/'''(I※)'''(Ca信号の影響)/'''(Cs※)'''/'''(Ba※)'''/'''(Sm※)'''/'''(W※)'''/'''Pb'''/'''U'''
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-14.jpg|図12 2PEN2103 領域03の拡大SEM-EDSマッピング
 
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-15.jpg|図13 2PEN2103 領域03の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
 
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-16.jpg|図14 2PEN2103 領域04の拡大SEM-EDSマッピング
 
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-17.jpg|図15 2PEN2103 領域04の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt:蒸着材料元素
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Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-18.jpg|図16 2PEN2103 領域05の拡大SEM-EDSマッピング
 
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-19.jpg|図17 2PEN2103 領域05の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt:蒸着材料元素<br/>Cr:定量下限以下
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Image:2PEN2103_SEM-EDX-12.jpg|図12 2PEN2103 領域03の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-13.jpg|図13 2PEN2103 領域03の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
Image:2PEN2103_SEM-EDX-14.jpg|図14 2PEN2103 領域04の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-15.jpg|図15 2PEN2103 領域04の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt:蒸着材料元素
Image:2PEN2103_SEM-EDX-16.jpg|図16 2PEN2103 領域05の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-17.jpg|図17 2PEN2103 領域05の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt:蒸着材料元素<br/>Cr:定量下限以下
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</gallery>


====領域06~09====
====領域06~09====
 図20に示すように、着目領域06及び07は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。また着目領域08及び09は、同視野から、それぞれ領域08はNiの濃縮部分を、領域09はPbの濃縮部分を設定した。<br/>
 図18に示すように、着目領域06及び07は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。また着目領域08及び09は、同視野から、それぞれ領域08はNiの濃縮部分を、領域09はPbの濃縮部分を設定した。<br/>
 図21に示すように、領域06~09の近傍も、Alは見られなかったが領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mgの濃縮箇所がわずかに見られた。<br/>
 図19に示すように、領域06~09の近傍も、Alは見られなかったが領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mgの濃縮箇所がわずかに見られた。<br/>
 図22~図25に示すように、領域06のU含有領域は約30 μm、領域07のU含有領域は約5 μmのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtやPdを除いて、いずれも主にO、Fe、U、Zrが見られた。<br/>
 図20~図23に示すように、領域06のU含有領域は約30 μm、領域07のU含有領域は約5 μmのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtやPdを除いて、いずれも主にO、Fe、U、Zrが見られた。<br/>
 図26~図27に示すように、領域08のNi含有領域は約10 μmの丸みを帯びた形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にFe、O、Ni、S、Crが見られた。<br/>
 図24~図25に示すように、領域08のNi含有領域は約10 μmの丸みを帯びた形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にFe、O、Ni、S、Crが見られた。<br/>
 図28~図30に示すように、領域09のPb含有領域は約4ミクロンの丸みを帯びた形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtやPdを除いて、主にFe、O、S、Pbが見られ、若干のAl、Si、Sbが見られた。
 図26~図27に示すように、領域09のPb含有領域は約4 μmの丸みを帯びた形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtやPdを除いて、主にFe、O、S、Pbが見られ、若干のAl、Si、Sbが見られた。
 
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Image:2PEN2103_SEM-EDX-18.jpg|図18 2PEN2103 着目領域06~09の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-19-2.jpg|図19 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域06~09を含む視野)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>他元素からの信号の影響を含む元素マップには、その元素本来の主要な輝点を点線枠で表示した。<br/>'''SE'''/'''C'''(導電テープの影響が含まれる)/'''O'''/'''(F※)'''(O信号の影響)/'''(Na※)'''/'''Mg'''/'''(Al※)'''/'''Si'''/'''S '''(Pb信号の影響が含まれる)/'''(Cl※)'''/'''Ca'''/'''(Ti※)'''/'''Cr'''/'''(Mn※)'''(Cr信号の影響)/'''Fe'''/'''(Co※)'''(Fe信号の影響)/'''Ni'''/'''(Cu※)'''(強いU信号の影響)/'''(Zn※)'''(強いU信号の影響)/'''Zr'''/'''(Mo※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Mo※)'''(U信号の影響、MoK信号無し)/'''(Tc※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Ru※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Rh※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Pd※)'''/'''(Ag※)'''/'''(Sn※)'''(U信号の影響)/'''(Te※)'''(Ca信号の影響)/'''(I※)'''(Cs信号の影響)/'''(Cs※)'''/'''(Ba※)'''/'''(Sm※)'''(Cr信号の影響)/'''(W※)'''(Ni信号の影響)/'''Pb'''/'''U'''
 
 
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Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-20.jpg|図20 2PEN2103 着目領域06~09の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-20.jpg|図20 2PEN2103 領域06の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-21.jpg|図21 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域06~09を含む視野)(1)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-21.jpg|図21 2PEN2103 領域06の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/>Ni:定量下限以下
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-22.jpg|図22 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域06~09を含む視野)(2)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-22.jpg|図22 2PEN2103 領域07の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-23.jpg|付図4.3-25<br>2PEN2103領域06の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-23.jpg|図23 2PEN2103 領域07の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-24.jpg|付図4.3-26<br>2PEN2103領域06の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:2PEN2103_SEM-EDX-24.jpg|図24 2PEN2103 領域08の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-25.jpg|付図4.3-27<br>2PEN2103領域07の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-25.jpg|図25 2PEN2103 領域08の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/>Sn:定量下限以下
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-26.jpg|付図4.3-28<br>2PEN2103領域07の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:2PEN2103_SEM-EDX-26.jpg|図26 2PEN2103 領域09の拡大SEM-EDSマッピング<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-27.jpg|付図4.3-29<br>2PEN2103領域08の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-27.jpg|図27 2PEN2103 領域09の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt:蒸着材料元素
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-28.jpg|付図4.3-30<br>2PEN2103領域08の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-29.jpg|付図4.3-31<br>2PEN2103領域09の拡大SEM-EDSマッピング (1)
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-30.jpg|付図4.3-32<br>2PEN2103領域09の拡大SEM-EDSマッピング (2)
Image:Gr1:2PEN2103_SEM-EDX-22.jpg|付図4.3-33<br>2PEN2103領域09の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
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</gallery>


====領域10~11====
====領域10~11====
 付図4.3-34に示すように、着目領域10及び11は、2PEN2103-1上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。これらをそれぞれ2PEN2103領域10及び領域11とした。
 図28に示すように、着目領域10及び11は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。


 付図4.3-35~36に示すように、領域10~11の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mg、Ti、Snの濃縮個所がわずかに見られた。
 図29に示すように、領域10~11の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mg、Ti、Snの濃縮箇所がわずかに見られた。


 付図4.3-37~40に示すように、領域10のU含有領域は約10ミクロンのやや細長い形状、領域11のU含有領域は約10ミクロンのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、それぞれ、主にO、Fe、Cr、U、Zr、主にO、U、Fe、Alが見られた。
 図30~図33に示すように、領域10のU含有領域は約10 μmのやや細長い形状、領域11のU含有領域は約10 μmのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、それぞれ、主にO、Fe、Cr、U、Zr、主にO、U、Fe、Alが見られた。
 
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Image:2PEN2103 SEM-EDX-28.jpg|図28 2PEN2103 着目領域10~11の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-29-2.jpg|図29 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域10~11を含む視野)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>他元素からの信号の影響を含む元素マップには、その元素本来の主要な輝点を点線枠で表示した。<br/>'''SE'''/'''C '''(導電テープの影響が含まれる)/'''O'''/'''(F※)'''(O信号の影響)/'''(Na※)'''/'''Mg'''/'''Al'''/'''Si'''/'''S'''/'''(Cl※)'''/'''Ca '''(Sn信号の影響が含まれる)/'''Ti'''/'''Cr'''/'''(Mn※)'''(Cr信号の影響)/'''Fe'''/'''(Co※)'''(Fe信号の影響)/'''Ni'''/'''(Cu※)'''(強いU信号の影響)/'''(Zn※)'''(強いU信号の影響)/'''Zr'''/'''(Mo※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Mo※) '''(U信号の影響、MoK信号無し)/'''(Tc※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Ru※)'''/'''(Rh※)'''/'''(Pd※)'''/'''(Ag※)'''(強いU信号の影響)/'''Sn '''(U信号の影響が含まれる)/'''(Te※)'''(Ca,Sn信号の影響)/'''(I※)'''(Ca信号の影響)/'''(Cs※)'''/'''(Ba※)'''(Ti信号の影響)/'''(Sm※)'''(Cr信号及び強いU信号の影響)/'''(W※)'''(Ni信号及び強いU信号の影響)/'''Pb'''/'''U'''
</gallery>


