燃料デブリ経年変化特性の推定技術開発 準備中

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燃料デブリの経年変化特性の推定技術の開発

  1. 概要
  2. 燃料デブリの経年変化特性の推定技術の開発は、廃炉・汚染水対策事業補助金により、2019-2020年度に、燃料デブリ性状把握のための分析・推定技術の開発事業の一環として公募され、東芝エネルギーシステムズ株式会社、および、ROSATOM/TENEX社の研究提案(合せて2件)が採択され実施された。その成果の概要を以下に示すと共に、公開されている成果説明資料を掲載する。
  3. 研究開発の目的
  4. 東京電力福島第一原子力発電所(1F)では、原子炉圧力容器(RPV: Reactor Pressure Vessel)及び原子炉格納容器(PCV: Primary Containment Vessel)内に燃料デブリが存在していると考えられる。燃料デブリの取出しに向けて、取出し作業中及び取出し後の保管中におけるその性状や長期間の安定性を把握しておくことが重要である。 チェルノブイリ原子力発電所4号機の事故においては、溶融炉心がコンクリート等の構造物を取りこんで、溶融炉心-コンクリート反応(MCCI: Molten Core Concrete Interaction)が起こり、様々な燃料デブリが発生した。これらの燃料デブリの一部は、時間の経過とともに放射線や酸化などによる自己崩壊が進行し、事故から30年以上経過した現時点では、そこから微粒子が発生していることが報告されている。このため、チェルノブイリプラントでは、微粒子が気中に飛散、液中に流出して拡散することで、汚染や被ばくが拡大することが懸念されている。 他方、スリーマイルアイランド原子力発電所2号機(TMI-2)の事故で発生した燃料デブリは、事故から40年以上経過した現在でも顕著な経年変化を生じず、塊状を維持している。また、事故後に採集したサンプルを分析する際に、酸による液調製が課題であったことが報告されており、TMI-2事故の燃料デブリは化学的に高い安定性を有していると推定されている。 このような、実際の原子力発電所の過酷事故で発生した燃料デブリの経年変化現象の違いは、どのような原因やメカニズムによって引き起こされているのかは明らかになっていない。 1F事故プラントからの燃料デブリ取出し時の汚染や被ばくの低減や閉じ込め性能の維持、取出した後の収納・移送・保管方法を検討するために、燃料デブリに経年変化が起きた場合の影響を把握し、その状態変化の重要度に応じて適切な対策を予め講じておくことが必要である。そのために、燃料デブリの経年変化に起因する微粒子化や形態変化、水中への移行挙動等に関する知見を取得することで、1F燃料デブリの経年変化現象を予測しておことが重要となる。 本研究開発事業では、1F燃料デブリが長期間置かれると考えられる環境下での経年変化の有無を明らかにし、経年劣化が生じる場合には、その様態の経時変化を予測し、それらの基礎知見に基づいて、燃料デブリ取出しや収納・移送・保管等への経年変化現象の影響の有無や程度の推定を行う。
  5. 研究成果の概要
    1. 燃料デブリの経年劣化特性の推定技術の開発(東芝エネルギーシステムズ株式会社実施事業)※以下では、本事業の成果の概要を、公開されている事業成果資料の該当ページと対応させて説明する。
    2. 研究項目、目的、進め方、スケジュール