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<gallery mode="packed" heights=400px>
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-34.jpg|付図4.3-34<br>2PEN2103-1における着目領域10~11の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-30.jpg|図30 2PEN2103 領域10の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-35.jpg|付図4.3-35<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域10~11を含む視野)(1)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-31.jpg|図31 2PEN2103 領域10の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/>Ni:定量下限以下
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-36.jpg|付図4.3-36<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域10~11を含む視野)(2)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-32.jpg|図32 2PEN2103 領域11の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-37.jpg|付図4.3-37<br>2PEN2103領域10の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103 SEM-EDX-33.jpg|図33 2PEN2103 領域11の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-38.jpg|付図4.3-38<br>2PEN2103領域10の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-39.jpg|付図4.3-39<br>2PEN2103領域11の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-40.jpg|付図4.3-40<br>2PEN2103領域11の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
</gallery>
</gallery>


====領域12~13====
====領域12~13====
 付図4.3-41に示すように、着目領域12及び13は、2PEN2103-1上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。これらをそれぞれ2PEN2103領域12及び領域13とした。
 図34に示すように、着目領域12及び13は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。
 
 図35に示すように、領域12~13の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mg、Ti、Cu、Znの濃縮箇所がわずかに見られた。
 
 図36~図39に示すように、領域12及び領域13のU含有領域は約5 μmのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtやPdを除いて、主にFe、O、Zr、Uが見られた。


 付図4.3-42~43に示すように、領域12~13の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mg、Ti、Cu、Znの濃縮個所がわずかに見られた。
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Image:2PEN2103 SEM-EDX-34.jpg|図34 2PEN2103 着目領域12~13の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-35-2.jpg|図35 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域12~13を含む視野)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>他元素からの信号の影響を含む元素マップには、その元素本来の主要な輝点を点線枠で表示した。<br/>'''SE'''/''' C '''(導電テープの影響が含まれる)/'''O'''/'''(F※)'''(O信号の影響)/'''(Na※)'''/'''Mg'''/'''Al'''/'''Si'''/'''S '''(Pb信号の影響が含まれる)/'''(Cl※)'''/'''Ca'''/'''Ti'''/'''Cr'''/'''(Mn※)'''(Cr信号の影響)/'''Fe'''/'''(Co※)'''(Fe信号の影響)/'''Ni'''/'''Cu'''/'''Zn''' (強いU信号の影響が含まれる)/'''Zr'''/'''(Mo※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Mo※) '''(U信号の影響、MoK信号なし)/'''(Tc※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Ru※)'''/'''(Rh※)'''/'''(Pd※)'''/'''(Ag※)'''/'''(Sn※)'''(U信号の影響)/'''(Te※)'''(Ca信号の影響)/'''(I※)'''(Ca信号の影響)/'''(Cs※)'''/'''(Ba※)'''(Ti信号の影響)/'''(Sm※)'''(Cr信号の影響)/'''(W※)'''/'''Pb'''/'''U'''


 付図4.3-44~47に示すように、領域12及び領域13のU含有領域は約5ミクロンのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtやPdを除いて、主にFe、O、Zr、Uが見られた。
</gallery>


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<gallery mode="packed" heights=400px>
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-41.jpg|付図4.3-41<br>2PEN2103-1における着目領域12~13の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-36.jpg|図36 2PEN2103 領域12の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-42.jpg|付図4.3-42<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域12~13を含む視野)(1)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-37.jpg|図37 2PEN2103 領域12の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt:蒸着材料元素
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-43.jpg|付図4.3-43<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域12~13を含む視野)(2)
Image:2PEN2103 SEM-EDX-38.jpg|図38 2PEN2103 領域13の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-44.jpg|付図4.3-44<br>2PEN2103領域12の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103 SEM-EDX-39.jpg|図39 2PEN2103 領域13の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-45.jpg|付図4.3-45<br>2PEN2103領域12の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-46.jpg|付図4.3-46<br>2PEN2103領域13の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-47.jpg|付図4.3-47<br>2PEN2103領域13の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
</gallery>
</gallery>


====領域14~16====
====領域14~16====
 付図4.3-48~49に示すように、着目領域14及び15は、2PEN2103-1上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。また着目領域16は、同視野で、Zrの濃縮部分が明確に現れている1点を領域14及び領域15と重複しないように設定した。これらをそれぞれ2PEN2103領域14~16とした。
 図40に示すように、着目領域14及び15は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。また、着目領域16は、同視野で、Zrの濃縮部分が明確に現れている1点を領域14及び領域15と重複しないように設定した。
 
 図41に示すように、領域14~16の近傍も、Pbは見られなかったが領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mg、Tiの濃縮箇所がわずかに見られた。
 
 図42~図45に示すように、領域14は約20 μm、領域15は数 [μm] のやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、Zr、Uが見られた。


 付図4.3-50~51に示すように、領域14~16の近傍も、Pbは見られなかったが領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mg、Tiの濃縮個所がわずかに見られた。
 図46~図47に示すように、領域16のZr含有領域は約30 μmの丸みを帯びた形状で、ごく近傍にはUがあるが、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtを除いて、Uが検出されず、主にZr、O、Feが見られた。


 付図4.3-52~55に示すように、領域14は約20ミクロン、領域15は約数ミクロンのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、Zr、Uが見られた。
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Image:2PEN2103_SEM-EDX-40.jpg|図40 2PEN2103 着目領域14~16の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-41-2.jpg|図41 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域14~16を含む視野)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>'''SE'''/'''C '''(導電テープの影響が含まれる)/'''O'''/'''(F※)'''(O信号の影響)/'''(Na※)'''/'''Mg'''/'''Al'''/'''Si'''/'''S'''/'''(Cl※)'''/'''Ca'''/'''Ti'''/'''Cr'''/'''(Mn※)'''(Cr信号の影響)/'''Fe'''/'''(Co※)'''(Fe信号の影響)/'''Ni'''/'''(Cu※)'''(強いU信号の影響)/'''(Zn※)'''(強いU信号の影響)/'''Zr'''/'''(Mo※)'''(S信号の影響)/'''(Mo※)''' (U信号の影響、MoK信号無し)/'''(Tc※)'''(S信号の影響)/'''(Ru※)'''/'''(Rh※)'''/'''(Pd※)'''/'''(Ag※)'''(強いU信号の影響)/'''(Sn※)'''(U信号の影響)/'''(Te※)'''(Ca信号の影響)/'''(I※)'''(Ca信号の影響)/'''(Cs※)'''(強いU信号の影響)/'''(Ba※)'''(Ti信号の影響)/'''(Sm※)'''(強いU信号の影響)/'''(W※)'''(強いU信号の影響)/'''(Pb※)'''(強いU信号の影響)/'''U'''


 付図4.3-56~57に示すように、領域16のZr含有領域は約30ミクロンの丸みを帯びた形状で、ごく近傍にはUがあるが、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、、C及び蒸着材料であるPtを除いて、Uが検出されず、主にZr、O、Feが見られた。
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Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-48.jpg|付図4.3-48<br>2PEN2103-1における着目領域14~15の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-42.jpg|図42 2PEN2103 領域14の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-49.jpg|付図4.3-49<br>2PEN2103-1における着目領域16の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-43.jpg|図43 2PEN2103 領域14の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-50.jpg|付図4.3-50<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域14~16を含む視野)(1)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-44.jpg|図44 2PEN2103 領域15の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-51.jpg|付図4.3-51<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域14~16を含む視野)(2)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-45.jpg|図45 2PEN2103 領域15の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-52.jpg|付図4.3-52<br>2PEN2103領域14の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-46.jpg|図46 2PEN2103 領域16の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-53.jpg|付図4.3-53<br>2PEN2103領域14の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:2PEN2103_SEM-EDX-47.jpg|図47 2PEN2103 領域16の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt:蒸着材料元素<br/>Cr, Ni:定量下限以下
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-54.jpg|付図4.3-54<br>2PEN2103領域15の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-55.jpg|付図4.3-55<br>2PEN2103領域15の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-56.jpg|付図4.3-56<br>2PEN2103領域16の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-57.jpg|付図4.3-57<br>2PEN2103領域16の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
</gallery>
</gallery>


====領域17~18====
====領域17~18====
 付図4.3-58~59に示すように、着目領域17は、2PEN2103-1上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された1点をランダムに選定して設定した。また着目領域18は、同視野で、特異元素の濃縮部分として、Niの濃縮部分を設定した。これらをそれぞれ2PEN2103領域17~18とした。
 図48に示すように、着目領域17は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された1点をランダムに選定して設定した。また着目領域18は、同視野で、特異元素の濃縮部分として、Niの濃縮部分を設定した。
 
 図49に示すように、領域17~18の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Tiの濃縮箇所がわずかに見られた。


 付図4.3-60~61に示すように、領域17~18の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Tiの濃縮個所がわずかに見られた。
 図50~図51に示すように、領域17は約15 μmのやや丸みを帯びた形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、U、Zr、Feが見られた。


 付図4.3-62~63に示すように、領域17は約15ミクロンのやや丸みを帯びた形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、U、Zr、Feが見られた。
 図52~図53に示すように、領域18のNi含有領域は数 [μm] の丸みを帯びた形状で、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、S、Niが見られた。


 付図4.3-64~65に示すように、領域18のNi含有領域は数ミクロンの丸みを帯びた形状で、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、S、Niが見られた。
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Image:2PEN2103_SEM-EDX-48.jpg|図48<br>2PEN2103-1における着目領域17~18の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-49-2.jpg|図49 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域17~18を含む視野)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>'''SE'''/'''C'''/'''O'''/'''(F※)'''(O信号の影響)/'''(Na※)'''/'''(Mg※)'''/'''Al'''/'''Si'''/'''S''' (Pb信号の影響が含まれる) /'''(Cl※)'''/'''Ca'''/'''Ti'''/'''Cr'''/'''(Mn※)'''(Cr信号の影響)/'''Fe'''/'''(Co※)'''(Fe信号の影響)/'''Ni'''/'''(Cu※)'''(強いU信号の影響)/'''(Zn※)'''(強いU信号の影響)/'''Zr'''/'''(Mo※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Mo※) '''(U信号の影響、MoK信号無し)/'''(Tc※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Ru※)'''/'''(Rh※)'''/'''(Pd※)'''/'''(Ag※)'''/'''(Sn※)'''(U信号の影響)/'''(Te※)'''(Ca信号の影響)/'''(I※)'''(Ca信号の影響)/'''(Cs※)'''(強いU信号の影響)/'''(Ba※)'''(Ti信号の影響)/'''(Sm※)'''(強いU信号の影響)/'''(W※)'''(強いU信号の影響)/'''Pb''' (強いU信号の影響が含まれる)/'''U'''
 
</gallery>


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Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-58.jpg|付図4.3-58<br>2PEN2103-1における着目領域17の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-50.jpg|図50 2PEN2103 領域17の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-59.jpg|付図4.3-59<br>2PEN2103-1における着目領域18の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-51.jpg|図51 2PEN2103 領域17の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/>Ni:定量下限以下
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-60.jpg|付図4.3-60<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域17~18を含む視野)(1)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-52.jpg|図52 2PEN2103 領域18の拡大SEM-EDSマッピング<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-61.jpg|付図4.3-61<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域17~18を含む視野)(2)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-53.jpg|図53 2PEN2103 領域18の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-62.jpg|付図4.3-62<br>2PEN2103領域17の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-63.jpg|付図4.3-63<br>2PEN2103領域17の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-64.jpg|付図4.3-64<br>2PEN2103領域18の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-65.jpg|付図4.3-65<br>2PEN2103領域18の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
</gallery>
</gallery>


====19~23====
====19~23====
 付図4.3-66~68に示すように、着目領域19及び20は、2PEN2103-1上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。また着目領域21は、同視野で、特異元素の濃縮部分として、Niの濃縮部分を設定した。着目領域21は、同視野で、Zrの濃縮部分が明確に現れている1点を領域19及び領域20と重複しないように設定した。また、特異元素の濃縮部分として、着目領域22は同視野でTiの濃縮部分、着目領域23は同視野でCuの濃縮部分を設定した。これらをそれぞれ2PEN2103領域19~23とした。
 図54に示すように、着目領域19及び20は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。着目領域21は、同視野で、Zrの濃縮部分が明確に現れている1点を領域19及び領域20と重複しないように設定した。また、特異元素の濃縮部分として、着目領域22は同視野でTiの濃縮部分、着目領域23は同視野でCuの濃縮部分を設定した。
 
 図55に示すように、領域19~23の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Na、Mg、Cl、Ti、Cu、Znの濃縮箇所がわずかに見られた。
 
 図56~図61に示すように、領域19及び領域20は約10 μm、領域21は約5 μmのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、U、Zrが見られた。


 付図4.3-69~70に示すように、領域19~23の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Na、Mg、Cl、Ti、Cu、Znの濃縮個所がわずかに見られた。
 図62~図65に示すように、領域22のTi含有領域、領域23のCu含有領域とも約10 μmの細長い形状で、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、それぞれ、主にO、Fe、Ti、Si、主にCu、Znが見られた。


 付図4.3-71~76に示すように、領域19及び領域20は約10ミクロン、領域21は約5ミクロンのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、U、Zrが見られた。
<gallery mode="packed" heights=500px>
Image:2PEN2103_SEM-EDX-54.jpg|図54 2PEN2103 着目領域19~23の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-55-3.jpg|図55 2PEN2103 SEM-EDSマッピング(領域19~23を含む視野)<br/>※試料からの有意な信号を含まない特性X線像は “※”を付し、括弧書きとした。(すべての輝点が他元素のEDX信号や試料外元素の影響である場合を含む)<br/>'''SE'''/'''C'''/'''O'''/'''(F※)'''(O信号の影響)/'''Na '''(Zn及びCu信号の影響が含まれる)/'''Mg'''/'''Al'''/'''Si'''/'''S '''(Pb信号の影響が含まれる) /'''Cl'''/'''Ca'''/'''Ti'''/'''Cr'''/'''(Mn※)'''(Cr信号の影響)/'''Fe'''/'''(Co※)'''(Fe信号の影響)/'''Ni'''/'''Cu'''/'''Zn'''/'''Zr'''/'''(Mo※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Mo※)'''(U信号の影響、MoK信号無し)/'''(Tc※)'''(S,Pb信号の影響)/'''(Ru※)'''(Cl,S,Pb信号の影響)/'''(Rh※)'''(Cl信号の影響)/'''(Pd※)'''/'''(Ag※)'''(強いU信号の影響)/'''(Sn※)'''(U信号の影響)/'''(Te※)'''(Ca信号の影響)/'''(I※)'''(Ca信号の影響)/'''(Cs※)'''(強いU信号の影響)/'''(Ba※)'''(Ti信号の影響)/'''(Sm※)'''(Cr信号の影響)/'''(W※)'''(強いCu信号の影響)/'''Pb'''/'''U'''


 付図4.3-77~80に示すように、領域22のTi含有領域、領域23のCu含有領域とも約10ミクロンの細長い形状で、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、それぞれ、主にO、Fe、Ti、Si、主にCu、Znが見られた。
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Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-66.jpg|付図4.3-66<br>2PEN2103-1における着目領域19~20の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-56.jpg|図56 2PEN2103 領域19の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-67.jpg|付図4.3-67<br>2PEN2103-1における着目領域21の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-57.jpg|図57 2PEN2103 領域19の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/>Ca:定量下限以下
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-68.jpg|付図4.3-68<br>2PEN2103-1における着目領域22~23の設定(赤破線中心を領域の中心とする)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-58.jpg|図58 2PEN2103 領域20の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-69.jpg|付図4.3-69<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域19~23を含む視野)(1)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-59.jpg|図59 2PEN2103 領域20の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-70.jpg|付図4.3-70<br>2PEN2103-1のSEM-EDSマッピング(領域19~23を含む視野)(2)
Image:2PEN2103_SEM-EDX-60.jpg|図60 2PEN2103 領域21の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-71.jpg|付図4.3-71<br>2PEN2103領域19の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-61.jpg|図61 2PEN2103 領域21の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-72.jpg|付図4.3-72<br>2PEN2103領域19の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:2PEN2103_SEM-EDX-62.jpg|図62 2PEN2103 領域22の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-73.jpg|付図4.3-73<br>2PEN2103領域20の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-63.jpg|図63 2PEN2103 領域22の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/>Ni:定量下限以下
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-74.jpg|付図4.3-74<br>2PEN2103領域20の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:2PEN2103_SEM-EDX-64.jpg|図64 2PEN2103 領域23の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-75.jpg|付図4.3-75<br>2PEN2103領域21の拡大SEM-EDSマッピング
Image:2PEN2103_SEM-EDX-65.jpg|図65 2PEN2103 領域23の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル<br/>注意事項:上図の赤破線の中心をEDX点分析の中心とした。<br/>なお、赤破線はEDX点分析の範囲を示しているわけではない。<br/>Pt, Pd:蒸着材料元素<br/>Ni:定量下限以下
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-76.jpg|付図4.3-76<br>2PEN2103領域21の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-77.jpg|付図4.3-77<br>2PEN2103領域22の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-78.jpg|付図4.3-78<br>2PEN2103領域22の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-79 rev1.jpg|付図4.3-79<br>2PEN2103領域23の拡大SEM-EDSマッピング
Image:Gr1:21NFD図-SEM観察結果-(2PEN2103)-80.jpg|付図4.3-80<br>2PEN2103領域23の中央付近を中心としたEDS点分析のスペクトル
</gallery>
</gallery>


===各領域中心部を中心としたEDS点分析定量結果 ===
===各領域中心部を中心としたEDS点分析定量結果 ===
 付表4.3-1に示すように、2PEN2103-1の各領域の中心部付近を中心としたEDS点分析の半定量分析の取得データとして、SEM-EDS装置に付属したソフトウェアによる各元素の半定量値の出力値をそのまま表示した。このデータは、疑似信号や有効数字の評価を行っておらず、表に示す元素の合計を100%として表示している。すなわち、Cや蒸着膜材の元素(Pt、Pd)については、それらのEDS信号が有意に見られる場合も表示していない。ただし、各点分析位置のスペクトルにおいて、これらの元素(Pt、Pd、C)及び表に示した元素以外の元素からのEDSピークは有意に存在しなかった。なお、領域23ではCuの有意な信号が見られているので、領域23のみCuを分析に加えたデータを示した。
 各着目領域の中心部付近でのEDX点分析において、EDX付属のソフトウェアによる各元素の半定量値の出力結果を、一次データとして表1に示す。この一次データは、疑似信号や有効数字の評価を行っておらず、表に示す元素の合計を100 at%として表示している。すなわち、Cや蒸着膜材の元素(Pt、Pd)については、それらのEDX信号が有意に見られる場合も表示していない。ただし、各点分析位置のスペクトルにおいて、これらの元素(Pt、Pd、C)及び表に示した元素以外の元素からのEDXピークは有意に存在しなかった。なお、領域09では、Sbの有意な信号が検出されたため、ソフトウェアによる半定量において、対象元素にSbを加えた。同様に、領域23ではCuの有意な信号が検出されたため、Cuを対象元素に加えた。<br/>
 表1の一次データをもとに、スペクトルの精査を経て、定量可能な元素の合計を100 at%として元素組成比を再計算した結果を、半定量分析結果として表2に示す。
 
{| class="wikitable"| style="margin:0 auto"
|+表1 2PEN2103 FE-SEM/EDX点分析(領域01~23)の一次出力データ
</div>
<div style="text-align:right">(単位:at%)</div>
|-
! 領域No.
! O K
! Na K
! Mg K
! Al K
! Si K
! S K
! Cl K
! Ag L
! Cd L
! U M
! Sn L
! Ca K
! Sb L
! Te L
! Cs L
! Ba L
! Ti K
! Cr K
! Fe K
! Ni K
! Cu K
! Zn K
! Pb L
! Zr K
! Mo K
! Total
|- blank
| 01
| 70.0
| 0.0
| 0.5
| 1.3
| 0.7
| 0.2
| 0.0
| 0.0
| 0.2
| 4.4
| 0.0
| 0.5
| -
| 0.0
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 0.4
| 15.5
| 0.2
| -
| 0.0
| 0.0
| 5.6
| 0.5
| 100
|-
| 02
| 52.3
| 0.1
| 0.4
| 5.2
| 0.6
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 7.8
| 1.5
| 1.5
| -
| 0.1
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 0.6
| 22.4
| 0.3
| -
| 0.1
| 0.1
| 5.0
| 1.9
| 100
|-
| 03
| 36.0
| 0.0
| 0.3
| 3.2
| 1.4
| 0.3
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 11.8
| 1.0
| 0.3
| -
| 0.0
| 0.3
| 0.0
| 0.0
| 1.5
| 28.0
| 1.8
| -
| 0.0
| 0.1
| 13.2
| 0.6
| 100
|-
| 04
| 18.8
| 0.0
| 0.0
| 0.7
| 1.8
| 0.7
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 2.4
| 0.2
| 0.4
| -
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 1.2
| 53.4
| 1.5
| -
| 0.1
| 0.1
| 18.7
| 0.0
| 100
|-
| 05
| 14.0
| 0.0
| 0.0
| 1.9
| 1.0
| 0.2
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 1.4
| 0.2
| 0.3  
| -
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.5
| 62.7
| 1.3
| -
| 0.1
| 0.3
| 16.3
| 0.0
| 100
|-
| 06
| 54.6
| 0.0
| 0.7
| 2.7
| 0.8
| 0.3
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 12.6
| 1.1
| 0.1
| -
| 0.0
| 0.2
| 0.0
| 0.0
| 0.8
| 13.3
| 0.3
| -
| 0.0
| 0.1
| 11.9
| 0.4
| 100
|-
| 07
| 34.5
| 0.0
| 0.3
| 3.5
| 1.0
| 0.2
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 11.8
| 1.1
| 0.4
| -
| 0.0
| 0.3
| 0.0
| 0.0
| 1.2
| 31.7
| 0.8
| -
| 0.0
| 0.2
| 12.8
| 0.4
| 100
|-
| 08
| 28.9
| 0.0
| 1.3
| 1.3
| 1.3
| 9.1
| 0.3
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.6
| 0.3
| -
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 5.4
| 33.8
| 16.8
| -
| 0.1
| 0.2
| 0.2
| 0.4
| 100
|-
| 09
| 16.7
| 0.0
| 0.4
| 2.0
| 2.2
| 9.4
| 0.9
| 0.1
| 0.2
| 0.0
| 0.0
| 0.6
| 2.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.2
| 58.2
| 1.0
| -
| 0.2
| 5.6
| 0.2
| 0.0
| 100
|-
| 10
| 41.7
| 0.0
| 0.6
| 1.9
| 0.7
| 0.1
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 6.7
| 0.6
| 0.3
| -
| 0.0
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 18.6
| 21.4
| 0.4
| -
| 0.1
| 0.1
| 6.6
| 0.1
| 100
|-
| 11
| 44.8
| 0.0
| 1.2
| 5.5
| 0.4
| 0.0
| 0.2
| 0.0
| 0.0
| 27.3
| 2.7
| 0.0
| -
| 0.0
| 0.5
| 0.0
| 0.0
| 0.2
| 13.2
| 0.6
| -
| 0.0
| 0.0
| 2.3
| 1.2
| 100
|-
| 12
| 14.1
| 0.0
| 0.0
| 4.2
| 0.3
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 10.7
| 1.6
| 0.0
| -
| 0.0
| 0.3
| 0.0
| 0.0
| 2.1
| 45.2
| 0.3
| -
| 0.0
| 0.2
| 20.0
| 1.0
| 100
|-
| 13
| 45.0
| 0.0
| 0.2
| 3.1
| 0.9
| 0.3
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 12.2
| 1.3
| 0.1
| -
| 0.0
| 0.3
| 0.0
| 0.0
| 1.5
| 20.9
| 0.8
| -
| 0.0
| 0.0
| 13.0
| 0.5
| 100
|-
| 14
| 37.4
| 0.0
| 0.2
| 4.7
| 0.6
| 0.3
| 0.2
| 0.0
| 0.0
| 20.8
| 2.5
| 0.0
| -
| 0.0
| 0.5
| 0.0
| 0.0
| 1.9
| 9.6
| 0.2
| -
| 0.0
| 0.1
| 20.4
| 0.8
| 100
|-
| 15
| 47.8
| 0.0
| 0.5
| 2.1
| 1.2
| 0.3
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 6.7
| 0.6
| 0.3
| -
| 0.0
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 1.2
| 28.9
| 0.6
| -
| 0.0
| 0.1
| 9.0
| 0.7
| 100
|-
| 16
| 36.7
| 0.0
| 0.0
| 1.0
| 0.5
| 0.7
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.1
| -
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.3
| 17.1
| 0.4
| -
| 0.0
| 0.2
| 43.0
| 0.0
| 100
|-
| 17
| 57.7
| 0.0
| 0.9
| 2.0
| 1.0
| 0.4
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 13.3
| 1.3
| 0.0
| -
| 0.0
| 0.3
| 0.0
| 0.0
| 1.6
| 8.0
| 0.4
| -
| 0.0
| 0.0
| 12.3
| 0.7
| 100
|-
| 18
| 40.3
| 0.0
| 0.5
| 1.2
| 1.2
| 13.3
| 0.1
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 0.1
| 0.2
| -
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.1
| 31.2
| 10.5
| -
| 0.1
| 0.1
| 0.1
| 0.9
| 100
|-
| 19
| 41.6
| 0.0
| 0.7
| 2.5
| 2.3
| 0.8
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 4.2
| 0.5
| 0.4
| -
| 0.0
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 4.0
| 33.9
| 4.5
| -
| 0.0
| 0.1
| 4.2
| 0.4
| 100
|-
| 20
| 56.8
| 0.0
| 0.2
| 0.7
| 1.1
| 0.5
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 5.6
| 0.7
| 0.1
| -
| 0.0
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 5.7
| 23.7
| 0.7
| -
| 0.0
| 0.1
| 3.9
| 0.1
| 100
|-
| 21
| 46.0
| 0.0
| 0.6
| 1.7
| 2.0
| 1.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 1.0
| 0.1
| 0.6
| -
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.4
| 13.6
| 1.3
| -
| 0.1
| 0.1
| 31.5
| 0.3
| 100
|-
| 22
| 37.4
| 0.1
| 2.3
| 2.9
| 9.1
| 0.2
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 1.0
| -
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 22.4
| 0.2
| 23.6
| 0.5
| -
| 0.1
| 0.1
| 0.1
| 0.0
| 100
|-
| 23
| 4.9
| 25.3
| 0.0
| 2.1
| 1.1
| 0.1
| 0.0
| 0.1
| 0.0
| 0.0
| 1.6
| 0.3
| -
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.0
| 0.1
| 4.0
| 0.3
| 53.7
| 5.6
| 0.0
| 0.2
| 0.5
| 100
|-
|}
(注意事項)<br/>
・このデータは、SEM-EDX装置に付属したソフトウェアによる各元素の半定量比の出力値をそのまま表示したものであり、疑似信号や有効数字の評価を行っていない取得データである。<br/>
・本表は、本表に示す元素の合計を100%として表示したものであり、Cや蒸着膜材の元素(Pt, Pd)については、それらのEDX信号が有意に見られる場合も含めていない。<br/>
・元素記号横のK,L,Mは、定量に用いた特性X線の種別を示す。
 


<gallery mode="packed" heights=400px>
Image:Gr1:21NFD表-SEM観察結果-(2PEN2103)-1.jpg|付表4.3-1<br>2PEN2103の着目領域のSEM-EDS点分析による半定量取得データ
</gallery>


 付表4.3-2に示すように、各点分析位置の半定量分析結果として、各点分析位置におけるスペクトルを精査した結果ピークが見られない元素及び0.5at%以下と判断される元素を検出限界以下と判断してn.d.と表示し、定量可能な元素の合計を100%として表示した。
{| class="wikitable"| style="margin:0 auto"
|+表2 2PEN2103 着目領域のSEM/EDX点分析による半定量分析結果
</div>
<div style="text-align:right">(単位:at%)</div>
! 領域No.
! 着目元素
! O
! Na
! Mg
! Al
! Si
! S
! Cl
! Ag
! Cd
! U
! Sn
! Ca
! Sb
! Te
! Cs
! Ba
! Ti
! Cr
! Fe
! Ni
! Cu
! Zn
! Pb
! Zr
! Mo
! Total
! 分類
|-
| 01
| U
| 72
| n.d.
| n.d.
| 1
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 4
| n.d.
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| L.O.Q.
| 16
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 6
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 02
| U
| 55
| n.d.
| n.d.
| 5
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 8
| n.d.
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 1
| 23
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 5
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 03
| U
| 37
| n.d.
| n.d.
| 3
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 12
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 2
| 29
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 14
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 04
| Zr
| 19
| n.d.
| n.d.
| 1
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 1
| 54
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 19
| n.d.
| 100
| Zr
|-
| 05
| Zr
| 14
| n.d.
| n.d.
| 2
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| L.O.Q.
| 64
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 17
| n.d.
| 100
| Zr
|-
| 06
| U
| 56
| n.d.
| n.d.
| 3
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 13
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 1
| 14
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 12
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 07
| U
| 35
| n.d.
| n.d.
| 4
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 12
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 1
| 33
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 13
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 08
| Ni
| 30
| n.d.
| n.d.
| 1
| 1
| 9
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 6
| 36
| 17
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 100
| Ni-S
|-
| 09
| Pb
| 18
| n.d.
| n.d.
| 2
| 2
| 10
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 59
| 1
| n.d.
| n.d.
| 6
| n.d.
| n.d.
| 100
| Pb-S
|-
| 10
| U
| 42
| n.d.
| n.d.
| 2
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 7
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 19
| 22
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 7
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 11
| U
| 48
| n.d.
| n.d.
| 6
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 29
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 14
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 2
| n.d.
| 100
| U
|-
| 12
| U
| 15
| n.d.
| n.d.
| 4
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 11
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 2
| 47
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 21
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 13
| U
| 46
| n.d.
| n.d.
| 3
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 13
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 2
| 21
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 13
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 14
| U
| 39
| n.d.
| n.d.
| 5
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 22
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 2
| 10
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 21
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 15
| U
| 49
| n.d.
| n.d.
| 2
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 7
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 1
| 30
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 9
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 16
| Zr
| 37
| n.d.
| n.d.
| 1
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| L.O.Q.
| 17
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 44
| n.d.
| 100
| Zr
|-
| 17
| U
| 60
| n.d.
| n.d.
| 2
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 14
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 2
| 8
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 13
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 18
| Ni
| 41
| n.d.
| n.d.
| 1
| 1
| 14
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 32
| 11
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 100
| Ni-S
|-
| 19
| U
| 43
| n.d.
| n.d.
| 3
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 4
| n.d.
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 4
| 35
| 5
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 4
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 20
| U
| 57
| n.d.
| n.d.
| 1
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 6
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 6
| 24
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 4
| n.d.
| 100
| U-Zr
|-
| 21
| Zr
| 47
| n.d.
| n.d.
| 2
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 1
| n.d.
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 14
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 32
| n.d.
| 100
| Zr
|-
| 22
| Ti
| 38
| n.d.
| 2
| 3
| 9
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 1
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 23
| n.d.
| 24
| L.O.Q.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 100
| Ti
|-
| 23
| Cu
| 7
| n.d.
| n.d.
| 3
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 2
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 5
| L.O.Q..
| 73
| 8
| n.d.
| n.d.
| n.d.
| 100
| Cu
|-
|}
(注意事項)<br/>
・“n.d.”は、EDX信号のエネルギースペクトルにピークが確認されず、検出限界以下と判断した元素である。<br/>
・“L.O.Q”.は、スペクトルにピークが確認できるものの、本表に示す元素を100%とした場合に0.5at%未満となり、定量下限以下と判断した元素である。<br/>
・本表の数値は、“n.d.”及び“L.O.Q.”を除いた半定量性を持つデータを示していると判断した元素を100%として規格化して表示した。ただし、C、及び蒸着膜材の元素(Pt, Pd)については、それらのEDX信号が有意に見られる場合も含めていない。<br/>
・本表の数値は、着目元素を含む粒子の平均組成を表すものではなく、粒子とその近傍の構成元素やその多寡といった傾向を概略把握するための概数値である。


<gallery mode="packed" heights=400px>
===各領域からのTEM観察対象試料の選定===
Image:Gr1:21NFD表-SEM観察結果-(2PEN2103)-2.jpg|付表4.3-2<br>2PEN2103の着目領域のSEM-EDS点分析による半定量分析結果
 各着目領域中心部のEDX点分析による半定量分析結果に基づき、各領域を次のように分類した(表2の最右列参照)。なお、試料自体にFe及びOが大量に含まれており、各領域の半定量分析結果に影響を与えていると考えられることから、下記分類においてFe及びOは考慮していない。<br/>
</gallery>
 ・ 種別 “U-Zr”:UとZrの双方を含む領域として、13領域(領域01、02、03、06、07、10、12、13、14、15、17、19、20)が該当。<br/>
 ・ 種別 “U”:Zrが極端に少なくUが多い領域として、1領域(領域11)が該当。<br/>
 ・ 種別 “Zr”:Uが極端に少なくZrが多い領域として、4領域(領域04、05、16、21)が該当。<br/>
 ・ 種別 “Ni-S”:NiとSを含む領域として、2領域(領域08、18)が該当。<br/>
 ・ 種別 “Pb-S”:PbとSを含む領域として、1領域(領域09)が該当。<br/>
 ・ 種別 “Ti”:Tiを含む領域として、1領域(領域22)が該当。<br/>
 ・ 種別 “Cu”:Cuを含む領域として、1領域(領域23)が該当。<br/>
 2PEN2103各領域の中からTEM観察候補を選定した。各領域の分類結果のうち、種別U-Zrに分類された領域には、UとZrを両方含む粒子が存在すると期待される。このとき、Uを高濃度に含む相(U-rich相)とZrを高濃度に含む相(Zr-rich相)が相分離している可能性がある。粒子の生成過程でこのような相分離が起きている場合、各相の元素組成等の情報から、粒子の成り立ちや事故炉内雰囲気等を推定できる可能性がある。このため、TEM観察候補としては種別U-Zrから選ぶこととした。さらに、種別U-Zrの中で酸素の定量値を見ると、酸素濃度が比較的高い領域と低い領域が存在した。U-Zr-O系状態図を参考にすると、相分離の過程で、高酸素濃度条件ではZr含有率の異なる二種類の酸化物相((U, Zr)O<sub>2</sub>と(Zr, U)O<sub>2</sub>)に、低酸素濃度条件では酸化物相と金属相の組み合わせ(例えば(U, Zr)O<sub>2</sub>とZr(O)等)に分離すると考えられる<ref>Quaini, A., et al., Contribution to the thermodynamic description of the corium –The U-Zr-O system, Journal of Nuclear Materials, vol.501, (2018), pp.104–131.</ref>。このように、共存する相の組み合わせから粒子生成時の酸素ポテンシャルの推定に役立てられる可能性があることから、酸素濃度の大小をパラメータにTEM観察領域を選定することとした。さらに、U含有領域のサイズが大きく多くの情報が得られること、TEM観察試料の採取が現実的に可能であること等も考慮した。<br/>
 以上の観点から、TEM観察領域として、種別U-Zrの中から、高酸素濃度の領域として領域06及び領域14、低酸素濃度の領域 として領域05及び領域12の合計4箇所を選定した。


===各領域の分類 ===
===SEM観察結果のまとめ===
 2PEN2103各領域の分類は、試料自体にFe、Oに大量に存在することで、各領域中心部を中心としたEDS点分析定量結果に影響を与えていると見られることから、Fe、O以外が少なからず存在する領域についてはFe、Oを除外して分類した。UもしくはZrを含む領域のほとんどはUとZrの両方が含まれる領域であった。これを種別U-Zrと分類すると13領域がこれに該当した。一方、Zrが極端に少なくUが多い領域(種別U)やUが極端に少なくZrが多い領域(種別Zr)もわずかに存在し、それぞれ1領域、4領域となった。一方、NiやPbに着目した領域にはSが存在し、それぞれ種別Ni-Sが2領域、種別Pb-Sが1領域認められた。TiやCuは他の元素と相関しておらず、それぞれ種別Tiが1領域、種別Cuが1領域であった。なお、種別Ni-SやPb-Sは硫酸塩もしくは硫化物を形成している可能性が考えられるほか、種別TiやCuはそれぞれ酸化物、金属として存在している可能性が考えられる。次に、これら種別間の割合を検討するためには、各領域がランダムに選ばれていなければならないが、ランダムに選択した領域はUを着目元素とした領域のみであるため、種別U-Zr間と種別U間の割合のみ検討した。これに絞ると、種別U-Zrと種別Uの比率は、13領域と1領域となり、種別U-Zrの割合が圧倒的に多く、種別Uの割合は小さいことがわかった。
 表面には、スミア繊維上に大量のFe及びOが存在し、C、Caの濃縮箇所があり、わずかにNa、Mg、Al、Si、S、Cl、Ti、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Sn、Pb、U の濃縮箇所も見られた。このうち、UとZrの濃縮箇所は明確に相関していた。また、このうちAl、Si、Cr、Niについては、複数の領域で濃縮箇所が検出された。<br/>
 着目領域は23箇所設定した。U濃縮箇所に着目して14箇所、Zr濃縮箇所に着目して4箇所、また特異元素濃縮箇所としてNiに着目して2箇所、Pbに着目して1箇所、Tiに着目して1箇所、Cuに着目して1箇所設定した。各領域の特徴は以下の通り。<br/>
 ・ U濃縮箇所のほとんどでZrも検出され、Zr濃縮箇所のほとんどでUも検出された。<br/>
 ・ ランダムに選定したU濃縮箇所14箇所のうち、UとZrの両方を含む領域(種別U-Zr)が13箇所、Zrをほとんど含まずUのみ含む領域が1箇所であり、前者の割合が圧倒的に多いことがわかった。<br/>
 ・ Niの濃縮箇所及びPbの濃縮箇所ではSが見られた。これらは硫酸塩あるいは硫化物となっている可能性がある。<br/>
 ・ Ti濃縮箇所では、Tiに隣接してSiを含有する部分があるが、この位置ではSiとともにMgやAlも多くなっていた。<br/>
 ・ Cuの濃縮箇所では、Znが同位置に見られた。極端にOが少ないことから、Cu-Zn系合金の微粒子である可能性がある。<br/>
 TEM観察対象領域としては、種別U-Zrの中から、高酸素濃度の領域として領域06及び領域14、低酸素濃度の領域として領域05及び領域12の計4箇所を選定した。


===各領域からのTEM観察対象試料の選定 ===
===参考文献===
 2PEN2103各領域の中からTEM観察候補を選定する。領域の分類のうち、U-Zr領域は、UとZrを両方含む粒子が存在すると期待されるが、このとき、U含有相とZr含有相が相分離を発生している可能性が考えられる。相分離を発生しているとその分配係数等から粒子の成り立ちや事故炉内雰囲気等が推定できる可能性があるため、TEM観察候補としては種別U-Zrから選ぶこととした。さらに、種別U-Zrの中で酸素の定量値を見ると、比較的酸素が高い領域と比較的酸素は低い領域が存在した。U-Zr-O系の相分離は、高酸素濃度では(U,Zr)O<sub>2</sub>と(Zr,U)O<sub>2</sub>に、低酸素濃度では(U,Zr)O<sub>2</sub>とZr(O)に分離すると考えられているため、酸素濃度の大小をパラメータにTEM観察候補を選定することとした。さらに、U含有領域のサイズが大きく多くの情報が得られること、スミア繊維に覆われやすい位置にあり採取が困難となることなどの観点から、TEM観察領域として、高酸素濃度U-Zrとして領域6及び領域14、低酸素濃度U-Zrとして領域5及び領域12の合計4か所を選定した。
<references>
[1]Quaini, A., et al., Contribution to the thermodynamic description of the corium –The U-Zr-O system, Journal of Nuclear Materials, vol.501, (2018), pp.104–131.
</references>

2025年3月6日 (木) 15:21時点における最新版

更新履歴
No 日付 分類 内容 備考
1 2025/2/26 新規 SEM/EDX分析結果の掲載(出典[1] 旧ページは こちら(アクセス限定:Gr1)

SEM観察用試料の分取 

 図1~2に示すように、汚染物試料2PEN2103から、SEM観察用試料を採取した。黒色の汚れが中央付近に明確に付着している2PEN2103-1をSEM観察試料とし、2PEN2103-2試料は予備試料として観察せずに保管した。

着目領域の位置

 図3に、SEM観察用試料の全体SEM像と各着目領域の位置を示す。黒色の汚れ付近を中心に着目元素の探索を行い、着目領域として23箇所を設定した。その内訳は、U濃縮部分に着目して14箇所、Zr濃縮箇所に着目して4箇所、また特異元素濃縮部分としてNiに着目して2箇所、Pbに着目して1箇所、Tiに着目して1箇所、Cuに着目して1箇所である。
 なお、U濃縮部分及びZr濃縮部分は概ね各探索画面に常に1個以上存在しており、Uに着目した着目領域を14箇所設定したところでU濃縮部分の探索を終了した。一方、Cs濃縮箇所は、約1 mm四方に相当する面積まで探索を行ったが、見つからなかった。

各着目領域の概要

(Below, the Japanese word "領域" in figures means "Region" in English.)

領域01~02

 図4に示すように、着目領域01及び02は、SEM観察用試料の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。
 図5に示すように、領域01及び02の近傍は、スミア繊維上に大量のFe及びOが存在し、C、Caの濃縮箇所があり、わずかにAl、Si、S、Cr、Ni、Zr、Pb、U の濃縮箇所も見られた。このうち、UとZrの濃縮箇所は明確に相関している。
 図6~図7に示すように、領域01のU含有領域は約3 μmの細長い形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、Zr、Uが見られた。
 図8~図9に示すように、領域02のU含有領域は数 [μm] の扇形の形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、U、Zr、Alが見られた。



領域03~05

 図10に示すように、着目領域03は、SEM観察用試料の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された1点をランダムに選定して設定した。また、着目領域04及び05は、同視野で、Zrの濃縮部分が明確に現れている2点を、領域03と重複しないように設定した。

 図11に示すように、領域03~05の近傍も領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Na、Cl、Cuの濃縮箇所がわずかに見られた。

 図12~図13に示すように、領域03のU含有領域は約6 μmの細長い形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、Zr、Uが見られた。

 図14~図17に示すように、領域04のU含有領域は直径10 μm程度、領域05は数 [μm] 程度の丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtを除いて、いずれも主にFe、Zr、O、Uが見られた。なお、領域05の近傍にも2 μm程度の丸みを帯びたU濃縮箇所があった。

領域06~09

 図18に示すように、着目領域06及び07は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。また着目領域08及び09は、同視野から、それぞれ領域08はNiの濃縮部分を、領域09はPbの濃縮部分を設定した。
 図19に示すように、領域06~09の近傍も、Alは見られなかったが領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mgの濃縮箇所がわずかに見られた。
 図20~図23に示すように、領域06のU含有領域は約30 μm、領域07のU含有領域は約5 μmのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtやPdを除いて、いずれも主にO、Fe、U、Zrが見られた。
 図24~図25に示すように、領域08のNi含有領域は約10 μmの丸みを帯びた形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にFe、O、Ni、S、Crが見られた。
 図26~図27に示すように、領域09のPb含有領域は約4 μmの丸みを帯びた形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtやPdを除いて、主にFe、O、S、Pbが見られ、若干のAl、Si、Sbが見られた。

領域10~11

 図28に示すように、着目領域10及び11は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。

 図29に示すように、領域10~11の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mg、Ti、Snの濃縮箇所がわずかに見られた。

 図30~図33に示すように、領域10のU含有領域は約10 μmのやや細長い形状、領域11のU含有領域は約10 μmのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、それぞれ、主にO、Fe、Cr、U、Zr、主にO、U、Fe、Alが見られた。

領域12~13

 図34に示すように、着目領域12及び13は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。

 図35に示すように、領域12~13の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mg、Ti、Cu、Znの濃縮箇所がわずかに見られた。

 図36~図39に示すように、領域12及び領域13のU含有領域は約5 μmのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtやPdを除いて、主にFe、O、Zr、Uが見られた。

領域14~16

 図40に示すように、着目領域14及び15は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。また、着目領域16は、同視野で、Zrの濃縮部分が明確に現れている1点を領域14及び領域15と重複しないように設定した。

 図41に示すように、領域14~16の近傍も、Pbは見られなかったが領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Mg、Tiの濃縮箇所がわずかに見られた。

 図42~図45に示すように、領域14は約20 μm、領域15は数 [μm] のやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、Zr、Uが見られた。

 図46~図47に示すように、領域16のZr含有領域は約30 μmの丸みを帯びた形状で、ごく近傍にはUがあるが、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtを除いて、Uが検出されず、主にZr、O、Feが見られた。

領域17~18

 図48に示すように、着目領域17は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された1点をランダムに選定して設定した。また着目領域18は、同視野で、特異元素の濃縮部分として、Niの濃縮部分を設定した。

 図49に示すように、領域17~18の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Tiの濃縮箇所がわずかに見られた。

 図50~図51に示すように、領域17は約15 μmのやや丸みを帯びた形状であり、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、U、Zr、Feが見られた。

 図52~図53に示すように、領域18のNi含有領域は数 [μm] の丸みを帯びた形状で、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、S、Niが見られた。

19~23

 図54に示すように、着目領域19及び20は、SEM観察用試料上の黒色の汚れ付近をランダムに選んだ視野上で、Uの濃縮が比較的濃く大きく観察された2点をランダムに選定して設定した。着目領域21は、同視野で、Zrの濃縮部分が明確に現れている1点を領域19及び領域20と重複しないように設定した。また、特異元素の濃縮部分として、着目領域22は同視野でTiの濃縮部分、着目領域23は同視野でCuの濃縮部分を設定した。

 図55に示すように、領域19~23の近傍も、領域01~02の近傍とほぼ同様であるほか、Na、Mg、Cl、Ti、Cu、Znの濃縮箇所がわずかに見られた。

 図56~図61に示すように、領域19及び領域20は約10 μm、領域21は約5 μmのやや丸みを帯びた形状であり、それらの中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、主にO、Fe、U、Zrが見られた。

 図62~図65に示すように、領域22のTi含有領域、領域23のCu含有領域とも約10 μmの細長い形状で、その中央部分を中心とした点分析スペクトルからは、C及び蒸着材料であるPtとPdを除いて、それぞれ、主にO、Fe、Ti、Si、主にCu、Znが見られた。

各領域中心部を中心としたEDS点分析定量結果 

 各着目領域の中心部付近でのEDX点分析において、EDX付属のソフトウェアによる各元素の半定量値の出力結果を、一次データとして表1に示す。この一次データは、疑似信号や有効数字の評価を行っておらず、表に示す元素の合計を100 at%として表示している。すなわち、Cや蒸着膜材の元素(Pt、Pd)については、それらのEDX信号が有意に見られる場合も表示していない。ただし、各点分析位置のスペクトルにおいて、これらの元素(Pt、Pd、C)及び表に示した元素以外の元素からのEDXピークは有意に存在しなかった。なお、領域09では、Sbの有意な信号が検出されたため、ソフトウェアによる半定量において、対象元素にSbを加えた。同様に、領域23ではCuの有意な信号が検出されたため、Cuを対象元素に加えた。
 表1の一次データをもとに、スペクトルの精査を経て、定量可能な元素の合計を100 at%として元素組成比を再計算した結果を、半定量分析結果として表2に示す。

表1 2PEN2103 FE-SEM/EDX点分析(領域01~23)の一次出力データ
(単位:at%)
領域No. O K Na K Mg K Al K Si K S K Cl K Ag L Cd L U M Sn L Ca K Sb L Te L Cs L Ba L Ti K Cr K Fe K Ni K Cu K Zn K Pb L Zr K Mo K Total
01 70.0 0.0 0.5 1.3 0.7 0.2 0.0 0.0 0.2 4.4 0.0 0.5 - 0.0 0.1 0.0 0.0 0.4 15.5 0.2 - 0.0 0.0 5.6 0.5 100
02 52.3 0.1 0.4 5.2 0.6 0.1 0.0 0.0 0.0 7.8 1.5 1.5 - 0.1 0.1 0.0 0.0 0.6 22.4 0.3 - 0.1 0.1 5.0 1.9 100
03 36.0 0.0 0.3 3.2 1.4 0.3 0.1 0.0 0.0 11.8 1.0 0.3 - 0.0 0.3 0.0 0.0 1.5 28.0 1.8 - 0.0 0.1 13.2 0.6 100
04 18.8 0.0 0.0 0.7 1.8 0.7 0.0 0.0 0.0 2.4 0.2 0.4 - 0.0 0.0 0.0 0.0 1.2 53.4 1.5 - 0.1 0.1 18.7 0.0 100
05 14.0 0.0 0.0 1.9 1.0 0.2 0.0 0.0 0.0 1.4 0.2 0.3 - 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 62.7 1.3 - 0.1 0.3 16.3 0.0 100
06 54.6 0.0 0.7 2.7 0.8 0.3 0.1 0.0 0.0 12.6 1.1 0.1 - 0.0 0.2 0.0 0.0 0.8 13.3 0.3 - 0.0 0.1 11.9 0.4 100
07 34.5 0.0 0.3 3.5 1.0 0.2 0.1 0.0 0.0 11.8 1.1 0.4 - 0.0 0.3 0.0 0.0 1.2 31.7 0.8 - 0.0 0.2 12.8 0.4 100
08 28.9 0.0 1.3 1.3 1.3 9.1 0.3 0.0 0.0 0.0 0.6 0.3 - 0.0 0.0 0.0 0.0 5.4 33.8 16.8 - 0.1 0.2 0.2 0.4 100
09 16.7 0.0 0.4 2.0 2.2 9.4 0.9 0.1 0.2 0.0 0.0 0.6 2.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 58.2 1.0 - 0.2 5.6 0.2 0.0 100
10 41.7 0.0 0.6 1.9 0.7 0.1 0.1 0.0 0.0 6.7 0.6 0.3 - 0.0 0.1 0.0 0.0 18.6 21.4 0.4 - 0.1 0.1 6.6 0.1 100
11 44.8 0.0 1.2 5.5 0.4 0.0 0.2 0.0 0.0 27.3 2.7 0.0 - 0.0 0.5 0.0 0.0 0.2 13.2 0.6 - 0.0 0.0 2.3 1.2 100
12 14.1 0.0 0.0 4.2 0.3 0.1 0.0 0.0 0.0 10.7 1.6 0.0 - 0.0 0.3 0.0 0.0 2.1 45.2 0.3 - 0.0 0.2 20.0 1.0 100
13 45.0 0.0 0.2 3.1 0.9 0.3 0.1 0.0 0.0 12.2 1.3 0.1 - 0.0 0.3 0.0 0.0 1.5 20.9 0.8 - 0.0 0.0 13.0 0.5 100
14 37.4 0.0 0.2 4.7 0.6 0.3 0.2 0.0 0.0 20.8 2.5 0.0 - 0.0 0.5 0.0 0.0 1.9 9.6 0.2 - 0.0 0.1 20.4 0.8 100
15 47.8 0.0 0.5 2.1 1.2 0.3 0.0 0.0 0.0 6.7 0.6 0.3 - 0.0 0.1 0.0 0.0 1.2 28.9 0.6 - 0.0 0.1 9.0 0.7 100
16 36.7 0.0 0.0 1.0 0.5 0.7 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 - 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 17.1 0.4 - 0.0 0.2 43.0 0.0 100
17 57.7 0.0 0.9 2.0 1.0 0.4 0.1 0.0 0.0 13.3 1.3 0.0 - 0.0 0.3 0.0 0.0 1.6 8.0 0.4 - 0.0 0.0 12.3 0.7 100
18 40.3 0.0 0.5 1.2 1.2 13.3 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.2 - 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 31.2 10.5 - 0.1 0.1 0.1 0.9 100
19 41.6 0.0 0.7 2.5 2.3 0.8 0.0 0.0 0.0 4.2 0.5 0.4 - 0.0 0.1 0.0 0.0 4.0 33.9 4.5 - 0.0 0.1 4.2 0.4 100
20 56.8 0.0 0.2 0.7 1.1 0.5 0.0 0.0 0.0 5.6 0.7 0.1 - 0.0 0.1 0.0 0.0 5.7 23.7 0.7 - 0.0 0.1 3.9 0.1 100
21 46.0 0.0 0.6 1.7 2.0 1.0 0.0 0.0 0.0 1.0 0.1 0.6 - 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 13.6 1.3 - 0.1 0.1 31.5 0.3 100
22 37.4 0.1 2.3 2.9 9.1 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0 - 0.0 0.0 0.0 22.4 0.2 23.6 0.5 - 0.1 0.1 0.1 0.0 100
23 4.9 25.3 0.0 2.1 1.1 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 1.6 0.3 - 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 4.0 0.3 53.7 5.6 0.0 0.2 0.5 100

(注意事項)
・このデータは、SEM-EDX装置に付属したソフトウェアによる各元素の半定量比の出力値をそのまま表示したものであり、疑似信号や有効数字の評価を行っていない取得データである。
・本表は、本表に示す元素の合計を100%として表示したものであり、Cや蒸着膜材の元素(Pt, Pd)については、それらのEDX信号が有意に見られる場合も含めていない。
・元素記号横のK,L,Mは、定量に用いた特性X線の種別を示す。


表2 2PEN2103 着目領域のSEM/EDX点分析による半定量分析結果
(単位:at%)
領域No. 着目元素 O Na Mg Al Si S Cl Ag Cd U Sn Ca Sb Te Cs Ba Ti Cr Fe Ni Cu Zn Pb Zr Mo Total 分類
01 U 72 n.d. n.d. 1 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 4 n.d. L.O.Q. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. L.O.Q. 16 L.O.Q. n.d. n.d. n.d. 6 n.d. 100 U-Zr
02 U 55 n.d. n.d. 5 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 8 n.d. 2 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 1 23 L.O.Q. n.d. n.d. n.d. 5 n.d. 100 U-Zr
03 U 37 n.d. n.d. 3 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 12 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 2 29 2 n.d. n.d. n.d. 14 n.d. 100 U-Zr
04 Zr 19 n.d. n.d. 1 2 n.d. n.d. n.d. n.d. 2 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 1 54 2 n.d. n.d. n.d. 19 n.d. 100 Zr
05 Zr 14 n.d. n.d. 2 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 1 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. L.O.Q. 64 1 n.d. n.d. n.d. 17 n.d. 100 Zr
06 U 56 n.d. n.d. 3 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 13 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 1 14 L.O.Q. n.d. n.d. n.d. 12 n.d. 100 U-Zr
07 U 35 n.d. n.d. 4 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 12 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 1 33 1 n.d. n.d. n.d. 13 n.d. 100 U-Zr
08 Ni 30 n.d. n.d. 1 1 9 n.d. n.d. n.d. n.d. L.O.Q. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 6 36 17 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 100 Ni-S
09 Pb 18 n.d. n.d. 2 2 10 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 2 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 59 1 n.d. n.d. 6 n.d. n.d. 100 Pb-S
10 U 42 n.d. n.d. 2 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 7 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 19 22 L.O.Q. n.d. n.d. n.d. 7 n.d. 100 U-Zr
11 U 48 n.d. n.d. 6 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 29 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 14 1 n.d. n.d. n.d. 2 n.d. 100 U
12 U 15 n.d. n.d. 4 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 11 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 2 47 n.d. n.d. n.d. n.d. 21 n.d. 100 U-Zr
13 U 46 n.d. n.d. 3 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 13 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 2 21 1 n.d. n.d. n.d. 13 n.d. 100 U-Zr
14 U 39 n.d. n.d. 5 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 22 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 2 10 n.d. n.d. n.d. n.d. 21 n.d. 100 U-Zr
15 U 49 n.d. n.d. 2 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 7 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 1 30 1 n.d. n.d. n.d. 9 n.d. 100 U-Zr
16 Zr 37 n.d. n.d. 1 1 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. L.O.Q. 17 L.O.Q. n.d. n.d. n.d. 44 n.d. 100 Zr
17 U 60 n.d. n.d. 2 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 14 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 2 8 L.O.Q. n.d. n.d. n.d. 13 n.d. 100 U-Zr
18 Ni 41 n.d. n.d. 1 1 14 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 32 11 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 100 Ni-S
19 U 43 n.d. n.d. 3 2 n.d. n.d. n.d. n.d. 4 n.d. L.O.Q. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 4 35 5 n.d. n.d. n.d. 4 n.d. 100 U-Zr
20 U 57 n.d. n.d. 1 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 6 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 6 24 1 n.d. n.d. n.d. 4 n.d. 100 U-Zr
21 Zr 47 n.d. n.d. 2 2 n.d. n.d. n.d. n.d. 1 n.d. 1 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 14 1 n.d. n.d. n.d. 32 n.d. 100 Zr
22 Ti 38 n.d. 2 3 9 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 1 n.d. n.d. n.d. n.d. 23 n.d. 24 L.O.Q. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 100 Ti
23 Cu 7 n.d. n.d. 3 2 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 2 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. 5 L.O.Q.. 73 8 n.d. n.d. n.d. 100 Cu

(注意事項)
・“n.d.”は、EDX信号のエネルギースペクトルにピークが確認されず、検出限界以下と判断した元素である。
・“L.O.Q”.は、スペクトルにピークが確認できるものの、本表に示す元素を100%とした場合に0.5at%未満となり、定量下限以下と判断した元素である。
・本表の数値は、“n.d.”及び“L.O.Q.”を除いた半定量性を持つデータを示していると判断した元素を100%として規格化して表示した。ただし、C、及び蒸着膜材の元素(Pt, Pd)については、それらのEDX信号が有意に見られる場合も含めていない。
・本表の数値は、着目元素を含む粒子の平均組成を表すものではなく、粒子とその近傍の構成元素やその多寡といった傾向を概略把握するための概数値である。

各領域からのTEM観察対象試料の選定

 各着目領域中心部のEDX点分析による半定量分析結果に基づき、各領域を次のように分類した(表2の最右列参照)。なお、試料自体にFe及びOが大量に含まれており、各領域の半定量分析結果に影響を与えていると考えられることから、下記分類においてFe及びOは考慮していない。
 ・ 種別 “U-Zr”:UとZrの双方を含む領域として、13領域(領域01、02、03、06、07、10、12、13、14、15、17、19、20)が該当。
 ・ 種別 “U”:Zrが極端に少なくUが多い領域として、1領域(領域11)が該当。
 ・ 種別 “Zr”:Uが極端に少なくZrが多い領域として、4領域(領域04、05、16、21)が該当。
 ・ 種別 “Ni-S”:NiとSを含む領域として、2領域(領域08、18)が該当。
 ・ 種別 “Pb-S”:PbとSを含む領域として、1領域(領域09)が該当。
 ・ 種別 “Ti”:Tiを含む領域として、1領域(領域22)が該当。
 ・ 種別 “Cu”:Cuを含む領域として、1領域(領域23)が該当。
 2PEN2103各領域の中からTEM観察候補を選定した。各領域の分類結果のうち、種別U-Zrに分類された領域には、UとZrを両方含む粒子が存在すると期待される。このとき、Uを高濃度に含む相(U-rich相)とZrを高濃度に含む相(Zr-rich相)が相分離している可能性がある。粒子の生成過程でこのような相分離が起きている場合、各相の元素組成等の情報から、粒子の成り立ちや事故炉内雰囲気等を推定できる可能性がある。このため、TEM観察候補としては種別U-Zrから選ぶこととした。さらに、種別U-Zrの中で酸素の定量値を見ると、酸素濃度が比較的高い領域と低い領域が存在した。U-Zr-O系状態図を参考にすると、相分離の過程で、高酸素濃度条件ではZr含有率の異なる二種類の酸化物相((U, Zr)O2と(Zr, U)O2)に、低酸素濃度条件では酸化物相と金属相の組み合わせ(例えば(U, Zr)O2とZr(O)等)に分離すると考えられる[2]。このように、共存する相の組み合わせから粒子生成時の酸素ポテンシャルの推定に役立てられる可能性があることから、酸素濃度の大小をパラメータにTEM観察領域を選定することとした。さらに、U含有領域のサイズが大きく多くの情報が得られること、TEM観察試料の採取が現実的に可能であること等も考慮した。
 以上の観点から、TEM観察領域として、種別U-Zrの中から、高酸素濃度の領域として領域06及び領域14、低酸素濃度の領域 として領域05及び領域12の合計4箇所を選定した。

SEM観察結果のまとめ

 表面には、スミア繊維上に大量のFe及びOが存在し、C、Caの濃縮箇所があり、わずかにNa、Mg、Al、Si、S、Cl、Ti、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Sn、Pb、U の濃縮箇所も見られた。このうち、UとZrの濃縮箇所は明確に相関していた。また、このうちAl、Si、Cr、Niについては、複数の領域で濃縮箇所が検出された。
 着目領域は23箇所設定した。U濃縮箇所に着目して14箇所、Zr濃縮箇所に着目して4箇所、また特異元素濃縮箇所としてNiに着目して2箇所、Pbに着目して1箇所、Tiに着目して1箇所、Cuに着目して1箇所設定した。各領域の特徴は以下の通り。
 ・ U濃縮箇所のほとんどでZrも検出され、Zr濃縮箇所のほとんどでUも検出された。
 ・ ランダムに選定したU濃縮箇所14箇所のうち、UとZrの両方を含む領域(種別U-Zr)が13箇所、Zrをほとんど含まずUのみ含む領域が1箇所であり、前者の割合が圧倒的に多いことがわかった。
 ・ Niの濃縮箇所及びPbの濃縮箇所ではSが見られた。これらは硫酸塩あるいは硫化物となっている可能性がある。
 ・ Ti濃縮箇所では、Tiに隣接してSiを含有する部分があるが、この位置ではSiとともにMgやAlも多くなっていた。
 ・ Cuの濃縮箇所では、Znが同位置に見られた。極端にOが少ないことから、Cu-Zn系合金の微粒子である可能性がある。
 TEM観察対象領域としては、種別U-Zrの中から、高酸素濃度の領域として領域06及び領域14、低酸素濃度の領域として領域05及び領域12の計4箇所を選定した。

参考文献

  1. 令和3年度福島第一原子力発電所の炉内付着物サンプル等の分析,日本原子力研究開発機構,JAEA-Data/Code 2023-005.
  2. Quaini, A., et al., Contribution to the thermodynamic description of the corium –The U-Zr-O system, Journal of Nuclear Materials, vol.501, (2018), pp.104–131.